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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
7月のアメリカ住宅市場は、全体的に減速傾向が鮮明になりました。
特にカリフォルニアでは販売件数と価格がともに下落し、在庫が約6年ぶりの高水準に達しています。
全米の住宅着工件数は意外にも増加しましたが、許可件数は引き続き減少しており先行きには不透明感が漂う様子。
また、契約解除率の上昇や投資家の活動鈍化など、買い手と売り手双方に慎重な姿勢が目立った月でもありました。
ポイントを絞ってみていきましょう。
カリフォルニア市場の冷え込み
カリフォルニアでは販売件数が4カ月連続で前年割れとなり、年初来の累計でもマイナスに転じました。
州全体の中央値価格は前年同月比で3カ月連続の下落を記録し、5カ月ぶりの安値に。
けれども地域によっては値上がりが続いているため「一律の下落」とまでは言えません。
供給面では17カ月連続で在庫が増加し、ほぼ6年ぶりの高水準に達しました。
もっとも増加ペースはやや鈍化しており、供給過剰というよりは「需要が戻らない」ことが鮮明になっています。
住宅着工と建設業界の動向
全米の住宅着工件数は7月に予想外の上昇を見せましたが、その内訳を見ると一戸建てよりも集合住宅の寄与が大きいようです。
一戸建ての着工は前年比で依然として減少しており、許可件数の下落が続いているため今後の先行きは厳しい状況です。
特にNAHB住宅市場指数がコロナ禍を除けば10年以上ぶりの低水準に落ち込んでおり、ビルダーの心理は冷え込んでいます。
その一方で賃貸需要が強い集合住宅は堅調で、南部や中西部では開発が続いているようです。
とどのつまり高金利で住宅購入が難しくなるほど、賃貸市場には追い風が吹いていることになります。
契約解除の増加
7月には全米で約58,000件、全体の15.3%もの住宅購入契約がキャンセルされました。
これは2017年以降の7月としては過去最高ですが、理由はシンプルで、金利高と高価格、そして経済不安による買い手の慎重姿勢が要因なっています。
特にテキサスやフロリダの成長都市でキャンセル率が高く、カリフォルニアでもロサンゼルスやリバーサイドで顕著でした。
一方でニューヨークやシアトルのような安定した市場ではキャンセルが少なく、地域差が鮮明になっています。
こうした傾向は「買い手優位の市場」が広がりつつある兆候とも言えるかもしれません。
投資家の後退
短期転売を狙うFix-and-Flip(フィックス・アンド・フリップ)投資家も活動を縮小しています。
材料費や人件費の高騰に加え住宅価格の伸びが鈍化しており、利益確保が難しくなっているためです。
フロリダや北カリフォルニアでは保険料の高騰や新築との競合もあり、事業環境が厳しくなっています。
それでも投資回収率は平均30%程度を維持しているものの、新規案件の確保には慎重にならざるを得ません。
FRBの利下げシグナル
最後に、8月末のジャクソンホール会議で、パウエル議長は9月に利下げの可能性を示唆しました。
インフレ圧力は依然として存在するものの、労働市場に下振れリスクが出てきたため金融政策の重点を「雇用の最大化」に戻す必要があるとの発言です。
これを受けて住宅ローン金利は8月1日以来最大の下げ幅を記録し、2024年10月以来の低水準となっています。
市場の雰囲気は「金利がピークを越えたのでは」という期待感に包まれつつあるわけです。
。。。
かくして、7月の住宅市場は「需要の後退」「供給増」「投資家の慎重姿勢」という三つの要素が同時に表面化しました。
一方で金利低下への期待が広がることで、今後の数カ月は再び取引が動き出す可能性もあります。
買い手にとっては「待つ」か「動く」かの判断が難しい局面であり、売り手にとっては価格戦略を誤らないことが大切な局面です。
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