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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
「金利を大きく下げてくれるそうなので、新築のこの物件にしようと思います」
新築(New Construction)を検討している方から、そんな声を聞くことが増えてきました。
ビルダー(Builder:住宅の建築・販売会社)が、買い手のローン金利を肩代わりして引き下げてくれる。チラシにはそう書かれていて、毎月の返済額の試算も、確かにずいぶん軽く見えます。
けれども、その「下がった金利」がいつまで続くのかを確かめてみると、思っていた話とは少し違う輪郭が見えてきます。
「下げます」の多くは、二年だけ
ビルダーが提示してくる金利の優遇で、いま最もよく使われているのが「2-1バイダウン(2-1 Buydown)」と呼ばれる仕組みです。
これは金利の買い下げ(Mortgage Rate Buydown:売り手が費用を負担してローン金利を一定期間下げること)の一種で、名前の通り最初の一年は契約上の金利より2%低く、二年目は1%低く、そして三年目からは本来の金利に戻る、という段階的な作りになっています。
たとえば本来の金利が6.5%だとすれば、一年目は4.5%、二年目は5.5%、そして三年目以降は6.5%へと戻っていきます。
毎月の返済額にすると、最初の一年は数百ドル単位で軽くなることもあり、チラシの試算が魅力的に見えるのは、その多くが「一年目の数字」を映しているからです。
ここで見落としやすいのは、三年目に返済額が本来の水準まで跳ね上がるという、その一段の存在です。
「払える」と判断される金利は、下がっていない
もうひとつ、知っておきたいことがあります。
2-1バイダウンを使っても、ローンの審査そのものは「下がったあとの金利」ではなく、本来の金利(Note Rate:契約上の金利)で行われる、という点です。
つまり貸し手は、一年目の軽い返済額ではなく、三年目に戻ってくる本来の返済額を払えるかどうかで、買い手を見ています。
これは買い手を守るための仕組みでもあり、最初の二年が軽いからといって、無理に大きな物件へ手を伸ばしてよいわけではないということでもあります。
下がっているのは目の前の支払いであって、背負っているローンの重さそのものは、最初から変わっていないのです。
「値引き」と「金利の買い下げ」は別のもの
では、このバイダウンは買い手にとって損な話なのかというと、そうとも言い切れません。
ビルダーが費用を負担してくれる場合、その買い下げにかかるお金はエスクロー(Escrow:第三者が資金を預かる口座)に積まれ、買い手が別途支払うわけではありません。
金利が高い時期に最初の数年の負担をやわらげ、その間に借り換え(Refinance)の機会を待つ、という使い方であれば理にかなった選択になり得ます。
気をつけたいのは、この「金利の買い下げ」を物件価格そのものの「値引き」と同じものとして受け取らないことです。
値引きは物件の総額を下げローンの元本そのものを軽くしますが、二年限りのバイダウンが軽くするのはあくまで最初の数年の支払いだけであり、住み続ける限り効いてくるのは値引きの方で、バイダウンの軽さは二年で消えていくということです。
同じ「お得です」という言葉でもその中身が総額に効くのか、最初の二年だけに効くのかで、十年後に手元に残る数字はまるで変わってきます。
金利を下げます、いう申し出を前にしたときは、その優しさが何年続くものなのかを一度立ち止まって確かめておきたいように思います。
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