投資案件をメールマガジンで無料購読。
下記よりメールアドレスをご登録ください。
こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
2026年の春、住宅市場には以前よりも多くの物件が並んでいます。
売り手が増え、交渉の余地も生まれつつある。それは確かなことです。
けれども、ひとつの数字を見るだけで、今の市場の本質が浮かび上がってきます。
2019年と同じ水準のAffordability(住宅取得の容易さ)を取り戻すには、世帯収入がおよそ5万ドルほど上がらなければならないのです。
CNBCが2026年2月に報じたこの試算は、市場全体の「見えにくいコスト」を一言で表しています。
2019年、住宅費は収入の「21%」だった
住宅のAffordabilityを測る際によく使われるのが、月々のローン返済が世帯収入に占める割合です。
2019年、アメリカで中央値の価格の家を購入した場合、その月々の返済は世帯収入のおよそ21%に収まっていました。
「収入の5分の1ちょっと」という水準は、一般的に無理のない返済比率として認識されています。
けれども今は違います。
同じ試算をすると、住宅費が世帯収入の30%を超える状態になっています。
2019年から今日の間に何が起きたか。家の価格が大きく上がり、そして何より、30年固定のMortgage Rate(住宅ローン金利)が2022年初頭の水準からほぼ2倍になったのです。
金利の変化が「月々の負担」を変えた
住宅価格だけが問題なら、交渉で値引きを引き出す余地があります。
けれども、金利は個々の交渉でどうにかなるものではありません。
2022年初頭に約3%だった30年固定金利は、その後急激に上昇し、一時8%近くに達しました。現在は6.5%前後で推移しています。
「2022年以前の感覚で試算すると、月々の返済が全然違う」
という感想を持つ方は少なくないはずです。
たとえば40万ドルの物件を30年ローンで購入する場合、金利3%と6.5%では月々の返済額におよそ700ドルの差が生じます。年間で約8,400ドル、10年では84,000ドルの差になります。
「買い手市場」でも動けない理由
2026年春、物件数は確実に増えています。売り手と買い手の比率で見れば、今はBuyer’s Market(買い手市場)に近づいている局面です。
それでも多くの買い手が動けないのは、価格や在庫の問題というよりも、
「月々の支払いが家計の許容範囲を超えてしまう」
という、より根本的な問題があるからです。
CNBCの調査では、2026年第1四半期に市場から退出した買い手の多くが、物件の価格そのものよりも経済全体への不安と月々の返済負担を退出の理由として挙げています。
住宅が手に届かない原因は、値段の高さよりも「毎月のコスト」にあるというのが、現在の市場の実態です。
アメリカ不動産への投資を検討する場合、このAffordabilityの壁はどう解釈すればよいでしょうか。
まず、賃貸需要という観点では、住宅を買えない人が増えるということは、賃貸市場に留まる人が増えることを意味します。
これはRental(賃貸)投資にとって、ひとつの追い風です。
けれども、賃貸物件の投資家にとっても高金利は「ローンを組む際のコスト増」として跳ね返ってきます。
収益性を確保するには、物件の選定と購入価格の精度が以前にも増して重要になっています。
「5万ドル収入が増えれば解決する」という単純な話ではなく、金利の動向と賃貸収益のバランスをどう見るか。
この「5万ドルの壁」という数字を頭に置いておくことは、アメリカ住宅市場の体温を測るうえで、ひとつの道しるべになるように思います。
投資案件をメールマガジンで無料購読。
下記よりメールアドレスをご登録ください。