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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
昨日から投資実例と同時にPower of Cash(パワー・オブ・キャッシュ)という概念についてお伝えしています。
物々交換ははるか昔から人類史の中でも当たり前のように行われてきました。
モノとモノを交換していた時代の後、保管しても腐ることのない貨幣に価値交換の媒体が変化し、そして貨幣に国の信用力をつけて国際トレードが盛んな現代へと続いています。
加えて金融資本主義社会の中で価値交換の手法は貨幣から更に先に進化し、情報化社会の今では電子マネーのように実態を伴わない価値交換の手法も普通に生活の一部になっていますね。
とはいえ、いかにその姿を変えようともやはり価値交換の力の大元は現金であることには間違いありません。
そしてアメリカではこの現金の力をもってトレードを自分優位にもっていくことは日常茶飯事に行われています。
同様に、不動産取引においてもPower of Cash(パワー・オブ・キャッシュ)が大いに活用されているわけです。
不動産取引の場合はクロージングにおける最終支払いは売り主側には現金で懐に入ることには違いありませんが、ローンを組んでの購入となるとその契約期間に第三者(融資者)が絡み、支払額全てが買い主の現金ではなく、融資側からの資金も含まれる為に手続きがややこしくなります。
そしてしばしば、実際にはローン審査が通らずに物件を市場に戻す羽目になることがあります。
その為に不動産取引でいうPower of Cash(パワー・オブ・キャッシュ)とは、
「現金一括で支払うことにより、第三者を絡めずにほぼ確約的かつ短期的に契約を完了できる力」
と言えます。
結果として、確実かつ早く契約を終了できる魅力に惹かれて売り主の多くは快く値引きに応じてくれる傾向があります。
不動産取引でいう値引き単位は千円、一万円どころではありませんから、かなりの金額を節約できることになるのです。
そこで今日から具体的に、このPower of Cash(パワー・オブ・キャッシュ)を最大限に活用した好例を見ていきましょう。
実例:東京都在住 K.T.様
まずはこちらをご覧ください。
この価格履歴はTさんが購入された物件のものです。
上記はzillow.com上のスクリーンショットですが、物件の過去との取引をざっくり見るには適していますので私(佐藤)はよく活用しています。
そこでこの物件の場合は
1996年7月10日 $110,881で売却
1999年6月25日 $131,500で売却
2004年7月7日 $135,000で売却
と、上下幅の低いメンフィス市場において順調に推移していることが分かります。
この物件が今夏(2018年)にまずは$157,000で売りに出されました。2018年現在の市場価値に見合った正当なレベルです。
ということは、この物件はこのままいけば10年後には$200,000に届く可能性も考えられることになります。
そこで一つのポイントですが、この物件は8月23日に「Pending Sale」すなわち契約期間に入っています。
ところが、9月3日に「Price Change」として再び市場に出てきていますね。
これはどういうことでしょうか。
このような場合、「契約期間に入ったが、取引期間中に問題があり契約が破棄となった」ことを示しています。
そしてその理由になる最も多い原因は
Financing Contingency(ファイナンシング・コンティンジェンシー) ... 買い主のローン審査が通過するか分からない不確かな状態
Home Inspection Contingency(ホームインスペクション・コンティンジェンシー)… 物件の状態を調べ、必要修繕事項と修繕責任負担が両者の間で合意に至るか不確かな状態
のいずれかです。
これらで引っかかってしまうと両者の合意の元に契約が破棄となり、物件は再び市場に戻されることになります。
そこで、この物件はMLS上では市場に出されてからしばらく時間が経っていました。日数だけを見る上ではすぐには売れない物件に見えたわけです。
この時に市場に出されてしばらく売れていない理由をTさんから尋ねられましたが、私はこの価格履歴を見てこのパターンはFinancing Contingency(ファイナンシング・コンティンジェンシー)で引っかかり、売り主がローン審査を通らなかったのだろうと読みました。
物件の状態そのものは良く、Home Inspection Contingency(ホームインスペクション・コンティンジェンシー)である可能性は低いと考えた為です。
後に案の定、先の買い主候補がローン審査が通らなかったことが分かりましたが、このパターンは現金購入者にとっては大きなチャンスがやってきます。
まず十中八九、売り主は先の取引が駄目になったことで落胆している場合が多いからです。
すなわちこの場面こそ、現金購入の場合にはPower of Cash(パワー・オブ・キャッシュ)が大いに発揮されることになります。
先の取引が買い主側のローン審査不合格により失敗に終わり、落胆しながらも気持ちを取り直して物件を再び市場にも戻した時に現金購入を希望する買い主候補者が現れるわけですから、売り主の心は大きく傾いてくれるのです。
ちなみに、上記の履歴を見ても分かる通り売り主は物件を再び市場に戻す際に価格を$162,000にまで$5,000も値上げしています。
この値動きは何を意味するのでしょうか。
このような場合、大抵は先の取引の際に複数のオファーがあり、売り主が
「自分の物件を過小評価していた。再び市場に出すにしても、値段を高くしても売れるだろう。」
と自信をつけたことを示しています(売り主に確認はしていませんが、今回も恐らくその理由)。
結果として、この物件は$157,000だったはずが$162,000まで上昇してしまいました。
ここから、Tさんは取引に臨むことになります。
果たして、自分の物件に自信をつけた強気な売り主に対してもPower of Cash(パワー・オブ・キャッシュ)は有効なのでしょうか。
明日に続けます。
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