昨年以来、米ドルで資産運用を志す方々からのコンサルティング依頼が急増しています。
弊社ではアメリカ不動産コンサルティングに加え、州規制当局に登録されるRegistered Investment Advisor (RIA)としてアメリカ国内での資産運用全般のコンサルティングも提供しており、内容は不動産投資以外となりますが、初心者の方々からのご質問を総括する意図で株や債券に関するまとめ記事を1月7日から期間限定であげさせて頂きます。
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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
ここ数日、Power of Cash(パワー・オブ・キャッシュ)を最大限に活用した好例についてご紹介しています。
全ての商売にいえることですが、モノやサービスを購入しようと決めるのは購入者の気持ちが動くからです。
「これが欲しい!」
と思うから結果として対価となるお金が動きます。
ところがマーケティング論でそれほど多く語られることがないのが「売主側の気持ち」です。
売主もまた感情がありそもそも売主の思惑が最初にあってモノなりサービスなりが用意されているわけですから、売主の立場に立ってその心情を察することも大切なのです。
このことはとりわけ不動産売買でも同様のことが言えます。
売主は理由があって「物件を売りに出そう」と考えたからこそ、それなりに売却準備に手間と時間をかけて物件を市場に出していることになります。
そして売主が法人ではなく個人であればその売却価格の意思決定者は大概は1人、もしくは多くても共同名義2人程度である場合がほとんどです。
この時、「物件売却」という目的に向かって売主は行動を起こしていますので、物件売買の際はこの売主の心理もよーく観察する必要があります。
そこで昨日までにお伝えした通り、不動産売買における売買で最も値下げが可能なタイミングは
「一度契約期間に入ったものの買主がローン審査を通過せずに契約破棄となり、物件が再び市場に出てきたその次の取引」
です。
MLS上の物件紹介の欄に物件が市場に出てからの経過が30日以上で
「Back on the market!!(市場に戻しました‼)」
などと表示されていたら、高い確率でローン審査が理由で前の契約がダメになったことを示しています(私ならわざわざ宣伝しませんが。。)。
そこで今回の実例でご紹介している物件の過去の取引履歴をもう一度上げます。
今夏に$157,000で売りに出されて一度契約に入ったものの、Financing Contingency(ファイナンシング・コンティンジェンシー)で引っ掛かり契約が破棄された様子。
その後に家主は再び物件を市場に戻しますが、前回に複数のオファーがあったらしく自信をもって$5,000増額の$162,000まで値上げされていました。
そしてTさんはここから、オファーを入ることになります。
オファーする額は要検討
物件購入にあたり一番最初にオファーする価格をいくらにするかはよく検討する必要があります。
市場に出されている価格はあくまで「売主の希望売却額」ですから馬鹿正直にそのままのフルオファーを受け入れる必要はなく、遠慮なく低い額でオファーするべきなのです(売主もそのつもりでいますから、大抵は高く出しています)。
そしてTさんが$162,000にまで値上げされた物件に入れた最初のオファー額は$150,000でした。
7.4%も下げてのオファーですから、結構思い切った下げとなります。
そして闇雲な数字ではなく、ご自身で数字をよく検証すると同時にパワー・オブ・キャッシュが利くと見越してのオファーでした。
もちろんここまで下げてのオファーがそのまま通ることはほとんどなく、あくまで売主側に行動を起こしてもらうためのきっかけの数字に過ぎません。
ここから、お互いが納得する価格に向けて折り合いをつけていくことになります。
そして最初の$150,000のオファーに対し、売主が提示してきたカウンターオファー価格は$159,900でした。
1万ドル台の数字を「6」から「5」に代えて、それなりに価格が落ちたように見せていることがよく分かりますね(売主側のリスティングエージェントのアドバイスだと思います)。
このカウンターオファーで読み取るべき大切な点は、
「少なくとも売主は値下げする用意がある」
ということです。
そしてこの時点で、私(佐藤)も「あ、これはパワー・オブ・キャッシュはかなり効くな」と確信しました。
これが売主の側に立つと、相手が再びファイナンシング(融資で用立て)しての購入であれば
「前回の取引がローン審査で引っかかりましたから、無理です」
と強気に価格を保てるはずなのです。
それが強気に$162,000まで値上げしたはずが、途端に15万台まで戻したという事実から
・売主に焦りがある
・現金購入が魅力的に映っている
という様子が読み取れます。
ここで、私(佐藤)がTさんにおつなぎしたメンフィス現地のリアルターが示した見解は
「$155,000でもいけるのでは」
というものでした。
この価格に対し私自身もこの価格であれば納得できる旨をお伝えさせて頂きましたが、Tさんはご自身で熟慮に熟慮を重ね、最終的には$153,000でのカウンターオファーを決断されました。
そして、Tさんによる$153,000のカウンターオファーに対する売主からの返答は。。
「$157,000で売ります」
という、更なるカウンターオファーでした。。
これはこの物件が一番最初に市場に出された際の価格です。
元の価格にまで戻せたことも素晴らしいのですが、このカウンターオファーに対する現地リアルターの意見は
「2週間でクローズするという条件なら、$155,000まで落とせると思う。」
というものでした。
この条件は確かに売主側から見れば
「当初の価格から$2,000落とすだけで、2週間という短期でクローズできる!」
というものですから、非常に魅了的に映ることと思います。さすがに現地リアルターもベテランです。
ところが、Tさんの返答は
「いや、$153,000のままでいきたい。」
という明確な意思でした。
$153,000以上は出さないとすでに決断されていたのです。
そして売主からの返事を待った後、現地リアルターを通じての返答はなんと、
「
The seller of ○○○○(物件住所) has agreed to a purchase price of $153,000 with closing in two weeks.
(売主は$153,000の価格、2週間でクローズに同意しました)
」
というものでした!
結果として$162,000まで値上がっていた物件価格は$153,000と、$9,000も安く契約することが出来たのです。
。。。
このように、今回の実例では自信をつけた売主が$162,000で出していた物件を最終的に$153,000で購入することが出来ました。
売主にも前回の契約が破棄となったことから焦りがあると同時に、そこに加えてパワー・オブ・キャッシュがかなり効いた好例です。
あなたが現金で物件を購入する場合、この事例と同様にパワー・オブ・キャッシュを意識しておくことは非常に大切になります。
ただし、このような交渉が出来るのはアメリカ人と同じ立場で現地の不動産リアルターを使って売買する場合となり、フリップ業者から出来合いの物件を購入する場合は交渉はほとんど効かないものです。
フリップ業者から出来合いの物件を安全に購入する
アメリカ人投資家と同じ土俵で、通常の売買から開始する
どちらを選ぶかはあなた次第ですが、不動産売買の場合はそれこそ$10や$100ではない単位で価格交渉が進められることになります。
その為に後者を選ぶ場合は経験豊富なエージェントの意見を聞きつつ、最終的には自分自身で納得のいく価格でオファーすることが不動産投資成功の第一歩なのです。
最後に、Tさんよりご感想を頂いていますのでご紹介させて頂きます。
この度は佐藤さんに全面的にご支援頂き、最初の米国不動産投資を行うことが出来ました。
佐藤さんのブログを初めて拝読させて頂いたのが今年の5月。その後、何度かメールでやり取りさせて頂き、7月に品川で個別コンサルティングを受け、9月に物件購入となりました。
佐藤さんの迅速かつ誠実なご支援には感謝しておりますし、大変満足しております。
年初来、米国不動産に興味を持ち、何社かの説明会に参加しましたが、日本で販売されている米国不動産はパッケージになっているものが多く、アメリカ人と同じ条件で購入するのが難しいと感じました。そこでアメリカ人と同じ条件で購入できる方法を模索し、辿り着いたのが佐藤さんのコンサルティングでした。
佐藤さんのコンサルティングは一言でいうと「顧客目線」。
常に顧客に立場に立ち、必要なタイミングで必要なアドバイスをして頂ける。ブログを通して持った佐藤さんの第一印象「信頼できる誠実な方」は、品川でお会いさせて頂いても、更には投資案件を一緒にクロージングさせて頂いても変わることなく、その印象は尚一層強くなりました。
また佐藤さんの誠実なお人柄の賜物だと思いますが、佐藤さんが選ばれたメンフィスのパートナー会社の対応も迅速かつ誠実でした。
今回、物件を$153,000で購入させて頂きましたが、この価格で押そうと思わせてくれたのが、現地リアルターが売主エージェントから取ってきた「売主は$155,000なら合意したいと思っている」という情報でした。
カウンターオファーには$157,000としか書いていませんし、$155,000という価格目線を売主から提示する必要はありませんでしたが、この価格目線が売主から出てきたところで、$153,000で押し通しても合意できると判断することが出来ました。
優秀な現地リアルターをパートナーとして選んだ佐藤さんの人物眼、そしてそのリアルターが内々の情報を取りに行ってくれるという協力姿勢。佐藤さんと現地パートナーとの信頼関係なくしてはこの投資は有り得なかったと思います。
私の周りには米国不動産投資に興味を持っている友人が多くいます。興味はあるものの、一歩が踏み出せない。そのような友人に自信を持って佐藤さんをご紹介したいと考えております。そう思わせてくれた最初の米国不動産投資でした。
私も佐藤さんのコンサルティングで今後とも米国不動産投資を行いたいと考えております。
東京在住 K.T.様
Tさん、ご感想をありがとうございました!
人としてはまだまだ未熟者ですので過分なお言葉に恐縮しますが、、現地リアルター共々、サポートにご満足頂けたことを大変嬉しく思います。
今回のご成功は私と現地リアルターによるサポートは単なる土台であり、何よりもTさんご自身がこれまでに生業を通して養われた実力と勝負強さが大きな成功要因だったと思います。
今後の益々のご成功をご祈念申し上げます!
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