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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
今日はデラウェア州で成立した新しい法律「Transfer on Death Act(TOD法)」について触れておきたいと思います。
TOD法とは住宅所有者が生前に受取人を指定することで、亡くなった際にその不動産を直接引き継げるようにする制度です。
この法律により、煩雑で高額なプロベート(遺産検認手続き)を回避できるケースが増えると期待されています。
実際、アメリカでは相続の過程で「自分の家族に当然渡るはず」と思っていた資産が、思いもよらずプロベートに回ってしまうことが少なくありません。
例えばあるデラウェア州の夫婦は生前信託を作っていましたが、一部の資産が夫名義のまま残っていたため、妻は850,000ドルもの資産を取り戻すために約1万ドルの手続きを余儀なくされました。
こうした問題を避けるための手段が、このTOD法なのです。
TODデッドとは何か
TODデッド(Transfer on Death Deed)とは、住宅所有者が生前に受取人を指定しておくことで、死亡時にその不動産の所有権が自動的に移転する仕組みです。
生前の間は自由に売却や取り消しも可能で、指定した受取人が自動的に相続するため、裁判所を通す必要がありません。
しかも遺言書よりも優先されるため、後のトラブル防止にもつながります。
今回の法律により、デラウェア州はTODデッドを認める全米33番目の州となりました。
プロベート回避と住宅安定化の狙い
この法律の背景には、住宅の価格高騰と資産承継の複雑化があります。
低所得世帯や高齢の親世代が遺言を残さずに亡くなると相続人は名義変更に苦労し、結果として「tangled title(もつれた権利関係)」に陥ることが多いのです。
例えばウィルミントンやフィラデルフィアでは家が代々非公式に引き継がれてきた結果、名義が故人のままというケースが多発しています。
この場合、名義がないと住宅ローンを組むことも保険に加入することも、売却することもできません。
けれども固定資産税だけは課せられるため、滞納や差し押さえにつながる危険があります。
TODデッドは、このような悪循環を未然に防ぐためのシンプルかつ有効な手段と言えるのです。
誰に有効で、誰が注意すべきか
最も恩恵を受けるのは、資産の大部分を自宅に集中させている家庭です。
自分には守るほどの資産がないと思っている人ほど、この制度のメリットを受けられます。
ただし、TODデッドはあくまでも「住宅」に限定されます。
銀行口座、保険金、株式などの資産は別途遺言や信託を組む必要があります。
とどのTODデッドは万能ではなく、あくまで補完的なツールと考えるべき。
そして現在アメリカのベビーブーマー世代は、推定で18〜19兆ドルの住宅資産を保有しています。
けれどもAARPの調査によれば、50歳以上の成人の約半数が遺言書を持っていません。
このままでは多くの家庭が相続トラブルや資産消失のリスクに直面することになります。
デラウェア州のTOD法は、こうした時代背景を踏まえて「誰でも利用できる簡単な制度」として設計されているのです。
低コストで導入でき、相続手続きの混乱を防ぐ可能性を秘めているため、今後は他州への拡大も予想されます。
。。。
かくして、TODデッドは相続制度の民主化を進める大きな一歩と言えます。
特に「家こそが最大の資産」という家庭にとって、安心して子や孫へ住まいを受け継がせる仕組みとして、今後ますます注目されるはずです。
興味のある方は、自分の州に同様の制度があるかどうか調べてみてはいかがでしょうか。
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