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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサル タントとして働く佐藤です。
家賃に関する知識の補足として
Rent-controlled(レントコントロールド:規制家賃)
Rent- stabilized(レントスタビライズド:安定家賃)
の二つについてご紹介し、昨日は前者のレントコントロールド・アパートメントについて詳細をお伝えさせて頂きました。
家賃の高いニューヨーク市であっても
1947年以前に建設された建物に暮らしている
1971年からその物件に暮らし続けている
この条件を満たしている物件に暮らしている方々はレントコントロールドの恩恵を受けている可能性が高いと思います。
ニューヨーク市に位置するレントコントロールド・アパートメントの2019年の平均家賃は$1,039でした。
そして佐藤が知る限り、レントコントロールド・アパートメントの中で最も安い家賃は$29です。
水道光熱費程度の金額を家賃とし、ニューヨーク・ニューヨークという都会の真ん中で暮らす方が実際に存在していることになります。
アメリカの不動産系スレッドでは
「レントコントロールドは本当に存在するのか?」
等の議論をたまに見かけますが、今でも実際にこの恩恵を受けている人々は存在するのです。
ちなみに典型的なレントコントロールド・アパートメントの外観はこのような感じ。
1940年代の造りですので中は十分に広い、ということはありませんが世帯で暮らすことは十分に出来ます。
古き良きアメリカのビンテージものが好きな人にはたまらない空間です。
そこで誰でもこのレントコントロールド・アパートメントで暮らすことが出来るかといえば、残念ながら不可能に近いと思います。
条件として1971年から暮らし続けていないと無理ですし、唯一この権利が継承されるのは1971年以前から暮らし続けている祖父母や両親と一緒にこのアパートに暮らし続けている場合のみです。
すなわち、家族(未婚の同居でも可能)であればレントコントロールド・アパートメントの占有権を相続することは可能なのですが、そうでない限りはまず無理だと思います。
結果として新規申込みは不可能ですから、やがてレントコントロールド・アパートメントはほぼ無くなる運命にあるわけです。
そこでレントコントロールドが途絶えていく運命にある中で、より一般的な家賃価格設定が規制されているアパートがあります。
今日はもう一つの形態、
Rent- stabilized(レントスタビライズド:安定家賃)
について見ていきましょう。
Rent-stabilized apartment(レントスタビライズド・アパートメント:安定家賃)
昨日、レントコントロールド・アパートメントの数はニューヨーク市にある全世帯の1%程度とお伝えしました。
これに対してレントスタビライズド・アパートメントはレントコントロールド・アパートメントよりもより一般的となり、その数はニューヨーク市全世帯の約50%にあたります。
言い換えると、ニューヨーク市のアパートの約半分は政府機関により家賃値上げが規制されていることになります。
レントスタビライズド・アパートメントとして指定される為の条件は
6戸以上を持つ建物であること
1971年以前に建設された建物であること
です。
そしてこのレントスタビライズド・アパートメントで暮らす場合、大家は自分の自由意志で家賃値上げの割合を設定することは出来ません。
Rent Guidelines Board(家賃ガイドライン委員会)
なるものが存在しており、この機関が定めた割合の範囲でしか値上げは許されていないのです。
この仕組みのおかげでレントスタビライズド・アパートメントで暮らす人々は無理な値上げを要求されることはありませんから、その意味でRent- stabilized(レントスタビライズド:安定家賃)と呼ばれているのです。
そして必然、家賃ガイドライン委員会が定める家賃値上げの割合については毎年熱い議論の的になります。
またレントスタビライズド・アパートメントの家賃設定基準は借主の収入ではなく
部屋はどれくらいの広さか
何人暮らしているのか
等の基準で設定されることになります。
レントスタビライズドはより安定化
過去、家賃ガイドライン委員会の管轄にありながらもレントスタビライズド・アパートメントにおいて最も家賃増額の傾向が見られたのは
ターンオーバー時の修繕費用
リノベーション費用
これらの費用をテナントにかぶせるときでした。
すなわちオーナーに大きな負担がかかった後で、その費用を回収する矛先として新テナント・既存テナントは結構な家賃増額の憂き目に合っていたのです。
ところがこの点も昨年の夏に可決された新しい家賃法により変更がなされ、オーナーはこれらリノベーション費用をテナント家賃に被せることは出来ないことになりました。
家賃が大きな生活負担になる傾向の中、テナントがより安心できるようになったのは良いことだと思います。
かくして、オーナー目線でいえばレントスタビライズドは非常にやっかいな規定であることは間違いありません。
実は過去、オーナーにとって大きな抜け道がありました。
それは
家賃が$2,7000に達した後でターンオーバーが発生した場合(テナントが退去した後)、その時点で該当物件はレントスタビライズドの指定から外れる
という規定。
家賃増額に規制を受けながらもジリジリと$2,700まで上昇させ、その後にテナントが退去した場合はレントスタビライズドの指定から外れることになっていたのです。
ところがここもまた昨年のニューヨーク州法の改正により、家賃増額の最高割合は20%までと定められることになりました。
これによりニューヨーク州ではレントスタビライズドの体制がより固まったことになります。
ちなみにニューヨーク市でレントスタビライズド・アパートに暮らすことはさほど難しいことではありません。
大抵の場合「ここはレントスタビライズドですよ」などというオーナーからの広告はありませんから自分で調べるしかありませんが、ニューヨーク市で対象とするアパートがレントスタビライズドであるかどうかは自分で調べれば分かります。
例えばマンハッタン地区の場合、ここにそのリストが出ています。
ニューヨーク市で暮らす方々はアパート家賃が無茶に増額していかないことを期待する場合、上記のようなリストでレントスタビライズド・アパートを探すことも一考です。
このあたりは誰も教えてくれませんから、情報は自分で取りにいくしかありません。
仮に首尾よく申込みが受け入れられた場合、その契約書には
当物件がレントスタビライズドであること
レントスタビライズドとしての細かい規約
が記載されているはずです。
レントスタビライズドに指定されていることを隠す大家もいないとも限りませんから、ここも自分で意識して調べるようにしましょう。
。。。
数日間に渡りシリーズで家賃の増額に関してお伝えさせて頂きました。
全米を通して家賃はオーナーの裁量で増額していくことになりますが、
Rent-controlled(レントコントロールド:規制家賃)
Rent- stabilized(レントスタビライズド:安定家賃)
この二つは例外であることを覚えておくとよいと思います。
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