こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
アメリカの不動産市場でアメリカのジェネレーションZ(以下、Gen Z)が住宅購入の分野で苦戦しているようです。
2025年において、Gen Zが住宅購入者全体に占める割合はわずか3%という低い数字でした。
その一方で、ベビーブーマー世代は購入者の42%を占めています。
これだけの大きな差は、住宅価格の高騰や高金利だけが原因ではありません。
その実、Gen Zの最大の問題は借金の返済を最優先している点にあります。
PYMNTS Intelligenceの調査によると、Gen Zの平均個人負債額は94,101ドルに達しており、クレジットカードによる負債が特に多い状況とのこと。
こうした高額な借金の返済に収入が回ることで、頭金の準備や住宅ローンの資格を得ることが非常に難しくなっているというのです。
さらに同じ調査によれば、Gen Zの73%が「リアクター(Reactors)」という短期的な支出対応型のマインドセットを持っており、これが長期的な資産形成や住宅購入の障害になっています。
興味深いことに、最近は高収入者層においてもリアクター型が増加しています。
年収が6桁を超える人々のうち長期的計画を立てている人の割合が25%減少し、現在では52%がリアクター型となっている結果です。
Gen Zのもう一つの特徴として、「リスクを取って大きな成功を目指す」という傾向があります。
Gen Zの約7%は起業を最重要目標としていますが、これはベビーブーマー世代の8倍の割合です。
経済を活性化させる上では起業は大いに奨励されるところですが、起業家としての収入は不安定になりやすく、伝統的な住宅ローン審査では不利になることが多いのが現実です。
そして住宅購入を遅らせることのデメリットは、価格上昇が続く市場では、後になるほど購入の負担が増える点にあります。
Gen Zにとって住宅購入は依然として重要な目標ですが、その実現には
- 自動積立を設定し、頭金を少しずつ貯める
- 支出を細かく管理し、無駄な出費を見直す
- クレジットカード利用は計画的に行い、毎月完済を目指す
- 借金返済を優先しつつ、貯蓄も同時に進めて将来的な住宅購入の準備をする
このような長期的な視点と計画的な行動が不可欠です。
短期的な対応型から長期的な計画型への意識転換が起こらない限り、アメリカのGen Zが理想の住まいを手に入れるのは難しいと言えるかもしれません。
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