こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
ここ数日間、プロジェクト開発の投資案件についてお伝えさせて頂きました。
不動産事業の中でもアップストリームに属するプロジェクト開発案件は、成功すると単体の戸建て物件への投資よりも遥かに大きいリターンが期待できることは事実です。
けれども投資行為の全てに共通する「ハイリスク・ハイリターン」の言葉の通り、ハイリターンであるプロジェクト開発型の投資案件は大きなリスクが伴ってきます。
そこであなたがプロジェクト開発型の投資案件に興味がある場合、まずはその案件が昨日までにお伝えした主な三つの情報源、
・金融機関から富裕層へ
・投資家ネットワーク内
・不動産会社が公募
のいずれからなのかはしっかりと区分しておきましょう。
そして上記三つのいずれが情報源であったとしても、いざ本当に投資を実施してみたい場合に検討するべき重要なポイントがあります。
どんな種類の投資にも一定のリスクは付き物ですが、大切なのはリスク管理であり、そしてここでいうリスク管理とは「投資が失敗する確率を限りなく低くすること」をいいます。
どんな投資でも失敗の確率がゼロということはないにせよ、その失敗の確率を極限まで下げる努力をするのがリスク管理の基本なのです。
そこで、この手のプロジェクト開発型の投資案件に参加する場合はどのような点に注意をしておくべきなのでしょうか。
今日はこのプロジェクト開発型シリーズの最後として、目の前にある投資案件において特に注意しておきたい事項を押さえておきましょう。
自分の立ち位置はどうなるのか

まず最初に確認しておきたいのは、その投資案件に対して出資する自分の立ち位置です。
例えばMultiple-Family物件に友人と二人で共同出資して投資したとします。
この場合は自分を含めて二人だけですから、利益の分配は50/50で分かりやすいですね。
お互いの合意の上で半分ずつの出資したとすれば、利益も半分ずつ受け取ることで収まります。
ところがプロジェクト開発型の投資案件の場合、大抵はそこに複数の出資者が絡んできます(しかも他人同士)。
そして複数が出資する場合、通常はその案件は法人名義で行われるものです。
既存の法人、あるいはそのプロジェクトの為に立ちあげる法人の名義で全体のプロジェクトを推進していくことになります。
そこでこのように法人格でプロジェクトはが進められる場合、出資するあなたの立場は
法人役員の一人
なのか
一株主
なのか
単なる正規会員
なのか、いずれに立場にあるのかを明確に理解しておきましょう。
アメリカの法人体系概要については詳細は割愛しますが、何よりも大切なのは自分が出資する際の自分の権限と利益を受け取る割合です。
普通に考えれば、出資者全体の中であなたが出資する金額の割合に応じて権限と利益の分配率は決まってくるはず。
そしてこの点は主催者側の説明のみならず、実際の法人に関する定款や付属定款をよく精査して確認しておく必要があります。
出資者としては法人定義の根幹である定款や付属定款を見る権利は当然あるはずですから、遠慮なくそれらの法人書類を取り寄せて精査するようにしましょう。
また精査にあたっては、その法人が設立されている州で資格を有する法人専門の弁護士に依頼することをお薦めします。
現場はどれだけコントロールできるのか

そして書類上で自分の立ち位置が明確になり、そのリターンが納得できるレベルで保証されていることが分かったら、次に現実世界で押さえるべきところを押さえておきましょう。
ここで大切な問いは、
「この開発プロジェクトでは、現場はどれだけコントロールできているのか?」
です。
もう少し具体的にいえば、
案件を実施する法人メンバーの中で、開発現場を頻繁に確認できる人材はいるのか?
その人材は現場監督と交渉し、かつ工事関係者を動かす技量を持っているのか?
これらの問いは極めて重要です。
私(佐藤)自身も過去に大型案件を手掛けた経験がありますが、この時につくづく感じたのは自分と現場の距離感です。
よほど全体の士気が高い気の利いた現場であればよいのですが、通常は監視の目がないと作業には遅延が出てくるものです。
依頼主が現場で見ている
依頼主が現場にいない
この二つでは作業の進み具合一つにしても、雲泥の差が出てきます。
私(佐藤)の場合もプロジェクト全体の進捗を見守るうえで、頻繁に現場に通って自分自身で監督する必要がありました。
それでもプロジェクトが大きく遅延しそうになり、日頃は温厚な(?)佐藤もやや荒業を使い、社長すら引っ張り出して全社員を総動員させ、無理やり工期どおりに完了させた経緯がありました。
ことほど左様に本気でプロジェクトを工期通りに進めるのであれば、それこそ現場に張りつきながら、かなりの気魄と人を動かす能力が求められるものです。
ましてや投資する自分がアメリカ国外にいるのであれば、現場の対するコントロール度は限りなくゼロに近いもの。
そうすると、共同出資者の中で現場を動かせる人材が現地にいるかどうかはよく確認するべきポイントなのです。
たまに私(佐藤)から見ていて危なっかしいなと思うのは、現場の施工業者に任せっきりにしているパターン。
出資者の代表は契約時には現場に向かって地元施工業者と契約を交わすものの、その施工期間中は現場からの報告を受けるだけで進めている場合があります。
このパターンはまず十中八九、工期期間中に計画通りに進まない点が出てくるものです。
大抵は工期が大幅に遅れることになり、最悪の場合は工事そのものがとん挫してしまう場合もあります。
。。。
プロジェクト開発型投資に参加する場合に、気をつけておきたいポイントを二つだけ上げましたが、実際にはここからより詳細をそれぞれ確認していく必要があります。
少なくとも投資案件に対して自分自身がその現場にいないのであれば、これらのポイントを押さえながら、プロジェクト案件全体の詳細を事前にしっかりと確認しておきましょう。
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