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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
昨日からSale-Leaseback(セールリースバック)についてお伝えしています。
1.自社ビルを所有し、実際に専有して本社(支社)として使っている
2.自社ビルを売却する
3.売却するけれども、同ビルに居座り続ける
4.自社が所有していたビルに対してリース代を支払い続ける
このような流れでビルの所有者が物件を手放し、そのまま居座り続けてビジネスを継続するパターンをSale-Leaseback(セールリースバック)といいます。
投資目線では、購入してビルのオーナーになる側が投資家ですね。
通常は個人としての購入はあり得ず、機関レンダーの類が購入するものです。
もしもREIT等に投資していてビルへの投資案件が混ざっている場合、裏事情としてはそこにSale-Leaseback(セールリースバック)がある可能性が高いものです。
そして実際に投資家としても長年に亘り安定したリース代を見込めることとなり、売主側は商業銀行よりも良い条件で融資を引くイメージで潤沢なキャッシュを手にし、かつ負債を減らす形でバランスシートを改善して追加短期借入の機会を増やせることになります。
少なくとも契約時点では、売主と買主の利害が一致する形でSale-Leaseback(セールリースバック)が実現するものです。
とはいえ、Sale-Leaseback(セールリースバック)にも欠点はあります。
今日は、売主側(クロージング後にリース料を支払う側)にとってのSale-Leaseback(セールリースバック)の欠点についてみていきましょう。
ビルの使用方法に柔軟性を欠く
売主はSale-Leaseback(セールリースバック)を通して売却した後は当然ながらビルの所有権を失うことになります。
それまではビルのオーナーとして自由に自社ビルを使用できていたものが、同じ場所でももやは所有者ではありませんから「間借りしている会社」になるわけです。
そしてそれに伴い、ビルの使用方法はリース契約に基づいて様々な制約が出てきます。
例えばオフィス内のレイアウトの変更一つにしても、以前はビルのオーナーとして好き勝手に出来ていたものがそうはいかなくなります。
またビジネスそのものの拡大や一部縮小でビルの使用方法を変更したい場合でも、自由にできなくなるのです。
この点はSale-Leaseback(セールリースバック)を行う売主(クロージング後にリース料を支払うことになる側)にとっては、契約の時点で見極めが難しいものです。
5年どころか3年先の市場の変化も見えにくい昨今では、20~30年のリース契約の中では相当な変化が予想されます。
順風満帆にビジネスが拡大して場所が手狭になったとしても拡張フロアには別会社が入っていたり、また場所を縮小したい時でも支払うリース代は変わらなかったりと、借りる側ならではの柔軟性を欠く部分が出てくるわけです。
リース料が固定
Sale-Leaseback(セールリースバック)の際に支払うリース料は、ビルを売却する際に別途契約で定められています。
通常は20 ~ 30年のリース契約となりますが、そこではリース料そのものも当然ながら取り決めがなされているわけです。
一見先のリース料が分かっていることは見通しが立てやすいという見方もあるかもしれませんが、その一方で不確定なのが世の中の賃貸市場です。
この点は世の景気に大きく左右されることになりますが、仮に景気が失速して空室も多く出るよな事態になると必然賃料相場も下がるものです。
けれどもSale-Leaseback(セールリースバック)によりリース料はしっかり取り決められていますから、売主はその取り決めに従って高いリース料を払い続けなければならなくなります。
景気失速時には自身のビジネスも回転が悪くなるのが通常ですから、毎月のリース料支払いが負担になる場合も考えられます。
賃貸市場が落ち目の時の固定リース料は、思いの他ボディーブローのように効いてくるものです。
買主が倒産
Sale-Leaseback(セールリースバック)の買主は大抵は投資機関である場合が多いものです。
Sale-Leaseback(セールリースバック)を純粋に投資としてみる場合が多く、投資事業の拡大の一環でビルを購入するパターンですね。
ところが、もしこの買主が倒産したらどうなるのでしょうか。
実情を言えば、大概の買主は投資事業の一環としてビルを購入するにしても融資を受けて購入しているものです。
定石どおりに投資機関による購入であったとしても、一般投資家から集めた資金のみならず一部は融資を受けている可能性もあります。
そうするとビルの所有権は完全に買主にあるわけではなく、こちらでお伝えした
Aさん … 金融機関等の債権者(Beneficiary:ベネフィシャリー)
Bさん … 融資を受ける債務者(Trustor:トラスター)
Cさん … タイトル会社(Trustee:トラスティ)
の三者の中ではBさんが倒産する形となり、Aさんの意向でビルそのものを売却する流れも考えられるわけです。
リース料を支払う賃貸人の立場になってしまっているビルの元所有者は、ここに口を挟むことができません。
それどころか
リースの更新
ビルの買戻し
等も拒否されてしまう可能性もあるわけです。
買主の向こう20~30年先を占うことはまず不可能ですから、売主のビル使用条件は新しい所有者の運命に委ねられることになってしまいます。
この点はSale-Leaseback(セールリースバック)で契約を交わす際にある程度保証をかけておくことも可能ですが、買主が完全に倒産してしまうとその後の調整が難航する可能性が高いのです。
。。。
Sale-Leaseback(セールリースバック)を行う場合の売主側の欠点について簡単にお伝えさせて頂きました。
潤沢なキャッシュを手に入れてバランスシートを大きく改善できる一方で、行く先の見えない中で20 ~ 30年のリース契約を安易に結ぶことは大きなリスクにも思えてきますね。
もしも自分が投資を検討するREITの中にビルの案件が含まれているようであれば、今日までにお伝えした点を踏まえて背景を理解しておくとよいと思います。
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