こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
昨日まで、アメリカで不動産会社を雇う場合に期待できるサービスについてお伝えさせて頂きました。
アメリカ人投資家でもアメリカで暮らす日本人投資家でも自分自身で物件管理をされている方はいますし、ほぼ不労所得で暮らしている為に自分で専門的に管理出来る、というのであればそれでもよいと思います。
けれども大抵は定期的な管理業務を履行出来ないパターンがほとんどですから、そんな時はやはりお金を払って不動産管理会社を雇った方がよいのです。
そして不動産管理会社を雇う利点というのは、実際には物件管理のみに利点があるわけではありません。物件管理も去ることながら、テナントの管理も結構重要な割合を占めるものです。
テナント管理というのは、入居時の審査・賃貸支払い管理・退去時チェックという一通りの流れはもちろんのこと、
「入居中のテナントの様子」
これもまた、しっかりと確認しておく必要があります。
家賃が毎月きちんと支払われているからといって野放しにほったらかして物件に足を運ばないでいると、知らない間に物件がとんでもないことになっているパターンがあります。
今日は、そんな実例をいくつか見ていきましょう。
いつの間にかゴミ屋敷に
イリノイ州ウッドフォード郡での実例です。
家主が自己管理をしていた物件で、テナントは家賃を毎月遅れずに支払う優良なパターンでした。
家主は定期的な物件チェックはしていませんでしたが、テナントからは特に修繕を求めるような連絡もなく、それでいて毎月家賃がきちんと振り込まれる為に非常に楽なテナントだなと高を括っていたのです。
ところが3年ほど経ったある日に物件の近所に暮らす方から家主に連絡があり、至急物件を確認するように促されたのでした。
物件内に立ち入って家主が見たものは、床から2フィートも積み上げられたゴミ屋敷の有様。またゴミならず、なんとそこには汚物も含まれていたのです。
(実際の映像)
そのゴミの除去には大人4人がかりで5日間もかかり、誇張ではなくゴミは6トンにも及びました。
当然ながらテナントは強制退去、保険会社からは「管理不行き届き」ということもあり、ほんの一部しか保険がおりない結果となりました。
隠されたペット
3ベッドルームのバンガロー式賃貸物件での話し。その賃貸契約では「ペット禁止」になっていました。
この場合も家主は自己管理をしていましたが、この方の場合は物件の定期的なチェックは怠ってはいなかったのです。
ところが9ヶ月後、物件のちょっとした修繕を依頼された施工業者から
「物件を確かめた方がいい。犬が土に穴をほった形跡があるよ。」
との通報を受けて家主は物件を確認に行きました。
そこで発見したのは、なんと犬ではなく豚。。
後に重さを測ると、なんと320キロ以上もある大きな豚だったのです。
こんな物件チェックに通っていたにも関わらず、よくも発見されずにいたものです。。
実際のところ、家主は物件チェックに訪れる際に屋内も確認はしていたものの、見逃していた倉庫のような部屋がありました。
テナントはそこを「豚小屋」として使っており、気づかれなったわけです。そしてその部屋を見てみると。。中の惨状はひどいものでした。
当然、家主はテナントを豚と一緒に契約違反で強制退去することとなりました。
室内でマリファナ栽培
アメリカではいくつかの州でマリファナが合法化されています。
近年はカリフォルニア州でもマリファナが合法化され、マリファナ販売専門店もちらほら見受けられるようになってきました。
そんな中、アメリカではマリファナが合法であるなしに関わらず「自己栽培」をしている人たちは少なからずいるものです。
以前、知人の家に立ち寄ったときにも裏庭で堂々とマリファナを栽培しており面楽いましたが、その時は裏庭の菜園のほんの一角でごく少量のマリファナを栽培していた程度のものでした。
ところが、これはコロラド州コロラド・スプリングスでの実例です。
感じの良い家族がテナントとして入り、家賃の支払い状態もよいことから家主は全く気にも止めていませんでした。
実際ご近所付き合いも良く何の問題もない、家主にとってはありがたいテナントのはずだったのです。
ところがある日通報により駆けつけてみると、なんとこのテナントが家の中でマリファナを非合法に栽培していたことが発覚。
それも半端ない量でマリファナの大栽培が行われており、物件には大変な損害が及んでいました。
まず、室内でマリファナを栽培するには大量の電力と水を必要とします。室内を太陽の下と同じような環境にするためです。
そうすると、住居用物件でまともに栽培しては大量の電気と水の消費で明らかに疑われてしまいますから、このテナント場合も公共の水道と電気を外から物件内に引っ張ってきて栽培していたのです。。
カーペットは引き剥がされて地下に水道管を突っ込み、公共の水道管から灌漑が行われ、同時に見事な配線工事から電気も引かれて$8,000分は電気が公共から盗まれていたというのですから、プロの仕業です。
当然ながらテナントは退去どころか「逮捕」となりました。
悲惨なのは家主です。前述のようなテナントによる「大工事」により物件は構造部分から「改修」されていましたので、その以外は数千ドルで済むものではありませんでした。
幸いだったのはさすがにこの場合は保険が十分におり、家主は$20,000の補償から物件の修繕を行うことが出来ました。
それでも、家主にとっては感じのよいテナントだっただけに大変なショック。
最初の入居審査だけでは分からないこともあるものです。
。。。
いくつか実例を上げましたが、家賃の支払いがしっかりしているテナントでもこのように予想もしない展開になることがあります。
その意味でも、不動産物件はプロの目で定期的にチェックすることが大切なのです。
上記のような場合は、いずれも不動産管理会社を使っていればより早期に発見し、かつ管理会社に責任を持って対応してもらえた可能性もあります。
よほど専門的に従事出来ない限りは、不動産物件においては専門会社を雇うようにしましょう。
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