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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
今日は、アメリカの住宅市場において大きな影響力を持つベビーブーマー世代が、実際にどれくらいの資産を不動産として抱えているのか、最新の興味深いデータとともに見ていきましょう。
アメリカのベビーブーマー世代は、現在推計で約19兆ドル(約2700兆円)もの住宅資産を所有しています。
これは、アメリカ全体の住宅資産の約半分を占めるほどの規模です。
この膨大な資産形成の背景には、長年の住宅所有や不動産価格の上昇、そして世代交代による不動産市場の構造的変化が関係しています。
具体的に、アメリカのどこにその莫大な資産が集中しているのでしょうか。
不動産サイトRealtor.comが最新の調査結果を公表し、65歳以上の住宅所有者の割合、その地域の住宅市場全体の資産価値、さらに65歳以上が保有する推定住宅価値という3つの要素からランキングを作成しました。
その結果、興味深いことにトップ10のうち5つの地域をフロリダ州が占めることになりました。
フロリダ州が高齢者に人気なのは、温暖な気候、州所得税がないという税制上のメリット、そして充実したリタイア生活を提供する環境が揃っているからです。
トップ5の都市を見てみましょう。
まず、フロリダ州のノースポート・ブラデントン地区です。
ここでは住宅所有者の56%が65歳以上という驚異的な割合を示し、65歳以上が所有する不動産の資産価値は推計970億ドル(約13兆8000億円)にも上ります。
この地域の住宅価格の中央値は49万5000ドルと比較的手頃で、ビーチへのアクセスの良さからも人気です。
次に同じフロリダ州のネイプルズ・マルコアイランド地区。
こちらは「パラダイスコースト」と呼ばれ、豪華なリゾートやゴルフ場が90以上も存在します。
65歳以上の住宅所有者の割合は57%とさらに高く、資産価値は約700億ドル(約9兆9600億円)を誇ります。
ただし、この地域の住宅価格中央値は74万9000ドルと高めです。
一方、西海岸に目を向けると、カリフォルニア州のサンタローザ・ペタルーマ地区があります。
ここはワインカントリーとして有名なソノマ郡に位置し、65歳以上が保有する不動産資産は540億ドル(約7兆6800億円)です。
住宅所有者の47%が65歳以上で住宅価格中央値は99万5000ドルとかなり高額ですが、地域コミュニティの充実度から人気を集めています。
東海岸のマサチューセッツ州バーンスタブルタウン(ケープコッド)は、寒冷地でありながら長年シニア層に根強い人気のエリアです。
ここでは65歳以上が不動産資産の約340億ドル(約4兆8300億円)を所有し、住宅所有者全体の53%を占めています。
住宅価格中央値は89万9250ドルで、ボストンから離れた静かな暮らしが魅力です。
さらに南西部のアリゾナ州プレスコット・プレスコットバレー地区では65歳以上の住宅所有者の割合が58%と高く、彼らの保有資産は270億ドル(約3兆8400億円)です。
住宅価格中央値は66万9000ドルで、乾燥した暖かい気候と低い保険料が魅力となっています。
また特筆すべきは、フロリダ州のザ・ビレッジズ地区です。
ここは全米で最も65歳以上の割合が高いエリアで、その割合は驚異の78%。
元々1970年代のトレーラーパークだった場所が、今や57平方マイル(約147平方キロメートル)にまで拡大し、2023年には全米最速で人口が増えた都市となっています。
さらに住宅価格の中央値は36万9900ドルと、他の高齢者向けエリアと比較してかなりお手頃な水準となっています。
このような状況下で多くの人が疑問に感じるのは
「今後この巨大な資産はどうなっていくのか」
という点ではないでしょうか。
現在アメリカ全体の住宅資産価値は約47兆9000億ドル、住宅エクイティは34兆5000億ドルに達しています。
そのうちベビーブーマーが占める割合が約19兆ドルで、全世代の中で最大です。
米国国勢調査局によると、2025年末まで毎日約1万2000人が65歳を迎え続けるという
「シルバー・ツナミ」
と呼ばれる現象がピークに達する見通しです。
けれどもブーマー世代の多くは
「生きている間に自分自身で資産を楽しみたい」
と考えており、簡単には資産を手放すつもりはない様子。
ある予測では、ベビーブーマー世代が持つ資産が次世代に移るのは、今後20〜25年かかると見られています。
さらに最近では、世代間の資産移転のスピードが予想以上に遅くなっているというデータも出ています。
その背景には住宅を子孫に受け継ぐことが一般的になりつつあり、家族が住宅を簡単には手放さない傾向が強まっていることも挙げられます。
こうした状況を踏まえると、今後10年から20年の間は住宅市場においては資産の流動性が低下し、不動産売買が停滞する可能性も出てくるのではないでしょうか。
投資家としてはこのような市場の変化を敏感に察知し、資産の流動化や次世代への資産移転の動向を把握することが不可欠となりそうです。
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