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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
トランプ政権になってから、米国では様々な変化を目にしています。
その良し悪しへの言及は避けますが、外交においても様々な形で大きな影響を与えて連日の話題をさらっていますね。最近では中国への関税引き上げが大きな話題です。
そして米国内の不動産業界においても大なり小なりトランプ政権による影響が見受けられます。
政権発足後に最もインパクトが大きかったのは、こちらでもご紹介した税制改正です。
中途半端な小金持ちクラスへの影響が最も大きく、結果としてハイエンド物件はその後に販売数が大きく冷や水を浴びせられた形となりました。
そしてこちらのHUDによる支援プログラム予算にも大きなインパクトを与えています。
セクション8は住のない人々を支援するプログラムですが、予算削減の為にこちらもその支援政策にブレーキがかかっている状態。
このように米国内の不動産業界にも少なくない影響を与えているトランプ政権ですが、この9月1日から業界に新しい制約が加わることになりました。
FHA(Federal Housing Administration)が提供するローンプログラムの中で、物件を担保に物件価値の一定数までキャッシュアウト(現金として引き出すこと)できるリファイナンスに制限がかかったのです。
具体的には、これまでFHAローンを組んでいた人々はその時点の物件価値の85%までリファイナンスとして融資を受けることが可能でした。
このリファイナンス基準が2019年9月1日から「物件価値の80%もしくはそれ以下」に制限されることになったのです。
トランプ政権の政策ではネガティブな印象がそれなりに多いものですが、今回のFHAローンリファイナンスの制限については納得が出来ますし、然るべき対策だろうと思います。
私(佐藤)個人としては、5%の引き下げではなくもう少し大胆に制限してもよかったのではと思うくらい。
なぜなら、FHAローンリファイナンスはアメリカ不動産業界の次の価格調整に大きな影響を与えかねない要素を含んでいるからです。
今日から、FHAローンリファイナンスを理解すると同時にFHAローンを利用するアメリカ国民に見られる傾向、そしてトランプ政権がリファイナンスに制限をかけた然るべき理由について押さえておきましょう。
FHAローンプログラムとは
まずはFHAローンプログラムについておさらいしておきましょう。
FHAローンプログラムそのものは1934年に開始された歴史の古い連邦政府主導のプログラムです。
そのきっかけになったのはかの世界大恐慌。
1929年から1933年の間に、アメリカのウォール街の株式市場の暴落に端を発して世界中に波及した史上最大規模の恐慌です。
この時の対策として、当時のフランクリン・ルーズベルト大統領が行ったニューディール政策は有名ですね。
そしてFHAローンプログラムもまた米国内の経済を不動産業界からも刺激して立ち直らせる意図のもとに1934年に開始され、
・住宅建築を活性化
・失業率の減少
・各種ローン保険プログラムを実施
等を目的として実施されたのでした。
このFHAローンプログラムは現在まで続いており、「初めて物件を購入する人であれば3.5%の頭金で住宅購入が可能」という、実に低い頭金での物件所有を可能にしています。
例えば物件価格が$250,000だとすると
$8,750($250,000 × 3.5%)
という、日本円にして100万円以下の現金で物件が購入出来てしまうのです。
もっぱら20%以下の頭金で住宅ローンを組む場合はPMI(Private Mortgage Insurance)という、債権者(融資する金融機関)の為の保険をかけなければなりませんのでその分毎月のローン返済額は多少割高にはなってきます。
けれどもFHAローン金利はもともと低いうえに、収入が十分な人であればこのFHAプログラムを活用することで手元の現金をほとんど使うことなく物件を所有することが出来るのです。
FHAローンに付随するおまけ
かくしてFHAローンは実に低い頭金で住宅の所有を可能にしてくれるわけですが、ここにはもう一つの嬉しいおまけがついてきます。
それはFHAローンを組んで購入した物件の場合、同様にFHAプログラムを通してのリファイナンスが可能だということです。
リファイナンスそのものの意味合いとしては「住宅ローンを組み直す」という定義で知られているとおりです。
物件購入当初に住宅ローンを組んで返済を続けていくものの、「毎月の返済が大変になってきたな。。」という場合は金利が低くなったタイミングでローンを組み直すことで毎月の返済が楽になります。
例えば$400,000の物件の物件に対して、4.25%の固定金利で残りの返済金額が$390,000だとします。
この時のローンを3.75%の固定金利でリファイナンスすると毎月の返済額は$162も下がることになり、一年間で$1,944の差が出てくるのです。
これが本来のリファイナンスですが、リファイナンスには別の定義もあります。
いわゆるCash Out(キャッシュアウト)と呼ばれるもので、その物件価値を担保に現金を引き出す方法です。
このキャッシュアウトはFHAローンプログラムにも存在し、一つのリファイナンスの形態として活用されてきました。
しかも、FHAローンプログラムを通したキャッシュアウトは殊の外人気なのです。
その理由は他でもなく、金利が安いから。
住宅購入時にFHAローンを組む場合は3.5%の頭金でいけるとは前述のとおりですが、FHAローンの金利そのものが3%台と低い上に、リファイナンスのキャッシュアウトでも金利はそのまま低いのです。
そこでこれまでは、FHAローンを活用した物件の場合は物件価値の85%までキャッシュアウトが可能でした。
ところがここに、トランプ政権がこの9月1日から制限をかけたのです。
明日に続けます。
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