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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
アメリカで不動産を購入する際にはまず最初に「オファー」をかけます。
「あなたの物件を$○○○○○の価格で購入したいです。」
と売り主に伝えるわけです。
や
に出てくる物件の売却価格はあくまで「売主の売却希望価格」であり、価格交渉の余地があるのです。
これとは反対の日常生活の例では、スーパーで食材を購入する際にはどんな商品にもお店が定める値札がついていますね。
これについては買物客が購入希望額を伝える余地はなく、
「この『ご飯ですよ』は80円で買いたいです。。」
などと申し伝えても、まずお店側から却下されてしまうことは間違いありません。
お店が定める金額は絶対基準であり、価格交渉の余地はなくその販売希望価格で購入せざるを得ません。
不動産の場合、このように売主の希望価格そのままでオファーすることを「フルオファー」といいます。
食材を買う場合は最初からフルオファーが前提なわけですね。
けれども不動産売買になると話は違います。
購入価格は最初からフルオファーである必要はなく、あくまで売主との交渉で定められるのです。
そしてこのオファーについては、時折同じ趣旨のご質問を頂戴することがあります。
フルオファー以外の価格でオファーする場合、その金額はいくらで定めるべきなのでしょうか?
購入を希望する物件にオファーをするにせよ、その金額はどのように定めるべきかというご質問です。
今日から、物件契約においてあなたの一番最初の行動となるオファーについて、その金額の定め方をみていきましょう。
判断には基準が必要
全ての判断において言えることですが、物事を判断する上で最も大切なのは「判断基準を持つ」ことです。
個人の意見で感情論が先立つ場合でも、そこには「個人の価値観」という判断基準があります。
良し悪しは別にして、その個人が人生で培ってきた価値観を元に言動が出てくるわけです。
ただしこれが商売の話になると、感情論はある意味ご法度になります。
例えば、スポーツメーカーのナイキはその戦略として「時のスーパースターのスポンサー」となり、ほぼ一極集中的に資金をつぎ込むことがしばしばあるそうです。
けれども対象とする選手がスーパースターとして世界中に認知されてからでは出遅れてしまいますので、その選手の知名度がそれほどでもない時期に「青田買い」が必要になります。
その選手が世界的に有名になる可能性はあるけれども、その結果がどうなるか分からない時期に契約しておく必要があるわけですね。
そしてタイガー・ウッズがプロゴルファーとして世界的に有名になる前の話。
ナイキの役員会では
「タイガー・ウッズのスポンサーになるべきか」
の是非が問われていました。
一度大型のスポンサー契約を結ぶとタイガー・ウッズが有名になってくれればホームランですが、そこそこのプロ成績で終わってしまえば会社としては大きく損失を出しかねません。
そして議論が煮詰まった時、フィル・ナイト会長はこのように発言したといいます。
ナイト会長「やはり、ウッズに賭けるべきだ。私はウッズから、マイケル・ジョーダンが学生の時に感じた、あと時の感覚と同じものを感じる」
役員一同「。。。」
この時のナイト会長の発言は、ビジネス現場の議論としては一番困るものです。
「感じるもの」などは計りようがありませんし、億単位の資金を動かす決断の場では殊の外、判断基準として掴みようがないわけです。
幸いこの時のナイト会長の感覚は的を得ており、その後世界的に有名になったタイガー・ウッズの活躍でナイキ社は一層飛躍することになります。
市場価値を基準にする
前述はナイキがタイガー・ウッズのスポンサーになることを決断した時の話ですが、実際、ナイキ社の立場にしてみればスポーツ選手は「人」ですので論理的判断だけで終わらせるには限界があろうかと思います。
けれどもこれが不動産売買の話になると、不動産物件は人ではなくあくまで「ハコモノ」ですからそのオファー価格を定めるのに
「この物件はデザインセンスがいい。1万ドル上積みしたい!」
「このトイレの壁のツートンカラーが好みだ!千ドルの価値はある!」
などと感性で価格を決めるのは避けなくてはいけません。
オファー価格はあくまで、事実に基づく数値をもって論理思考で定めるのが良策なのです。
そして論理思考でオファー価格を定めるにしても、そこには基準値が必要になります。
そこで不動産売買における基準値となるのが、「不動産市場価値」です。
いわゆる、対象とする物件がその時の不動産市場においていくらで取引されるべきなのか、その基準値が存在します。
この市場価格という定義は、一言で言えば
「買い主が購入に同意した価格」
です。
価格に同意する買い主の最終判断にはある程度の感性が入ることは否めませんが、少なくとも決断して契約した後の購入価格は「市場価値」として公にも記録されますから、この時点で数値化されるわけです。
そして例えば、あなたが物件Aを購入したいとします。
すると物件Aと全く同じ間取りの物件Bと物件Cが近所にあり、この2軒が過去半年の間に
物件B … $220,000
物件C … $225,000
で売買がなされたとします。
するとこの物件BとCは「市場価値」として記録されているわけで、あなたが購入を希望する物件Aがこの2軒と全く同じ間取りだとすると、
「物件Aの適正価格は$220,000 〜 $225,000であり、中間値は$222,500だろう」
という見立てがつくわけです。
この最近の取引履歴を基に定められる市場価格が、あなたが不動産購入を試みる際にオファーするべき価格の基準になるべきなのです。
オファー価格は
「美しい!」
「雰囲気がいい!」
という数値化できない感性の話ではなく、常に事実に基づく数字をもって論理思考で定めるのです。
明日に続けます。
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