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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
不動産投資に限らず、物事を判断する上では理論だけでは成り立たない場合が多くあります。
人には感情がありますから、いくら理屈では正論であっても感情的に納得出来ない場合は多々ありますね。
反対に感情面で乗り気であっても、全く理に叶わずに後でトラブルになることもあるかと思います。
不動産投資についも同様のことがいえます。
数字上で理論値を叩き出して投資として成り立つかを判断するのは当然ですが、実際にその物件を使うのはテナントです。
その理論値を全うなものにする大前提は
「収入がある(テナントが喜んで暮らして家賃を納めてくれる)」
ことが大前提ですからテナント候補が感情的に気に入らない可能性が高い物件であれば、いくら理論値としては正当なものに見えたとしても投資としては成り立たない可能性が出てきます。
あくまでも論理に裏打ちされつつも、表に出るべきはテナントに対する配慮だろうと思うのです。
理論の成立
感情面の満足
この両方が成り立つことが大切です。
そしてこの理と情の両立は賃貸収入を狙った不動産投資のみならず、自分自身が暮らす住居物件にも同じことがいえます。
ここに頂いたご質問があります。
家族で暮らす住居用物件の購入を考えています。
候補物件を見つけてあり、広さや間取りがとても理想的です。○○○○(住所)
とても暮らしたい物件なのですが、価格が高すぎる為に悩んでいます。
購入は現金で可能なのですが、『ここまで高い物件でなくてもいいのではないか、もっと安い物件に抑えておくのが賢いのではないか』
と悩んでいます。
妻と小さい子供たちと暮らす上では理想的ですが、必要以上に高い物件を持つ必要もないのでしょうか。
不動産投資ではなくてご自身が暮らす物件購入の話ですが、こちらのご質問者の方は
「物件はとても気に入っているが、理にかなわないのでは」
と悩んでおられるわけです。
住居用物件の購入も不動産投資の一つですから、このような感情面が先立つ場合でも後から数字に裏打ちされる基盤があるかを検証して、それが自分の将来の計画に見合うのであれば購入に踏み切ることは多いにアリだと思います。
そしてこのパターンで理論値を検証する上で土台に出来るのは「Home equity line of credit」です。
今日はご質問者のパターンを考えながら「Home equity line of credit」について理解を深めてみましょう。
Home equity line of creditとは
金融業界でよく使われる言葉の一つに「Line of Credit(融資限度額)」というものがあります。
クレジットカードが代表的なものですが、あなたが所有するクレジットカードも使用できる上限が決められていますね。
アメリカのクレジットカードも使い始めは$2,000程度の上限ですが、徐々に借入と返済を繰り返して実績を積み上げていくとクレジットスコアが高くなり、それに伴ってLine of Credit(融資限度額)が上昇してきます。
あるいは自然にLine of Credit(融資限度額)が上昇するのを待たずとも、ある程度実績が出来てくればクレジットカード会社に自分で連絡を入れて限度額を引き上げてもらうことも可能です。
そしてこの「Line of Credit(融資限度額)」は不動産物件においても同様の概念が成り立ちます。
Home Equity Lines of Credit (HELOC) と呼ばれる不動産物件を担保にする融資制度は、Line of Credit(融資限度額)をもって融資を受ける類の中で最もよく知られた方法です。
クレジットカードの場合は手のひらに収まるような小さいサイズのカードに融資上限額が定められているわけですが、HELOCの場合は大きな不動産物件があたかもクレジットカードのように機能するわけですね。
そしてHELOCで融資を引く場合の融資限度額は
(その物件の市場価値の75% ~ 80%)-(その物件のモーゲージ残高)
の式で定められるのが一般的です。
例えば市場価値が$500,000の物件でモーゲージ残高が$200,000であれば、
A:($500,000の75% ~ 80%)= $375,000 ~ $400,000
B:$200,000
HELOCによる融資限度額(A - B):$175,000 ~ $200,000
となります。
またHELOCを使う場合はDraw Period(引き出し期間)が設けられます。
通常は10年~20年になりますが、このDraw Period(引き出し期間)の間であれば融資上限範囲以内で何度でも
借入する
返済する
を繰り返せるのです。この点はクレジットカードと比較すると勝手が違ってきますね。
そしてDraw Period(引き出し期間)が終わると、その時点の融資額は返済する必要があるのです。
将来の計画に照らし合わせてみる
そこで冒頭のご質問へのアドバイスに戻りますが、
「この家に暮らしたい!
借金はしないが、この価格の物件を購入するのは理にかなわないのでは」
このような場合はHELOCの活用が将来の計画に見合うかを検討することは有効です。
すなわち、ご質問者の場合は現金で購入できるということであれば上記の例を使うとLine of Credit(融資限度額)は
A:($500,000の75% ~ 80%)= $375,000 ~ $400,000
となりますね(実際の購入額は知りませんが、$500,000の物件の場合)。
「物件としてとても魅力的だが、ここまでの現金を不動産資産に転換するのにためらう」
ということですから、物件購入そのものを融資を引いて購入してもよいでしょうし、また現金で購入したとしてもHELOCの利用を視野に入れておけばよいと思います。
例えば子供が大きくなった時にそれなりのまとまった学費が必要になる、というのであればHELOCで資金を捻出することも考えられます。
現金を不動産資産に転換したものの、HELOCを使ってそこから融資を引くことも可能になるわけです。
もちろん融資である以上は
・HELOCを組む際の手数料(不動産鑑定料含む)
・利息(多くの場合は変動金利で、固定金利よりも高くなります)
という出費が発生しますから、事前に金融機関に問い合わせて返済シュミレーションを行うことは必須です。
けれどもそれらの手数料と利息(そしてあわよくば融資額そのもの)すら将来のキャピタルゲインで十分に賄える見立てがあるのならば、
⇛ この家で暮らしたいと願う感情
⇛ 高めの物件を購入しても融資を引けるという理論
この二つが成立しますから、自分の計画に見合う限り物件購入を検討してもよいと思うのです。
補足
2017年の税制改正により、HELOCの利息に対する控除対象範囲が狭くなりました。
現在は物件価値を高める修繕や改築等の目的でHELOCの融資を引いた場合のみ、その利息が控除対象となります。
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