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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
昨日から、裏庭に大木がついている物件についてお伝えさせて頂いています。
基本的に、私(佐藤)は敷地内に大木がある物件はお薦めしていません。プラス面よりもマイナス面の方が圧倒的に多いからです。
それでも、どうしても自然要素が欲しいという場合は物件調査とは別にアーボリスト(Arborist:樹医)による専門的な診断をお薦めします。
事実、「現状問題なし」と判断された場合は$1,000〜$10,000の範囲で物件価値を上げる可能性がありますから、短期所有であれば購入ありです。
けれども長期的にはほぼ確実に経年劣化が発生し、継続的な支出を伴う負債に転じてしまう可能性が高いことは事前に知っておく必要があります。
そしてそのような大きなダメージを待つまでもなく、現実には大木を敷地内に持つこと自体が様々な面から物件所有に難を与えることになります。
今日は大木を所有することから日常に起こり得る問題点について、深掘りしてみましょう。
定期的な清掃を覚悟する
私(佐藤)自身の経験からも断言できますが、自宅の敷地内に大木を持つ自然との調和の代償は大きく、それはあたかも見えない水面下で必至に水を掻き続ける白鳥のようなものです。
まず確実に、豊かな自然を楽しむ以上に労の多い定期的な清掃が必要になります。
春から夏にかけては深い緑が生い茂り大いに楽しませてくれるものですが、その期間でも木から落ちる小さな実や落ち葉は定期的な清掃なしには、敷地内がかなり散らかってしまいます。
これが秋から冬にかけては最悪を極め、誇張ではなく大木の下にはかなりの落ち葉が積もるものなのです。
また夏場であってもそれが松の木であればマツボックリは取り除いておかないと、子供がいる場合にはとても素足で遊ばせることは出来ません。(素足でなかったとしても、足をヒネる原因になります)
また枝葉が駐車スペースの上にまで伸びている場合、結構な確率で車の上に鳥の糞が落ちてきます。。
「自然の木だったら、それくらいは当たり前だよ」
と気にしない場合でも、ハリケーンとまではいかずともそれなりの暴風雨の後の清掃はかなり大変ですよ。
清掃だけならまだしも、枝が折れて車両に飛んでぶつかってくることはザラにあります。それが他人の車であれば、当然ながら責任問題になるわけです。
それらの枝葉による物的な被害を避けるとしたら、大木の場合は枝葉の剪定だけでも$200〜$1,000の予算をみておく必要があります。
物件に悪影響を与える根っこ
また前述のように大木による定期的な清掃の必要性もそうですが、目に見えない地中から発生する問題はさらにやっかいなものです。
大木であるということはそれなりに年を取っているわけですが、木は育つにつれてその根っこは水と栄養を求め続けてかなり広範囲に伸びていきます。
一般的に、木の根っこは目に見える地上の木全体の横幅の3倍は伸びていると考えてください。
そして大木ともなればその根っこはかなり頑丈ですから、横に広がり続ける中で必然的に周りの物件に悪影響を与え始めます。
具体的には
- 建物の構造
- アスファルト道路
- 排水管
- 電気系統
これらのものに分別なく突き当り、そして強い力でダメージを与え始めるのです。
例えば以前、前庭に大木があり、その目の前の敷地外の歩道から明らかにその大木からと思われる根っこの一部がアスファルトを壊して地上に飛び出ていた物件がありました。
このような場合、売り主が責任を持って大木を根っこまで全て除去してくれない限りは物件を購入するべきではありません。
この時はリスクをクライアントに説明し断念してもらいましたが、公道に根を出している大木を抱えることはあらゆる訴訟の種を抱えることになりますから、まず避けた方がよいのです。
蚊とその他の害虫からの被害
また意外に思われるかもしれせんが、敷地内に大木を所有することは「蚊の発生の原因」になることもあります。
大木と蚊だけではその繋がりが分かりにくいものですが、問題は大木から落ちる木の葉が結構な確率で屋根の端っこについてる「とい」に落ち、雨水と一緒に流れ、水が下に流れるべきといの穴を木の葉でふさいでしまうことです。
そうするとそこには水が溜まりやすくなり、いつの間にかボウフラが発生し、羽化して大量の蚊が発生してくるのです。
また木の枝が伸びて家の屋根や壁に一部が接触している場合も要注意です。
そこからはまず高い確率で枝を伝ってアリやその他の害虫が屋根の上に上り、物件の上からダメージを与えてくる可能性があります。
家の中にアリがやけに発生するという場合、その発生もとは案外裏庭にある大木からだったりするわけです。
。。。
2日間に渡り、「敷地内に大木がある物件は購入しない方がよい」という主旨で項を上げさせて頂きました。
敷地内に自然を持つ理想と現実は大きく違いますから、様々な側面を考えると大木の所有は得策ではないのです。
とはいえマイナス点ばかりを強調しましたが、唯一「敷地内に大木があっても可」と出来る場合があります。
それは、その大木に「買い手がつく」場合です。
例えばクログルミの木などその典型例ですが、クログルミの木は専門誌でも「最も高価な自然の木」として紹介され、硬材として使われています。
実際に、クログルミの木が裏庭にある物件を購入した後でその価値を知る家主が買い手を探したところ、$3,000で買い手がついた実例もあるのです。
まとめると、大木付きの物件を購入する場合は
定期的な清掃と手入れが必要なことを承知している
価値のある木であることが分かっており、後の売却を視野に入れている
このいずれかの理由であれば、購入してもよいと思います。
実際、私(佐藤)も自然を敷地内に取り入れる考えそのものには賛成なのですが、現実には自然を楽しむことと所有することは別物として考えておいた方がよさそうです。
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