昨年以来、米ドルで資産運用を志す方々からのコンサルティング依頼が急増しています。
弊社ではアメリカ不動産コンサルティングに加え、州規制当局に登録されるRegistered Investment Advisor (RIA)としてアメリカ国内での資産運用全般のコンサルティングも提供しており、内容は不動産投資以外となりますが、初心者の方々からのご質問を総括する意図で株や債券に関するまとめ記事を1月7日から期間限定であげさせて頂きます。
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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサル タントとして働く佐藤です。
アメリカで融資を引いて物件を購入する際に必ず目にするだろう言葉の一つに
「Underwriting(アンダー・ライティング)」
があります。
Underwriting(アンダー・ライティング)はローンを組んで物件を購入する際に発生する売買契約上の融資審査期間の中核を担う部分であり、このUnderwriting(アンダー・ライティング)の担当者をUnderwriter(アンダー・ライター)と呼びます。
にわかWrite(ライター)という言葉が出てくる為に何となく記事を書くライターをイメージしますが、日本語の意訳としては「ローン審査官」がニュアンスとして近いように思います。
ちなみにUnderwriter(アンダー・ライター)という職種は何も不動産物件購入にあたるローン審査担当者のみならず、その他の各種融資事業においてもその審査の役割を担う担当者を同様にUnderwriter(アンダー・ライター)と呼んでいます。
そしてUnderwriter(アンダー・ライター)のUnder(アンダー)は日本語直訳で「下」ですが、この場合の下は「リスクの下」のことです。
各種融資事業においては貸し手側が一定のリスクを背負うことになるわけで、このリスク下において融資審査を行い、承認を発行(Writing)するう役割をUnderwriter(アンダー・ライター)と呼ぶわけです。
今日は、アメリカ不動産で融資を組んで物件を購入する際に登場するUnderwriting(アンダー・ライティング)についてお伝えさせて頂きます。
Underwriting(アンダー・ライティング)について詳しく
物件売買の契約期間中にはいくつかの不確かな要素が出てきます。
不動産権に瑕疵がないか
物件状態の瑕疵は受け入れられる状態か
これらの不確かな状態はそれぞれの専門家により調査する権利が与えられますが、それと同様に融資を組んで物件を購入する場合もまた一つの不確かな状態と言えます。
この融資が受けられるか分からない状態を
Financial Contingency(ファイナンシャル・コンティンジェンシー)
と呼びますが、いわゆる融資プロセスである
1.融資申し込み
2.頭金入金
3.ローン審査
4.融資可否決定
この流れを指します。
「4」で「融資可」と判断されるまでは融資がなされるか否か分からない、不確かな状態なわけです。
そして頭金を入金した後の「3」のローン審査を担当するのが正にUnderwriter(アンダー・ライター)であり、そのプロセスの結果として
Pre-Approval(プリ・アプルーバル:事前の承認、審査通過)
が発行されることとなります。
元来不動産物件購入にあたる各種モーゲージの商品そのものは全体的に透明度が非常に高いものです。
商業銀行を始めとする州政府から営業認可を受けている金融機関であれば、借り手に対してはかなりのレベルで商品(各種モーゲージプログラム)について明確に説明を行う義務があります。
このような表向きは非常に透明性が高いローンプログラムですが、その一方でいざ申し込んだ後の審査プロセスは正反対で、その審査の実態はほとんど表には出されません(秘匿性が高いので当然ですが)。
Underwriter(アンダー・ライター)が見ているものは
そこでUnderwriting(アンダー・ライティング)のプロセスでUnderwriter(アンダー・ライター)は何を確認しているのかを押さえておくと、厳密には「ローンの種類」によって多少の違いがあります。
米国政府が支援するローンプログラムであれば求められる書類も多い傾向にあり、一般的には
・タックスリターン(確定申告書の類)
・クレジットスコア
・銀行口座明細
・給与明細
・W-2(給与や源泉徴収額をまとめた明細書)
は最低でも提出する必要があります。
またここに加えて
・DTI(Debt To Income ratio: 収入に対する借金に割合)
・現在所有する各資産に抵当権が付いていないか
等、およそ個人の財産明細が全般的に審査されることになります。
またここで注意しておきたいのは、
「Underwriter(アンダー・ライター)は口座内の特異な動きを見逃さない」
ということです。
例えば昨月の口座に通常はない$3,000の入金があり、これは親類からギフトとして振り込まれたお金だとします。
その場合、Underwriter(アンダー・ライター)は高い確率で
「この$3,000はなんですか?」
と問い合わせてきます。
するとあなたはそれがただのギフトであることを証明しないといけなくなるのです。
この点の何がまずいのかといえば、このような単純な疑念を払拭するのにも
借り主 ↔ Underwriter(アンダー・ライター)
この両者のやり取りが発生することになりますが、この一回のキャッチボールにかなりの時間を要してしまうのです。
すなわち、不動産売買の取引である以上はFinancial Contingency(ファイナンシャル・コンティンジェンシー)には期間が設けられており、契約書上で定められた期間内に融資承認を得なければ最悪の場合
「買主はDefault(契約不履行)した」
とみなされ、最初に売主側に送金したEarnest Money(手付金のようなもの)も返金されず、そのまま契約破棄となる可能性も出てきます。
そこで買主の立場としてはローン審査の開始にあたり質問が予想されることに関しては予め全て答えを用意しておくことが薦められるのです。
もっぱら、Underwriter(アンダー・ライター)自身も自分の仕事に結果を出さねばなりませんので、ローン申し込み者に対しては必要以上の書類を求めてくる傾向があります(何度もやりとりをしなくて済むように)。
。。。
このようにローン審査の中核となるUnderwriting(アンダー・ライティング)ですが、仮に
完璧なクレジットスコア
無借金
の個人であったとしてもUnderwriter(アンダー・ライター)が承認を出すまでには最低でも一週間をみておく必要があります。
そこであなたとしてはローン審査期間が極力最短に収まるように、Underwriter(アンダー・ライター)に求められるだろうあらゆる書類(或いは質問されるだろうことの答え)は先に準備しておくべきなのです。
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