こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
アメリカ大手のウェルス・ファーゴ銀行によると、世界で「バケーションレンタル」に位置づけられる賃貸物件市場は現時点でその規模が10兆円を超えているのだそうです。10兆円。。
そしてここから加速して、その産業規模は2020年までに15兆7000億円を超える試算が出されています。
この16兆円に届く規模は世界中の「滞在施設(ホテルを含む)の21%」に相当します。
米国内に限定していえば、個人で貸し出すバケーションレンタルは36.8兆円に及ぶ旅行産業市場の8%、そして14兆円規模のホテル産業の17%を占める割合にもなるのです。
数字を見る限り、ここ数年で世界中でバケーション・レンタルブームが始まっているのは間違いありませんね。
予想頂けると思いますが、これらバケーション・レンタルブームを後押ししているのは
等の、いわゆるアイドルビジネス(アイドリング期間を利用したビジネス)の一つに数えられる、個人が自分の所有する物件をバケーション・レンタル用に貸し出すシステムです。
日本ではまだまだ規制も多く、様々なクリアせねばならない問題から全面的に開放されてはいないようですが、世界規模ではこのようなレンタル・バケーションブームは破竹の勢いで広まりつつあります。
今日は、このバケーションレンタルに関してやや深掘りしてみていきましょう。
ショートターム・レンタルという概念
まずはバケーション・レンタルもその一つに数えられるショートターム・レンタルという概念ですが、
一日単位
数日単位
数週間単位
これらの短い期間で物件を貸しに出す形態を「ショートターム・レンタル(Short Term Rental)」といいます。
一般的な感覚でいえば通常のホテルは一日、もしくは長くても数日間の滞在ですね。
「ホテルで暮らしている」
という方も稀にいますが(芸能人に多いですね)、普通は長くとも数日です。
その一方で個人が貸しに出すバケーションレンタル物件の場合は、ホテルと比べるとやや長めの滞在日数割が合多いように思います。
あえてホテルよりも少し安めにすることで、
「ホテル以上にプライベートがあり、かつ安い」
という観点から人気があるわけです。
例えばアメリカの例で一年を通していうと
ニューイヤー(1月1日)
独立記念日(7月4日)
夏休み(6月〜8月)
サンクスギビングからクリスマス(11月下旬 〜 12月下旬)
等のピークタイムと呼ばれる時期には宿を必要とする人々が増え、或いは
スーパーボール
NBAファイナル
ワールドシリーズ
街のフェスティバル
等、その地域市場に突発的に現れるニーズの機会でも宿を必要とする人々が増加するわけです。
そのような時に周囲のホテルよりもちょっと安いとなれば、「ホテル以上にプライベートがあり、かつ安い」と需要と供給がマッチして繁盛するわけです。
またショートターム・レンタル用に使用される物件は
一戸建て
コンドミニアム
アパートの一室
と様々で、事実上ここに規制はありません(その物件が所属するコミュニティで規制がない限り)。
「マイアミでホテル以上に安いプライベートルームを借りたらコンドミニアムだった」
等はよくある話なのです。
ショートターム・レンタルの利点
そこで、より具体的なショートターム・レンタルの利点としては下記のような点があげられます。
1.賃料を高めに出しやすい
世の中の商売は需要と供給のバランスで成り立ちます。
物件を貸し出すという供給もそこに需要があっての話ですが、賃料そのものはこの需要度合によって定められるわけです。
そうすると、一年を通して
⇛ 何もないごく普通の時期
⇛ その地域でコンサート、スポーツイベント、夏祭り等の行事がある時期
を比較すると、宿の需要が高いのは後者に決まっています。
この時期は明らかに需要が高いわけですから、宿を取る側としても納得して高めの賃料を支払うものなのです。
2.柔軟性をもたせやすい
ショートターム・レンタルの場合、貸し出す期間が短いだけに使い方に柔軟性を持たせることが出来ます。
明らかな有料顧客の場合は特別なオファーを出してリピーターになって頂いてもよいでしょうし、逆に一定期間は誰も入れたくない場合はその期間の貸出を簡単に中止することが出来ます。
また自分自身がバケーションで使いたい時にはその期間だけ貸出期間からはずせばよいでしょうし、親族や友人を優先したい場合もその期間の一般募集を中止すればよいわけです。
通常の不動産投資の場合は期間が長いために「ロングターム・レンタル」に位置づけられこの場合は通常は1年以上の契約が基本になりますので、ここまでの柔軟性は期待することが出来ません。
。。。
総じて言えば、私(佐藤)自身もこのアイドルビジネスたるバケーションレンタルに位置付けられるショートターム・レンタルの需要はもはや無視できないと見ています。
とりわけアメリカの中でも人口の多い地域や風光明媚な観光地において、このバケーションレンタルブームの隆盛が甚だしいようです。
そうすると、これらの地域においては通常の一戸建てを投資用に購入したとしてもショートターム・レンタル物件として活用することも考えられます。
近年破竹の勢いで広がりつつあるショートターム・レンタル産業ですが、この傾向を注視する必要がありそうです。
明日に続けます。
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