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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサル タントとして働く佐藤です。
昨日はStrategic Default(ストレーテジック・デフォルト)という隠語についてお伝えさせて頂きました。
今から10年前の不動産大暴落の時期には債務不履行(デフォルト)が次々と発生し、数多くの世帯が家を失うことになりました。
モーゲージを支払い続けることが出来れば乗り切れるのですが、その時は不動産価値の急落によりUnderwater Mortgage(アンダーウォーター・モーゲージ)が増え、
・倒産による失業増加
・変動金利によるローン返済額の増加
等の理由により債務不履行(デフォルト)に進まざるを得ない世帯が数多く出たのです。
その時にとりわけインターネット掲示板で頻繁に交わされれていた言葉がStrategic Default(ストレーテジック・デフォルト)というもの。
腹をくくって債務不履行の不名誉を被って整理する前に
債務不履行後はどれくらいの期間、物件に居座り続けられるのか
自分のクレジットスコアにはどのような影響があるのか
債務不履行の記録がどれくらい残るのか
等について活発な情報交換がなされ、諦めた人々がモーゲージの支払いを止め、「債務不履行(デフォルト)」の通知を受け取るのを待つという傾向が広がったのです。
モーゲージ支払いが出来なくなったことによる債務不履行の記録は最大で7年間記録に残されることになります。
単純に計算すると、今の時期であれば2012年10月までに債務不履行の記録がついた人々の履歴はキレイになっているはずです。
ところが、2007年以降の2〜3年の間に計画的なStrategic Default(ストレーテジック・デフォルト)に進んだ人々の中には不動産暴落がほぼ底値を打ったタイミングで物件を新たに購入した人々がいました。
言い方は悪いのですが「借金(ローン)を踏み倒して安値で良質な物件を購入し直す」という結果になりましたので一番美味しい部分をもっていったのは彼らだったかもしれません。
その背景にはどのような仕組みがあったのか、今日はStrategic Default(ストレーテジック・デフォルト)のその先について概要を捉えていきましょう。
Foreclosure(差し押さえ)後のローン申し込み
Strategic Default(ストレーテジック・デフォルト)を実施した場合、クレジットスコアとしては現状から最低でも100くらいはスコアが下がってしまいます。
それだけスコアが下がってしまうとその後の個人の経済活動に結構な支障が出てしまうものです。
そこでStrategic Default(ストレーテジック・デフォルト)を実施した人々がモーゲージ支払いをストップする前に行ったのが
・現金を貯蓄しておく
・限度額の高いクレジットカードを作っておく
・車両を購入しておく
・他の物件をモーゲージ購入しておく
という手段でした。
これらはいずれも債務不履行により物件が差し押さえられた後では不可能だからです。(*真似はしないようにしましょう)
そして物件を差し押さえられた後の保身を整えた後で、モーゲージ支払いを止める流れへと進んでいきました。
債務不履行により物件を差し押さえられた場合、次の物件のローンを組むまでに大切な基準となるのは
各金融機関にて再びローン審査が可能となるまでの期間
です。
そしてこの期間の開始日となるのは「差し押さえられた物件が売却された日から数えて」となり、この売却日を基準に次のローン申込みが可能となります。
このような差し押さえで物件を失った人々のローン申込みを可能とするプログラムで最も早いのは
FHAローン(3年以降)
VAローン(2年以降)
の2種類であり、このいずれも政府が支援するローンとなります。
詳細を見ていきましょう。
3年待ってFHAローンに申し込む
FHAローンの条件に当てはまる場合、差し押さえ物件の売却が完了して3年後以降に申込みが可能となります。
すなわち、10年前の不動産暴落でStrategic Default(ストレーテジック・デフォルト)の手段を取りながらその後早々に新しい住宅を人々はこのFHAローンの審査を通過した人々でした。
基本的にこのFHAローンは低所得者を考慮した政府支援のローンプログラムです。
そこで仮に2009年にStrategic Default(ストレーテジック・デフォルト)を使った場合、売却までの期間を考えても2013年あたりには新しいローンを組むことが出来たことになります。
しかもFHAローンは政府支援のプログラムですから、その窓口となる民間銀行はFHAローンの審査においては自行のローンプログラムよりも審査を緩くする傾向があります。
すなわち、「場合によっては3年以内で組むことも可能」となっているのです。
モーゲージ保持者が深刻な病気だった
離婚等でどうしても支払いが続けられないことが明らかだった
等、並々ならぬ事情がある場合は一定の考慮がなされて差し押さえ物件の整理から3年未満でも再びローンを組める場合がありました。
2年待ってVAローンに申し込む
加えてVAローン(退役軍人用のローン)の場合は差し押さえ物件売却日から数えて2年待てば再度ローンを組めることになります。
「そもそも債務不履行に陥った退役軍人はまだVAローンが組めるのか?」
という話ですが、ルールとしては「差し押さえ対象となった物件に紐づくローンが完済すればよい(退役軍人資格は失わない)」とされています。
けれどもUnderwater Mortgage(アンダーウォーター・モーゲージ)で価値が大きく下がった物件を売却するわけですから、Strategic Default(ストレーテジック・デフォルト)の場合はVAローン資格に大きく傷がつく結果となります。
とはいえ残されたローンが完済されればよいわけですから、例えばStrategic Default(ストレーテジック・デフォルト)の時点で残った元金残高がそれほど多くないのであれば、2年以内にそれらを完済することも考えられるわけです。
。。。
Strategic Default(ストレーテジック・デフォルト)を使った人々で短期に物件を買い直したの人々のほとんどはFHAローン使用者でした。
結果として不動産大暴落と同時に家を一時的に失ったとしても、後に良質な物件を安価に購入する例も数多く出てきました。
このようなStrategic Default(ストレーテジック・デフォルト)は薦められる方法ではありませんが、実際には個人というよりも法人でStrategic Default(ストレーテジック・デフォルト)を使う会社が多く存在したことも事実なのです。
このあたりは不動産投資活動の伏線として、知っておいてもよい情報だと思います。
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