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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
昨日は不動産投資家としてのデューデリジェンスについてお伝えさせて頂きました。
改めて意味を付記します。
不動産投資やM&Aなどの取引に際して、投資対象となる資産の価値・収益力・リスクなどを経営・財務・法務・環境などの観点から詳細に調査・分析すること。
出典:デジタル大辞泉(小学館)
不動産投資家にとってはこのデューデリジェンスに対する姿勢は絶対です。
自分には無理という場合でも不動産投資家として資産保全や資産運営を試みるのであれば、少なくとも事細かに詳細を精査できる性質をもつパートナーを持つべき。
不動産投資という行為の
- 購入前の物件の精査
- 購入後の物件運営
- 物件の売却
の3つのステージの中の一番最初、
- 購入前の物件の精査
においてこのデューデリジェンスを遺憾なく発揮していくことが、
② 購入後の物件運営
と
③ 物件の売却
の成否に大きく影響してくるのです。
そこで、不動産投資を行う際のデューデリジェンスの一例について、下記に簡単にまとめてみました。
簡単なメモ書き程度のものではありますが、私(佐藤)が長年かけて試行錯誤を繰り返してきたエッセンスをかなりギュッとコンパクトにしたもので、それなりに参考になるのではないかと思います。
ちなみに下記はアパート物件を購入する場合ですが、一戸建ての場合にも役に立ちますので、監査官になったつもりでデューデリジェンスを行う際の参考になれば幸いです。
書類精査
目的
実際の見込み収入を計算する為
チェックポイント
- 各戸それぞれの賃貸契約書の精査。自分が知らされている契約書情報と照らし合わせる。
- レントロール上の月額家賃。自分に提案されている契約内容と数字が一致しているかを確認する。
- エスクロー会社に報告されている現賃貸人のセキュリティデポジット(敷金)が正確か。セキュリティデポジット(敷金)は賃貸人からの預かり金の位置づけだが、管理責任は新しい物件所有者(あなた)に移行する。
- 各戸の住人の質。きちんと締め切りに間に合うように家賃を支払っているか、他の住人に対する迷惑行為がないか、全ての住人のクレジット歴確認(与信)と犯罪履歴の確認は済んでいるか。
内装検査
目的
物理的側面から物件を理解し、現住人たちの質を知り、将来のキャッシュフローを予測して物件を購入すべきかを検討する。
個人資産を含む内部の実態を把握し、大掛かりな修繕の可能性がないかを判断する。
チェックポイント
- 現住人たちの生活姿勢。ドラッグ違法行為から不衛生な生活姿勢まで様々ある。目にすることの意味を考えること。家具なしに生活している住人、フロアでそのまま寝ている住人、私財といえるものをバックに詰め込んで生活している場合、それらは近い将来、部屋が空室になる可能性がある証拠。
- 売主が賃貸対象にしていない戸に居住している住人。または売主によっては実際に存在していない賃貸人をレントロールに計上して盛っている場合もある。或いは売主自身が現状を全く把握しておらず、記録と現状が一致していない可能性も。
- あるべき家具、電化製品、その他物品の紛失。そこにあるべき全ての電化製品、カーペット、ビニール製フロア、キャビネットをリスト化すること。
- 水回り、火の元、居住空間の重大な破損。
- 各戸に害虫の存在を示す証拠がないか。また害虫駆除の必要性に関する書類があるかを確認。
州法に基づく監査
目的
物件が州法の規定に沿って維持・運営されているかの確認
チェックポイント
- 消防規定違反。地元の消防局に連絡をして検査をしてもらうこと。現在の家主も気かないまま、構内の古いスプリンクラーシステムが修理もしくは取り換える必要がかもしれない。
- 明確な未許可の設置物。物件のリモデルされている個所、追加設置物、プール、ジャグジー等は適切に許可を得て設置されたものか。
- アスベスト、カビ、鉛塗料、ラドン(放射性元素)等の環境問題はないか。
- 区画利用違反や隣接する土地への部分侵害等、既存の所有権範囲に問題がないか。
現オーナーとの同意書内容確認
目的
現オーナーが現住人との賃貸契約書で約束している、現住人へのサービス事項の確認。所有権の譲渡にあたり、それらの約束事項を改善するべきか、変更するべきか検討する。
チェックポイント
- プール維持管理に関する同意書
- ヒーター、冷房、空調設備に関する同意書
- 土地の整備に関する契約書
- コインランドリーに関する契約書
- ケーブルと警報器に関する契約書
- 駐車場に関する契約書
- 物件の広告に関する契約書
外装検査
目的
物件の外壁に関する要素を全て評価し、問題がある場合はいつそれらを修繕もしくは付け替えを実施するかを判断する。
チェックポイント
- 屋根:雨漏り個所、破損、劣化等はないか。
- ヒーター、空調、クーラーの室外機とその備品並びに定期検査の記録。それぞれの設備の修繕記録と前回の付け替えからどれくらいの年数使用しているか。
- 現在の規定に沿っていない電気コードの配線がないか。
- 配管:耐用年数を過ぎていないか、腐食していないか、水漏れがないか。
- 配管の種類:銅製配管、ポリ塩化ビニル製配管、亜鉛メッキ製配管でそれぞれ、独特の問題が起こりえる。
- 外壁のペイントとトリム(ペイント箇所の端っこ)の状態
- 敷地内の私有道路と駐車場の状態。亀裂、くぼみ、甌穴等はないか、修繕が必要ではないか。
- 敷地全般:灌漑とスプリンクラーシステムは問題なく稼働しているか。大木はトリミング(整美)されているか。樹の根っこが地中で大きく伸びて歩道や建物の土台部分に問題を生じさせていないか。
まとめ
デューデリジェンスを行う際のポイントを簡単にまとめてお伝えさせて頂きました。
これら全体的な検査プロセスの一番の目的は
「それぞれのリストに上げられた項目に対してかかる費用の見積もりを立てること」
です。これより、
- 物件全体を健全な賃貸物件に生まれ変わらせる為の全体の費用を詳細まで明確にする
- 運営の障害になる問題をあぶり出し、購入前に解決する
- 自分のみの情報に留めず、売り主に見せて売買契約にあたる交渉の材料にする
という 3つが可能になるのです。
もしも物件が消防法に違反していたらどうするか?
環境問題が生じていたらどうするのか?
8戸ある中で3戸のカーペットが完全張り替えの必要があればどうするのか?
こういった大なり小なりの問題はほぼ確実にデューデリジェンスの過程であぶり出されてくるものであり、契約期間中に売主にそれらの問題を見せれば、大概の場合はクロージング前に売主が対応してくれるものです。
それはすなわちあなたの大切な資金を大きく節約することになり、デューデリジェンスをきっちり履行するしないでは、結構な確率で不動産投資の出だしから運営パフォーマンスに大きな差が出てくるものなのです。
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