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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサル タントとして働く佐藤です。
昨日からMarket Value(市場価値)とAssessed Value(評価価値)の違いについてお伝えしています。
どちらもValue(価値)を示すものではありますが、その前にくる
Market(市場)
Assessed(評価)
この言葉の違いが分かりにくいものです。
そこでMarket Value(市場価値)のMarket(市場)については、セリ売りを思い浮かべるとよいかもしれません。
青物市場では毎朝早くから、野菜や果物を卸すせり売りが行われていますね。
不動産市場の場合も同様で、とある物件を市場に出してくるのは売主です。
その売主は自分が希望する売却価格を出してきます。
この時の希望売却価格は売主と契約を結んでいるリスティングエージェントが算出したMarket Value(市場価値)を参考に、売主が最終的に決定しているものです。
ここでリスティングエージェントが算出する価格帯の定義は
Most probable price that is given to a property in an open market:
一般市場で物件につけられた最もあり得る価格
と呼ばれるMarket Value(市場価値)というものです。
そしてMarket Value(市場価値)を参考に売主が決定した売却希望価格に対し、購入を希望する人々がオファーを出して最終的に落ち着いた価格がMarket Price(市場で決められた価格)と定められるのです。
青物市場でせり落とされた果物や野菜の価格がMarket Price(市場で決められた価格)となるイメージですね。
そこで今度は同じValue(価値)でも言葉が違うAssessed Value(評価価値)について、見ていきましょう。
Assessed Value(評価価値)とは
Assessed Value(評価価値)を考える上で、まずはAssessedという言葉に注目してみます。
数ヵ月前のこと。
南カリフォルニアのパートナーたちと打ち合わせをしている際に、不動産投資関連でやや複雑なスキームについて私(佐藤)の理解があっているかを途中で確認していた場面で一人から
「Your assessment is incorrect.」
とズバリ言われたことがありました(笑)。
この時に彼が口にしたassessmentという言葉は日本語の直訳でいえば「評価・査定」ですが、この場のニュアンスとしては
「評価が間違っているよ」「査定が間違っているよ」
と言っても的外れな言葉ではないかもしれませんが、日本語的には
「理解(解釈)が間違っているよ」
と言った方がより自然ではないでしょうか。
すなわちAssessed Value(評価価値)という言葉そのものも、厳密には「対象物件を理解した時の価値」というニュアンスがより的を得ているように思います。
これだけでもMarket Value(市場価値)とは全然意味が違ってくることが分かりますね。
もう少し具体的にいきましょう。
対象物件を理解するというのであれば、
1.誰が理解するのか
2.何の為に理解するのか
ここまで落とし込むとよく分かります。
1.誰が理解するのか
誰がその物件を理解する必要があるのかといえば、地方自治体や市政機関に雇われた不動産鑑定士です。
2.何の為に理解するのか
そして雇われた不動産鑑定士がその物件を理解したい理由は、固定資産税の基準価値を定める為です。
すなわち固定資産税の基準値が査定価値、Assessed Valueと呼ばれるものなのです。
この基準値となるべき値を突き止めるべく、不動産鑑定士は
・近所の類似物件が売却された際の価格
・最近物件内外で行われた改築箇所
・物件からの収入(賃貸等)
・家事で全焼した場合の再建にかかる費用
等、まさにありとあらゆる要素をもって「この物件を理解しよう」と努めるのです。
そしてあらゆる角度から理解を深めた上で該当物件の価値が定められ、最後は「控除項目」を適用して減算します。
仕上げに「Assessment Rate」と呼ばれる割合を掛けて、物件の課税対象額を算出するのです。
このAssessment Rateは通常80%~90%のあたりで定められています(管轄郡や市によって違いがあります)。
例えば雇われた不動産鑑定士により
「この物件を深く理解した結果、価値は$250,000だ」
というのであれば、その物件が立地する地元当局が適用するAssessment Rateが80%であれば
$200,000($250,000 × 80%)
この$200,000がAssessed Value(評価価値)となるのです。
結果として、Market Value(市場価値)とAssessed Value(評価価値)の数字は確実に違うことになります。
通常はリスティングエージェントが算出するMarket Value(市場価値)と不動産鑑定士が算出するMarket Value(市場価値)では甚だ大きい差はないものですが、
・物件の収益力
・控除額
等を加味すると違いは大きく生じ、かつ最終的に80%~90%の管轄郡特有のAssessment Rateをもって乗算することで決定的に数字が違ってくるのです。
結果としてMarket Value(市場価値)とAssessed Value(評価価値)のそれぞれの数字が違うのは当然で、その大小関係は常に
Market Value(市場価値) > Assessed Value(評価価値)
となります。
そこで、もしもあなたがアメリカに物件を所有していて
「役所のデータベースに登録されている私の物件のAssessed Value(評価価値)が低い!正当に評価されていないのでは?」
と驚くことはありません。
ここまでで分かるようにAssessed Value(評価価値)とMarket Value(市場価値)は根本的に性質が違う数字ですし、最終的に固定資産税は
固定資産税額 = Assessed Value(評価価値) × 課税率
で算出されてきますから、むしろAssessed Value(評価価値)は低い方がよいのです。
言い換えると、
「Assessed Value(評価価値)は物件の正しいMarket Value(市場価値) を反映している数字ではない」
このように解釈してよいと思います。
そうすると
「
役所で確認できるAssessed Value(評価価値)は$200,000なのに、この物件はなぜ$240,000で売りに出されているのか?どう考えてもおかしいじゃないか?
」
この手の問い合わせがたまにありますが、ここまで読まれたあなたはこの問いそのものが間違っていることに気づくはずなのです。
Market Value(市場価値)とAssessed Value(評価価値)の違いは正しく理解しておきましょう。
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