FSBO(For Sale By Owner:物件オーナー自身による売却)コンサルティング案件が増加中です。
・バイヤーエージェントの報酬はバイヤーからお支払い頂きたい
・自宅も自分で売却することでリスティングエージェントへの報酬をゼロにしたい
という方はこちらからご連絡ください。
コンサルティング料金は発生しますが、リスティングエージェント雇用よりは大幅に節約が可能です。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
アメリカではTDIと呼ばれる投資が存在します。
TDIはTrust Deed Investmentと呼ばれるものですが、その本質は
Aさん … 金融機関等の債権者(Beneficiary:ベネフィシャリー)
Bさん … 融資を受ける債務者(Trustor:トラスター)
Cさん … 権利を預かる第三者(Trustee:トラスティ)
この三者においてAさんの権利、いわゆる債権を買い取る行為です。
そしてTDIという名称で出てくる投資には大きく分けて三つあります。
① リノベーション費用を調達する際の債権
② 物件購入費用とリノベーション費用を同時に集める際の債権
③ リノベーション完了後の物件の購入者のセラーファイナンスの債権
近年クラウドファンディングで世界中から集められる資金は、大概は「②」に使用される場合が多いようです。
主催者が物件購入資金とリノベーション資金を同時に集めるパターンですね。
もしくは「①」に該当するリノベーション費用のみをクラウドファンディングで集めるパターンも見られます。
けれども、その本質をよく考えてみると実は「①」と「②」のどちらも正確にはTDI(Trust Deed Investment)とは呼べないシロモノなのです。
TDIと呼ばれる投資商品の中でもこれらの違いを把握するべく、今日から
① リノベーション費用を調達する際の債権
② 物件購入費用とリノベーション費用を同時に集める際の債権
③ リノベーション完了後の物件の購入者のセラーファイナンスの債権
の三つの違いを押さえてTDIに関する理解を深めていきましょう。
まずは、これら三つの違いについて見ていきます。
① リノベーション費用を調達する際の債権
不動産会社が行うフリップにおいては
1.物件買い付け(ほとんどの場合、オークション物件を買い付ける)
2.物件のリノベーション
3.テナント募集
4.投資家に売り出し
の手順で行われます。
このとき、
「2.物件のリノベーション」
このリノベーションにおいては多額の修繕費用が生じるのが通常です。
どんな家でも長年暮らすとそれなりに傷みますから、
- 物件機能の瑕疵
- 物件機能の瑕疵以外のちょっとした修繕
と大別して二つのカテゴリーの修繕に臨むことになります。’
物件機能の瑕疵
屋根の張替え
フロアの張替え
エアコンの入れ替え
温水器の入れ替え
等、人が暮らすにあたり必要な機能を正常に整える為の修繕行為。
物件機能の瑕疵以外のちょっとした修繕
カーテンの付け替え
天井のファンの付け替え
ペンキ塗り
カーペット交換
ドアノブの交換
電気ストーブの一部交換
外壁破損箇所の張替え
壁の穴を塞ぐ
等、人が暮らす上で機能としては問題がないものの快適性に影響する修繕。
これら大別して
- 物件機能の瑕疵
- 物件機能の瑕疵以外のちょっとした修繕
の二種類の修繕がある中で、通常の戸建てであればその修繕におよそ$20,000〜$25,000をかけることになります。
例えば修繕予算に対する二割増しの法則を適用すれば、最低でも
$30,000($25,000 × 1.2)
の資金を見る必要がありますから、この$30,000を自己資金ではなく人様から集めて修繕費用を集め、リノベーションを実行するわけです。
。。。
ここで「あれっ?」と思いませんか?
TDIとは前述のように
Aさん … 金融機関等の債権者(Beneficiary:ベネフィシャリー)
Bさん … 融資を受ける債務者(Trustor:トラスター)
Cさん … 権利を預かる第三者(Trustee:トラスティ)
この三者がいて成り立つ投資です。
ところが上記の場合、これは明らかに不動産購入の融資に関わる取引ではありません。
これは例えて言えば、個人の家を修繕する場合と同じことです。
自宅のリノベーションを実施したい場合に自宅を担保にして銀行から借用するパターンがありますが、このパターンと全く同じです。
そこでTDIという名称で売られているものの、このパターンはリノベーションする側が金融機関ではなくて個人・法人から用立てする目的で出されているもの、ということになります。
ここに第三者のTrustee(トラスティ)が関わることはないのです。
ちなみに、このパターンの返済方法としては典型的には「Balloon Payment(バルーンペイメント)」と呼ばれる返済方法がとられます。
Balloon Paymentは日本では聞きなれない返済方法ですが、「返済期間は利息のみ返済して、元金は一番最後に一気に返済する」という返済方法です。
この方法だと、借用する側は返済期間の返済額が最小限で済みます。
そしてリノベーションが完了すると物件は市場で売却され、売却が完了する頃には大きく黒字が出ているはずです。
そこで売却が完了すると一気に前倒し返済を行い、余裕で元金をまとめて返済できるわけです。
② 物件購入費用とリノベーション費用を同時に集める際の債権
上記はリノベーション用の資金を集めるパターンでした。
次にリノベーション以前にその物件を購入する費用も集めるパターンがあります。
ところが厳密には、これもまたTDIとはいえません。
繰り返しとなりますが、TDIは
Aさん … 金融機関等の債権者(Beneficiary:ベネフィシャリー)
Bさん … 融資を受ける債務者(Trustor:トラスター)
Cさん … 権利を預かる第三者(Trustee:トラスティ)
の三者がいて始めて成り立つのです。
けれども上記の関係では存在するのは
Aさん … 不動産会社(購入とリノベーションを行う債務者)
Bさん … 出資者(債権者)
だけです。
ここにいるのは債務者と債権者のみとなり、その関係を保障する第三者が存在していません。
またここが大切ですが、このパターンで仮に
「物件そのものが第一抵当権として入れられており安心ですよ」
と言われたとしても、リノベーションが完成するまでは全く安心できません。
なぜなら、物件の修繕が完了しないことには物件価値はさほど上がらないからです。
リノベーションが完了していれば物件には付加価値がついて、結構な確率で市場価値以上の価格で売却が可能となります。
この段階であれば債務不履行が発生したとしても、確かな価格で売却が可能ですので購入費用とリノベーションの双方を包括する金額が保障されて安心なのです。
けれども仮にリノベーションが完成する前に債務不履行となった場合、抵当権を発動して物件を差し押さえたといても、その時点の物件価値には心配が残ることになります。
明日に続けます。
投資案件をメールマガジンで無料購読。
下記よりメールアドレスをご登録ください。