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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
アメリカの不動産市場に今、面白い動きが見られています。
売主が思った価格で売れないと判断した住宅を市場から取り下げるケースが急増しているのです。
具体的に見ると、2025年5月には前年比47%もの住宅が市場から撤退。
さらに2024年と比べても今年に入って35%増加しています。
市場から撤退する物件の割合は、昨年や一昨年の春には100軒の新規物件に対して約10軒だったものが、今年の5月には13軒にまで上昇。
この傾向が顕著なのは特に南部と西部です。
特にアリゾナ州のフェニックスでは100件の新規登録物件に対して30件もの物件が取り下げられ、全国でもっとも高い割合となっています。
実はこの背景には住宅価格に関する売主の期待感があります。
アメリカでは現在過去最高水準のホームエクイティ(住宅資産)があり、売主は価格を下げずに待つという選択が可能。
過去の不動産市場では価格下落に追い込まれた売主が妥協して売るケースが多かったのですが、今は「売らずに待つ」選択肢が増えているのです。
さらに、価格引き下げの傾向も見逃せません。
今年6月には全米の住宅の20.6%が値下げされ、これは2016年以来の高水準。
特にデンバーでは物件の34%が値下げされ、次いでフェニックスとオースティンでも値下げが目立ちました。
けれども全米の住宅の中央値価格は依然として約44万950ドルと高止まりしており、売主の価格への期待感が強いことが分かります。
注目すべき都市別の価格変動として、前年比で価格が最も上昇したのはボルチモア(+7%)、バージニアビーチ(+5.2%)、バッファロー(+3.8%)。
一方で価格が下落した都市はシンシナティ(-6.3%)、サクラメント(-4.8%)、マイアミ(-4.7%)となっています。
またアメリカの住宅在庫は依然としてパンデミック前の水準を13%下回っていますが、徐々にその差が縮まっています。
2025年6月には全米の住宅在庫が再び100万戸を超え、これは2020年以降最も高い水準となっているのです。
地域別に見ると西部で在庫が前年比38%増加し、南部でも30%近く増加。
ラスベガスでは前年比77.6%、ワシントンDCでは63.6%もの増加がありました。
市場に出た住宅が売れるまでの日数も、平均53日と昨年より5日長くなり、これもパンデミック前の状況に戻りつつあります。
かくして、売主の高い価格期待が住宅市場の流動性を抑制し物件の取り下げが増加する一方で、しかし住宅在庫は確実に増えて買い手にとっては選択肢が広がっています。
売主と買主の駆け引きが今後どのように進むか、注目すべき状況です。
【都市・数字情報リストまとめ】
- 市場から撤退した物件:前年比47%増(2025年5月)
- 新規物件100件あたりの撤退物件:13件(2025年5月)、10件(2024年・2023年春)
- フェニックス:新規物件100件に対して撤退物件30件
- 値下げされた住宅割合:全米20.6%(2025年6月)
- 値下げ率トップ都市:デンバー34%、フェニックス・オースティンが続く
- 住宅中央値価格:44万950ドル(前年比+0.2%)
- 価格上昇都市:ボルチモア(+7%)、バージニアビーチ(+5.2%)、バッファロー(+3.8%)
- 価格下落都市:シンシナティ(-6.3%)、サクラメント(-4.8%)、マイアミ(-4.7%)
- 住宅在庫:全米100万戸超(前年比13%減)
- 地域別在庫増加率:西部38%、南部30%、中西部21.3%、北東部17.6%
- 在庫増加率トップ都市:ラスベガス77.6%、ワシントンDC63.6%
- 平均売却日数:53日(前年比5日増)
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