こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
ここ最近、海外からアメリカ不動産への関心が戻ってきているようです。
その背景にあるのは景気ではなく、実は「為替」というシンプルで強力な要因です。
2024年から2025年にかけて、ユーロ、ポンド、カナダドル、インドルピーまで、主要通貨が軒並み米ドルに対して持ち直しました。
その一方でドルは高値から少しだけ柔らかくなり、海外投資家にとっては数年ぶりの買い場が突然やってきた形です。
為替の動きは、数字に弱いようで実は非常に分かりやすい仕組みを持っています。
たとえばユーロが7〜8%強くなれば、アメリカの5〜20ミリオンの物件価格は、何もしなくても同じ割合で安く感じられます。
つまり売主が値下げしていないのに、買主の財布では勝手にディスカウントが発生しているということです。
この小さな差が富裕層には六桁の節約につながり、決断スピードを一気に早めるわけです。
その結果、2024年4月から2025年3月までの1年間で海外投資家のアメリカ既存住宅の購入額は560億ドルに達しました。
前年比33%増という、パンデミック後では最大級の伸びです。
メディアではあまり報じられませんが、この外国資本の戻り方は「静かに、しかし確実に」市場に波紋を広げています。
特に顕著なのが、富裕層が好む都市の動きです。
南フロリダ、カリフォルニア、テキサス、ニューヨーク、アリゾナというビッグ5が、今回の海外買い増しの中心になっています。
なかでもフロリダは外国人購入の21%を占め、圧倒的トップです。
マイアミを中心とした高級沿岸エリアは、ヨーロッパや南米の富裕層から今が買い時だというサインを最初に受け取る場所でもあります。
ユーロが強くなったことで英国や欧州の投資家が特に積極的になり、マイアミの新築コンドミニアムでは決済までのスピードが明らかに加速しています。
その一方で、カリフォルニアも15%のシェアを獲得しました。
ロサンゼルス、マリブ、そして我々日本人にも馴染みの深いオレンジカウンティ。
これらのエリアは「ライフスタイルで選ぶ街」としての魅力が根強く、円安の期間でも海外資本の流入は止まりませんでした。
今回の為替の変動は、その傾向に新しい火をつけた形です。
特にオレンジカウンティの海沿いの都市は、ヨーロッパやアジアの投資家にとって「値崩れしにくい安定資産」として知られており、中長期で保有するセカンドホームとしての需要が高まりつつあります。
さらに、毎年確実に伸び続けているのがインド系バイヤーの存在です。
NARによると、外国人購入者の約6%を占め、カリフォルニア、テキサス、フロリダ、ニューヨーク、アリゾナと、まさにビッグ5に集中しています。
IT・医療・金融などの職業的背景から、購買力が高く、郊外の優良住宅への需要が年々拡大しています。
為替が追い風となれば、その流れはさらに強くなるのは自然です。
また、今回のデータでは、海外購入者の約半数がオールキャッシュで買っている点も見逃せません。
金利上昇局面でも外国資本が揺らがない理由は、自国通貨の強さとキャッシュ力が組み合わさっているからです。
金利に左右されない買い手が増えると、人気エリアの価格は底堅くなる傾向があります。
つまり、アメリカ不動産の価格が下がりにくい背景には、実はこうした「外需」がしっかり存在しているということです。
投資家の中には、為替の波を使って資産規模を一気に伸ばす人もいます。
「通貨が強い国の投資家は、アメリカの景気にかかわらず買ってくる」
これは海外不動産市場では鉄則ですが、まさに今のタイミングがその典型例です。
そして、彼らが狙う都市は決してランダムではなく、ブランド力があり、流動性が高く、出口戦略が立てやすい場所に集中します。
そう考えると、南フロリダ、カリフォルニア、テキサス、ニューヨーク、アリゾナという5州が選ばれる理由は非常に納得がいきます。
かくして為替という外部要因がアメリカの住宅市場に新たな波を起こしており、2025年の投資環境はこれまで以上に多様で、国際的な広がりを見せているようです。
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