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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
昨日からLien(リーエン:留置権、抵当)についてお伝えしています。
資産と呼ばれるものはその所有権を獲得するにあたり融資受けて獲得したのであれば、債務返済を完了するまではその資産そのものが担保に入れられるものです。
支払いが長期に滞る等の債務不履行が発生した場合は、その担保である資産が差し押さえられてしまうわけですね。
このようなLien(リーエン)が付属している不動産権は、その債務が完全に整理されるまで健全な状態とはいえません。
そしてこのLien(リーエン)には2種類、
Voluntary Lien(ボランタリー・リーエン)
と
Involuntary Lien(インボランタリー・リーエン)
があることをお伝えさせて頂きました。
自分の意思でLien(リーエン)を受ける場合は「自由意志」である以上はVoluntary Lien(ボランタリー・リーエン)となり、この典型例は「住宅ローン」です。
返済が滞るとその物件は差し押さえられてしまいますが、それは自分が借用契約書にサインをした時点で分かっていることで、自分の意思で行う以上はVoluntary(ボランタリー)だと定義されます。
そこで今日は、Voluntary Lien(ボランタリー・リーエン)の反対語となるInvoluntary Lien(インボランタリー・リーエン)についてみていきましょう。
Involuntary Lien(インボランタリー・リーエン)
Voluntary (ボランタリー)の反対語であるInvoluntary(インボランタリー)は
「自分の意志からではない」
「思いがけない」
等の意味があります。
同じLien(リーエン:留置権、抵当)でもInvoluntary Lien(インボランタリー・リーエン)となると「思いがけない留置権」の意になるわけです。
その不動産物件購入の契約を結んだ時点では存在しておらず、(少なくとも最初は)自分自身も意図するところではなかった、後付に発生してくるLien(リーエン:留置権、抵当)のことです。
このInvoluntary Lien(インボランタリー・リーエン)の具体例を見ていきましょう。下記の並びは先取特権の順番のままに並べていきます。
Property Tax Lien(プロパティ・タックス・リーエン)
およそLien(リーエン:留置権、抵当)の類で先取特権の一番先頭にくるのはProperty Tax Lien(プロパティ・タックス・リーエン)、固定資産税の滞納から発生する留置権です。
その資産を保有することで評価額の一定割合を税金として収める固定資産税は、仮にそれが長期に渡り滞納される場合は不動産に関するLien(リーエン:留置権、抵当)の中で最も優先に回収されるべきものとなります。
これについては有無を言わさず、「国土の上にある以上は、国への納税が優先に決まっているだろう」という理屈。
例えばあなたがA銀行から融資をしており、残念ながら収入が途絶えて
固定資産税の滞納
住宅ローンの滞納
の双方が発生してしまったとします。
そうすると「滞納」そのものは契約時には存在しておらず確実に後付けで発生するものであり、少なくともあなたは融資を受ける際には「借金を踏み倒してやろう」などとは思っていませんから、このLien(リーエン:留置権、抵当)はInvoluntary(インボランタリー)です。
そして上記二つの滞納によりその不動産権にはLien(リーエン:留置権、抵当)が発生することになりますが、上記二つの中でもその優先回収先は国への納税、固定資産税になります。
A銀行としては「いや、私の銀行から融資したんだが。。」と言いたいところですが、それ以前にアメリカの国土である以上は国が優先となり、滞納分の固定資産税の回収が優先とされてしまうわけです。
そこで、固定資産税の滞納が続く場合は国は強制的に物件を差し押さえて売却することが可能となります。その売却額を持って、滞納分の固定資産税を回収するわけです。
家主としてはこれを回避するためには、
・滞納分の固定資産税
・利息
・売却までにかかったコスト
の全てを支払いきる必要があります。
そしてこの点は政府としても懐を広くし、政府の差し押さえにより売却が完了した後でも上記3点を支払いきることが出来れば不動産権を取り戻すことはまだ可能なのです。
ただしこれはMortgage(モーゲージ)の場合であり、Trust Deed(トラスト・ディード)を使用してローンを組んでいた場合は政府による売却後に猶予期間はなく、直ちに物件から立ち退く必要が出てきます。
IRS Lien(アイアールエス・リーエン)
IRSとはInternal Revenue Serviceの略で、アメリカ合衆国内国歳入庁のことです。
IRSはアメリカ連邦政府機関の一つであり連邦税の課税と徴収を行っています。国の収入を司っているわけですね。
アメリカの場合はこのように
IRS(連邦政府機関)への納税
と
State(州政府機関)への納税
の二箇所に納税することになりますが、所得税等を国に収めない場合は所有する不動産権へのLien(リーエン:留置権、抵当)が発生してくるのです。
そこで前述の固定資産税支払いに問題がない場合は、二番目の先取特権としてこのIRSによる課税徴収が優先されてきます。
この時IRSの姿勢は固定資産税滞納の場合と較べて比較的寛容であり、家主が自分の意思で物件を売却する時まで待って、その売却益から滞納分を徴収することになります。
仮にその滞納額が甚だ大きい場合は話が違い、IRSの裁量によって売却を強制的に執行される場合も有りえます。
そしてこのパターンであり得るのは自営業者等の、日本でいえば青色申告や白色申告を自分で行うタイプの職業の人々です。
会社勤めの場合は大概は源泉徴収の形になりますからIRSへの滞納はほぼ不可能であり、IRS Lien(アイアールエス・リーエン)は自分で納税を行う自営業者に起こりがちなパターンとなります。
結果として、追加税そのものも自己申告時に行われることになるわけです。
明日に続けます。
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