こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
物件を売却するとき、ご近所さんが市場価格より安い価格で家を売り出すと不安になるものです。
「市場価格なのに、このままでは自分の物件は売れないのではないか」
でも、慌てて自分の家の価格を下げる必要はありません。
実は、隣の家が安い理由はあなたの物件価値とは直接関係がないケースがほとんどです。
例えば、ご近所で売りに出ている物件が不当に安い理由には下記のような事情があるはずです。
- すぐに売却する必要がある
- 修繕が必要な状態で売り出している
- 敷地面積や建物の広さが狭い
- 設備や利便性が劣っている
- 送電線や騒音源など、人気が落ちる要因がある
- 地域市場が一時的に落ち着いている
米国の不動産情報サイトRealtor.comの最新データによれば、2025年4月に価格を値下げした物件は全体の18%に達していますが、ご近所の売却物件のSale priceを見て慌てて価格を下げる前に以下のことを試してみましょう。
まず、エージェントに依頼して再度「Comparative Market Analysis(CMA)」を実施しましょう。
自分の家の価値を冷静に再評価することで、隣の家とは違う物件の特徴を改めて把握し、正しい価格を維持できる根拠を探ります。
過去には、私のクライアントで近隣が市場より25,000ドル安く売り出したケースがありました。
けれどもこの方は価格を下げる代わりにマーケティングを強化し、ステージングをもって家の魅力をアピールすることで結果的に希望価格以上での売却に成功されています。
そしてCMAと同時に重要なのは、まさにこの物件の魅力を引き出すことです。
例えば、売却の際は以下のポイントを強調しましょう。
- 新しい屋根やキッチンのリフォームなどのアップデート
- 最新の省エネ設備
- 隣の家にはない広い庭や優れた間取り
- 自然光が豊富な空間
等。
特に物件の写真や説明文を刷新すること、内覧の柔軟な対応、またドローン映像や動画ツアーを取り入れることも効果的です。
そして外観を整え、第一印象を良くすることで買い手の関心を高めることができます。
とはいえ、長期間市場に出ているのに反応が鈍い場合は価格調整を検討する時期かもしれません。
価格調整は決して失敗を意味するわけでもなく、むしろより多くの買い手を引き寄せ、結果的に良い条件で売却できる可能性もあります(特に複数のオファーが入る場合)。
また価格を下げる前に、購入者への特典(クロージング費用の負担や家電のプレゼント)などを検討することも一つの方法です。
。。。
いずれにせよ、隣家の売却価格が自分の物件価値を決めるということはありません。
買い手は価格だけでなく、その家の価値をしっかりと見極めています。
仮に近所で安い物件が出ていたとしても、焦らず冷静に戦略的に対応していきましょう。
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