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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
数日前に「1031 Exchange」についてシリーズで項を上げました。
特に何も考えずに普段通りの情報提供の意味で項を上げたのですが、思いがけず多くの反響を頂きました。
1031 Exchangeについて知りたい方々は多いようです。
似たようなご質問を複数頂きましたので、今日の項では似たようなご質問をまとめる形で二つ絞ってお答えさせて頂きます。
Q.間もなく4年間減価償却期間が終了します。1031 Exchangeの適用を検討したいと思いますが、5年目に切り替える形でいけますでしょうか?
まず、1031 Exchangeの条件を捉えてみましょう。
この1031 Exchangeはアメリカの税法に基づくキャピタルゲイン課税の繰り延べ優遇措置ですが、根本的に1031 Exchangeを使えるのは
アメリカ市民権を有する
永住権を有する
該当するビザを有する
のいずれかの条件に当てはまる方々です。
アメリカ政府はアメリカ合衆国の不動産をアメリカ人以外、かつアメリカ合衆国以外に暮らす方々にもその所有を認める一方で、税法そのものは外国人には適用していない場合が多くあります。
1031 Exchangeを含める多くの優遇措置は、残念ながら上記条件を満たさない方々は使うことが出来ません。
そして4年間の短期減価償却を適用しておられるということは日本に居住される日本国籍を持つ方(あるいは日本で10年以上就労している外国人)だと思いますが、この場合は外国人籍として個人名義でアメリカ不動産を所有しておられますから、1031 Exchangeを使うことは出来ないことになります。
それでは上記いずれにも該当しない方々は1031 Exchangeを全く使うことは出来ないかといえば、その方法はあります。
それはアメリカでLLC等の法人を設立することです。
法人とはそのまま「法の人」であり、法人は架空の人物に見立てられるものです。
アメリカで設立する法人はすなわちアメリカ人(法人)ですから、このアメリカ人(法人)に物件を所有させれば1031 Exchangeを使うことは可能になるわけです。
ただし、4年間の減価償却を終えてから設立した法人の名義に変更するには二つのリスク(というか出費)を理解しておかなくてはなりません。
まずは、日本国内で譲渡税が発生するという事実です。
すなわち、法人名義に変更するということは
あなたの個人名義 ⇛ アメリカ人(法人)名義
と、アメリカ生まれのアメリカ人(法人)に名義を変更するわけですから、他人から他人に譲るのと同義となりそこには譲渡税が発生してきます。
そして二つ目には、こちらにもお伝えした通り長期と短期の違いですね。このシリーズを読まれた方は深く理解されていると思いますが、譲渡するタイミングは無難に「6年後」と考えておいたほうが良さそうです。
そうすると、この譲渡税を避けたいのであればアメリカ不動産は最初に現地に法人を設立してそれから法人名義で購入したほうがスムースだということになります。
ただし、今度はこの場合はアメリカ人(法人)に物件を所有させるわけですから、あなたがオーナーであってもオーナー個人とアメリカ人(法人)は別扱いにされてしまいますので、今度は「4年間短期減価償却」の恩恵を享受することは出来なくなるわけです。
その為、1031 Exchangeについては
・短期減価償却の利益は享受出来なくてもよい
その上で
・築年の新しい物件に次々と乗り換えていきたい(屋根の張替え等の大規模修繕は避け続けたい ← これ、結構大事です)
このようなニーズがある方に限られるかもしれません。
Q. 1031 Exchangeはどうやって実行できるのでしょうか?
1031 Exchangeのシリーズでもお伝えした、仲介役(Intermediary)がポイントになります。
実際のところ、1031 Exchangeを使用する場合のほとんどの取引は「Delayed Exchange」になります。
シリーズの項でお伝えしたとおり、
「Delayed Exchangeを行う場合、最初に自分の物件を売却益した後はその売却益には自分が手をつけることは出来ない」
というルールがあります。
「交換します」
と宣言する以上は交換する約束ですから、
元の物件 ⇛ 新しい物件
と移るにあたり、ハコモノとハコモノが交換される間にあなたが現金を保有するのは理に適わないわけです。
その為にお金の流れとしては
元の物件 ⇛ 現金に転換されて仲介役(Intermediary)が保全 ⇛ 新しい物件
となるのが妥当、ということになります。
また、この形を取ることで仲介役(Intermediary)はDelayed Exchangeが適切に行われているかの監視役も担うわけですね。
言い変えると、Delayed Exchangeにおいてはまず自分の物件を売却する際に、その売買契約に仲介役(Intermediary)に入ってもらう必要があるわけです。
この仲介役(Intermediary)は有資格の法人である必要がありますが、例えば
商業銀行:Wells Fargo
民間企業:First American Exchange Company, LLC
のように、あなたが1031 Exchangeを実行したい際の仲介役(Intermediary)として選べる銀行は数多く存在しています。
そこで1031 Exchangeを実行する際には、まずは一番最初に仲介役(Intermediary)を選び、その担当者に相談することをお薦めします。
私(佐藤)の場合はWells Fargoと主な取引がありますから、ここに依頼すれば自分の口座と直結してやり取りができるので便がよいです。
手数料等も踏まえた上でよく検討し、あなたにあった仲介役(Intermediary)を選びましょう。
そして自分の物件を売却する最初の段階から仲介役(Intermediary)には絡んでもらい、クロージング後の売却益は
エスクロー会社の口座 ⇛ あなたの口座
ではなく、
エスクロー会社の口座 ⇛ 仲介役(Intermediary)の口座
となります。お伝えしたとおり、あなたは売却益に$1も触れることは出来ないのです。
その後クロージング当日の翌日を初日とカウントし、45日以内に交換候補となる物件を上げる必要があります。
そしてトータルで180日以内に、最終的に選んだ物件の購入を完了させることになるわけです。
その時の売買において、先の仲介役(Intermediary)の口座に保全された資金は
仲介役(Intermediary)の口座 ⇛ エスクロー会社の口座 ⇛ (新しい物件の)売主の口座
の順に流れ、残高は180日までに仲介役(Intermediary)の口座からあなたの口座に戻されることになります(この残金は課税対象)。
。。。
いくつかのご質問をやや無理やり上記の2点に詰め込みました。
今回は1031 Exchangeの中でも代表的な「Delayed Exchange」のみに絞りましたが、厳密には1031 Exchangeの種類にもいろいろあります。
その他の種類については、また別の機会に。
少しずつ、私達のアメリカ不動産投資知識を深めていきましょう。
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