Sample page

こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。

本シリーズでは投資用物件ではなく、純粋に住居用物件を探す際のポイントをいくつか押さえてきました。

投資用物件と住居用物件ではあらゆる面で正反対の気質があります。

前提として

投資用物件 ⇛ 他人が暮らす

住居用物件 ⇛ 自分(と家族)が暮らす

ですから、その条件は最初の立地から違って然るべきです。

そして

  • 理(数字での判断)
  • 感性(レイアウトやデザインでの判断)

で見るとすれば、購入時の判断にあたる割合は恐らく

投資用物件 ⇛ 理 : 感性 = 8 : 2

住居用物件 ⇛ 理 : 感性 = 2 : 8

あたりでしょうか。

住居用では物件仕様そのものは「最低限」で全くかまいませんし、必要以上にアップグレードする必要はありません。

「このドアオブをグレードをアップさせるとテナントは喜ぶのでは」

そんな風に満足度を期待して細かいところにも手を加えようとする投資家もいますが、ほぼ断言しますが

「テナントは最低限で満足する」

ものです。

少なくともキャッシュフロー投資の対象とするべき物件レベルではハイエンド賃貸物件と張り合うことに意味はありませんし、テナントもそこまでのグレードは期待していないものです。

テナントにしてみれば賃貸物件は自分の物件ではありませんし、遅かれ早かれ「将来は引っ越す前提」ですから、テナントは最低限の住環境と清潔感が整っていれば十分に満足するのです。

これに対し自分が暮らす前提でアメリカで家を購入したいという場合、やはり自分と家族が暮らす物件であれば

  • レイアウト
  • インテリアデザイン

等にはこだわりたいもの。

先日クラアントを

こちらの物件にお連れしましたが、中に入ると見事にステージングされており、案内する自分もついその空間に惹き込まれてしまいました。

このご夫婦はこの物件の前にもう一軒見ていたのですが、上記物件の部屋を一周りした直後に二人口を揃えて

「これにします」

と伝えてこられたのです。

住空間もさることながら、この近所は公立の学校でもレベルが高いために親としても安心して暮らせることになります。

キャッシュフロー投資の視点では絶対に購入するべきではない物件ですが、住居用物件としては100点満点です。

先手必勝:用意周到に準備を

そこで同じアメリカ不動産でも

投資物件

住居用物件

これら2つは完全に資産としての性質を異にするものですが、それでも購入時の

「入り口戦略」

としては共通するものがあります。

それは

「先手必勝:全ての事前準備を万端にしておく」

という心構えと実際のアクションです。

経験上、投資用物件と住居用物件を自分が「納得がいくレベルのディール物件」として購入する時、その難易度レベルを1〜10で表現するのであれば

投資物件:9

住居用物件:7

あたりのように思います。

この尺度はあくまでも私(佐藤)個人の経験上の感覚でしかなく市場の状況でもその難易度は変化してくるものですが、いずれにせよそれぞれに相応の難易度があることに変わりはなく、いざ

「キタコレ!」

という物件を見つけた時には瞬発力が最も大切であることは変わりません。

その意味でいざオファーするとなるとそこからは極力迅速に動く必要がありますから、その「いざ」という時に備えて必要な準備は整えておいた方がよいと思います。

そしてオファーに動くまでに確実に必要かつ事前準備が必要なのものに

Proof of Fund(プルーフオブファンド)

があります。

Proof of Fund(プルーフオブファンド)

不動産売買取引のルールとしてオファーをする際に買主(代理:バイヤーエージェント)から売主(代理:リスティングエージェント)に対し渡すべきものに

「Purchase Agreement(購入同意書)」

とそれに付随する書類があります。

付随されるべき書類は地域市場により違いがあり得ますが、少なくとも取引を開始するのに必要な書類はオファー時に渡されなければなりません。

それと同時にほぼ確実にオファー書類と同時に添付されるべきが

「Proof of Fund(プルーフオブファンド:資金証明)」

です。

このProof of Fund(プルーフオブファンド)は

「私(買主)はこの物件の取引を完結させるのに十分な資金を持っています」

と証明する目的で渡されるものであり、通常はその買主本人の銀行口座明細を渡すことになります。

例えば現金購入である場合、物件価格が

$250,000

なのに銀行口座に

$200,000

しかないということであればそのオファーはほぼ断られることになります。

現金購入で物件をクローズするには最低でも

  • 物件購入額
  • クロージングコスト

の双方が必要になりますが、十分な資金がないのにクローズ出来るはずがないからです。

厳密にはProof of Fund(プルーフオブファンド)の提出は法律上の義務ではありませんが、資金の証明なしにオファーが受け入れられることはまずないと思います。

またここが一つの落とし穴ですが、証明する書類としては「銀行口座明細」以外も受け付けてもらえないことがほとんどです。

過去に

「株の口座をProof of Fund(プルーフオブファンド)として使いたい」

と希望されたクライアントがいらっしゃいますが、株口座ではほぼ受け付けてもらえないものです。

理由は、売主側にしてみると「現金化される保証がない」からです。

例えばカリフォルニア州の物件取引の場合、オファーが受け入れられていざ取引が始まると買主側が一番最初にとるべきアクションが

「3営業日以内にInitial Deposit(手付金)を送金すること」

です。

通常の取引では物件購入額の1%がInitial Deposit(手付金)の目安とされますが、このInitial Deposit(手付金)すらオファーする時点で銀行口座ではなく株口座に入っていたとしたらどうでしょうか。

売主にしてみたら

「株口座から銀行口座に資金を移すのに時間がかかりますよね?」

「3営業日以内にInitial Deposit(手付金)は送金出来ないのでは?」

という疑問が湧きますから、オファー時点で銀行口座に十分な現金がないと相手にされないのです。

明日に続けます。