こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
メルマガにご登録頂いている方々には発表の翌日に緊急告知させて頂きましたが、昨年からアメリカでは大きな話題の一つとなっていたアマゾン第二本社がついに発表されました。
アメリカ時間の11月13日にジェフ・ベゾスCEOから発表された第二本社建設予定地は二箇所に別れ、
ニューヨーク州ロングアイランド地区
バージニア州アーリントン地区
となる模様です。
この発表を受けて、早速これらの地域の不動産市場が近年ないほどに激しい動きを見せ始めています。
大企業が本社を移転してきた理由でその街の不動産市場が活況を呈する様子は過去に何度も見ていますが、これほど世間を騒がせてかつ不動産市場の動きが活発になる事例はそうはないように思います。
上記二箇所はもともと第二本社建設の候補地区として上げられてはいましたが、それでも実際に選ばれると考えていた人々はそうは多くなかったと思います。(佐藤の予想もハズレました 笑)
最有力とは見られていなかった理由は、そもそもこれらの地区はアメリカ国内でもやや成熟感があるからです。
ロングアイランドとアーリントン共に、地域としては雇用も充実して失業率が低く押さえられています。
その為、
「アメリカ経済に貢献するのなら、デトロイトのような下り坂の都市にしてほしかった」
「ニューヨークとワシントンD.C.というのなら、政府からの提案に妥協した結果では」
などと、今回の決定に失望の声も聞かれます。
また、街にアマゾン第二本社がおかれることを歓迎しない層からは早速デモが開始されている様子。
それでも、街に新しい雇用が生まれるのはよいことですね。このような景気のいいビジネスのおかげで多くの人々の雇用機会が生まれます。
時に、不動産業界にとってもこのアマゾンの第二本社が建設される予定地に関しては大きな話題でした。
不動産需要の三大要素となる
人口
人口動態
雇用機会・賃金
これら条件を一気に満たし、住に対する需要が増えて不動産価値が高まることが確実視されるからです。
とはいえ、近年の大企業の動きに絡んだ不動産市場の期待の中でもアマゾンはなぜここまで特別視されていたのでしょうか?
そもそもアマゾンは他の企業と比べて何がすごいのでしょうか?
今日は、アメリカ不動産業界にまで大きくその影響を及ぼしているアマゾンという会社について簡単にお伝えさせて頂きます。
アマゾンという会社
アマゾンはもともと「インターネット書店」がその出発でした。
当時は1990年代のドットコムブームで、WWW(ワールド・ワイド・ウェブ)が世界的に広まると予見したジェフ・べゾスが1994年にインターネット書店の Cadabra.com を開設し、その翌年1995年7月に Amazon.com として正式にスタートしたのが始まりです。
私もアメリカに渡ってきた当初のアマゾン・ドット・コムをよく覚えていますが、「インターネット上で本が注文出来て便利だ」程度しか認識がありませんでした。
ほんの数年前までこのインターネット書店から飛躍して
⇛ なんでも購入できるEコマースに成長した
⇛ プライム会員になるとお得
程度の認識のままでしたし、アマゾンが今のような姿になるとは誰も予想していなかったはずです。
ジェフ・ベゾス氏は当初から
「インターネット書店で終わるつもりない。書店はとっかかりに過ぎない。」
と公言していましたが、近年はいよいよその言葉のとおりにあらゆる分野を凌駕する存在になってきています。
その一端をかいつまんでみていきましょう。
株価
アマゾン株は1994年7月に公開されましたが、その株価は2018年8月時点で1252倍にもなっています。
当時の初値は18ドル。そこから分割を繰り返して12株になっていますので、仮に現在も保持しているとその時の一株を1,5ドルで手に入れた計算になります。
具体的には、仮に当時100万円分のアマゾン株を購入していれば現在は12億5千万円になっている計算です。
公開後しばらくしてドットコムバブルが弾けて市場は混乱を極めていましたので、アマゾンのここまでの成長を予想して株を保持し続けた投資家はまずいないとは思いますが、それにしても凄まじい成長です。
グループ最大の利益はAWS
アマゾンのサービスの中で最もグループの売上に貢献しているのは実はEコマースではなく、
AWS(アマゾン・ウェブ・サービス)
です。
俗にいうクラウドサービスですが、アマゾンは単なる本屋さんに毛が生えたものかと思いきや今ではすっかりそのサービスは幅が広がり、クラウドサービスが最も売上を出しているというのです。
私(佐藤)はてっきり、アマゾンの売上はアマゾンドットコム(amazon.com)のEコマースが主軸だとばかり思っていました。
それが今ではサービス分野そのものが爆発的に拡大し、クラウドサービスは本業からの延長であるはずのIBMやヒューレット・パッカードですら、もはやAWSにはかなわないのだそうです。
私(佐藤)もAWSを使い始めていますが、ものすごく簡単に言うとモノを扱う商売をしている個人・法人であれば
宣伝
顧客管理
注文管理
倉庫の提供
在庫管理
配達
の全てをAWSがクラウドサービスを軸として引き受けてくれるのです。
そしてこれらのサービスがどこよりも安いとなれば、商売人にとってはAWSを使わない理由がありません。
その影響力を如実に示す例が、なんとあのCIA(アメリカ合衆国の諜報機関)がそのシステムを従来のIBMからAWSに乗り換えてしまったのです。(IBM幹部は考え直すように必至に説得したらしいのですが。。)
そしてネット動画配信でアマゾンとは競合するはずのネットフリックス(アメリカの動画配信サービス)までAWSのシステムにお世話になっているという始末。アマゾンの懐の広さを示すと同時に各界へのその影響力が推し量れようというものです。
。。。
今日はほんの少しだけ、アマゾンについてお伝えしました(根本的にブログの趣旨とは異なりますし)。
アマゾンの世界経済への影響はとてもこの一つの項でお伝え出来るものではありませんが、
AIの導入(アマゾンエコー)
空輸(ドローンによる配達)
無人コンビニ(アマゾンゴー)
等、アマゾンは世界中のありとあらゆる分野を凌駕しつつあります。
これらの数字やサービスを考えるだけでも「末恐ろしい企業」ということだけはお分かり頂けるのではないでしょうか。
そしてアマゾンの一番の強さは「他者が作ったプラットホームの上に乗る仮想世界のサービス」ではなく「自社でプラットホームを作りながらそれを他社に提供し、かつ仮想世界と現実席を融合し始めている」部分ではないでしょうか。
このような巨人が街にやってくるわけですから、今回のアマゾン第二本社の候補地に関しては不動産市場としてもとてもスルーできるような話題ではなかったのです。
選ばれた
ニューヨーク州ロングアイランド地区
バージニア州アーリントン地区
これらの地域の雇用と不動産市場は、これから長きに渡り安定することがほぼ約束されたといえます。
個人で購入するにはすでに不動産価格が高騰している地域ではありますが、これらの地域はここから更に不動産価値が上昇していくことは必至です。
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