こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
多くの投資家やホームバイヤーが気になっている
「住宅価格や住宅ローン金利は今後暴落するのか?」
というテーマに触れておきたいと思います。
アメリカの住宅市場では、金利が依然として高止まりしており、多くの人が「価格の暴落や金利の急低下」を待っています。
けれどもアメリカ不動産市場の専門家の多くは、この期待は現実的ではないと感じているようです。
具体的なデータとして、ファニーメイは2025年末の住宅ローン金利を6.1%、2026年は5.8%と予測しています。
Redfinによると2025年4月の住宅価格は前月比で0.1%減少しましたが、これは2022年以来の初めての下落であり、大きな価格調整を示すものではありません。
要するに
「2008年の住宅市場崩壊と今の状況は全く違う」
というわけです。
2005年頃は、クレジットスコアさえあれば誰でも簡単に住宅ローンが組めました。
けれども現在は住宅ローンの審査基準が厳しくなり、過去のような不良債権が積み上がるリスクは非常に低くなっています。
また、住宅在庫は主要都市で徐々に増加しています。
アリゾナ州フェニックスでは理想的な市場在庫バランスは約38,000戸ですが、一時期は6,000〜7,000戸と極端に低い水準でした。
現在は20,000戸程度まで回復し、徐々に市場の安定化が進んでいます。
これを踏まえ、概ね今のホームバイヤーは主に3つのタイプに分類されます。
・すぐにでも購入したい(金利をあまり気にしない)
・金利が下がるまで待つ(現在の金利6%台では買いたくない)
・買いたくても金利や価格のせいで買えない(経済的に厳しい状況)
特に3つ目のグループは金利の低下を待つ間に市場競争が激化し、さらに購入が難しくなる可能性があります。
金利が下がると市場に買い手が殺到し、価格がさらに上がる傾向にあるからです。
そこで大切なのは、市場や金利に左右されるより自身の状況に合ったタイミングで行動を起こすことだと思います。
エージェントたちにしてみれば
『いつが買い時ですか?』
と言われれば、
『自分にとって良いタイミングが買い時』
としか言いようがないわけです。
また、パンデミック後に見られた2%台の低金利は歴史的にも異例中の異例であり、再びあの水準に戻る可能性は極めて低いと思います。
。。。
かくして、今後大幅な価格や金利の暴落を待ち続けると市場から取り残されるリスクが高まる可能性の方が高い、というのが現状です。
不動産投資家としても市場が安定した今こそ冷静に判断し、長期的な視点で住宅市場を捉える必要があるように思います。
住宅市場は「待つ」よりも「今動く」ことが重要なタイミングかもしれません。
投資案件をメールマガジンで無料購読。
下記よりメールアドレスをご登録ください。