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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサル タントとして働く佐藤です。
昨日からRight of First Refusalについてお伝えしています。
Right of First Refusalという言葉は直訳で「先に断る権利」となりますが、この言葉だけでは何のことか分かりにくい印象があります。
実際には断る前にワンステップあり、
1.家主が「この物件は売却しますが、購入しますか?」と優先的に尋ねてくる
2.あなたは「いえ、当初は検討しましたがやはり私はパスします」と断る
と、シチュエーションとしては「2」のように優先権を辞退する行為を表してRight of First Refusalと表現されています。
そこでこのRight of First Refusalが使われる場面は様々ですが、例えば下記のようなケースがあり得ます。
テナントと家主
昨日から例で上げているとおりですが、Right of First Refusalが使われる場面として最も起こり得るのは
テナント - 家主
の関係です。
テナントが暮らす賃貸物件の買い取りに興味があり、かつすでに交わされている賃貸契約の中に「Right of First Refusal」の条項がある場合、家主は物件を市場に出すこと自体は自由ですが
「交渉はRight of First Refusalを有するテナントと一番最初に行う」
ことになります。
テナントが購入の意思がない限り、家主は他の候補者と交渉することは出来ません。
親族間で
Right of First Refusalが交わされるのは親族間でも良くあることです。
Right of First Refusalという条項は何も賃貸契約の中で綴られなければいけないわけではなく、単独の同意書としても成立します。
そこである物件を親族の誰かが
「物件を売りに出す際は自分に優先的に譲ってほしい」
という場合、単独のRight of First Refusalの契約文書をもって優先的な譲渡権利を確約しておくわけです。
日本では馴染みが薄いかもしれませんが、アメリカでは例え親族間であったとしても約束事は文書で交わしておくことは全く抵抗なく当たり前の行為です。
「口頭の約束は全く役に立たない」という通念が前提にありますから、親族間といえども大切な約束事は文書で交わしておきます。
ましてや人間ですから心変わりをすることは誰でもあります。
そこで家主に心変わりをされたとしても自分に優先的に譲渡される権利を確保しておくわけです。
このRight of First Refusalの効力により親族である家主はいざ売却する時には約束を交わした親族に優先的に譲受けの意思を確認する必要があります。
HOAやコンドミニアムの管理規約
ここも案外知られていない部分ですが、Right of First Refusalは「HOAやコンドミニアムの管理規約」内に含まれている場合があります。
HOAは「Homeowner Association(ホームオーナー組合)」の略語ですが、購入する物件が一戸建ての場合はHOAの管理下にある場合が多々あります。
またコンドミニアムを購入する場合、ほぼ管理組合が存在していると捉えて間違いありません。
そしてこれらの物件を購入する場合は組合管理に関する規定が一緒についてきます。
自分自身が一戸建て物件やコンドミニアムのオーナーであることは間違いありませんが、同時に物件の管理方法・使用方法・売却時に決まりが定められているのです。
規約にRight of First Refusalがある場合、このパターンでは組合が買主候補をスクリーニングすることになります。
オーナーは自分の自由意志で誰にでも売却することは出来ない、という意味です。
管理組合がRight of First Refusalを行使する目的は不当な安値の売買を防ぐことにあります。
いくらで物件を売却しようがそれはオーナーの自由意志と言いたいところですが、実際にあまりにも安値で売られてしまった場合、その売却額はご近所の物件の一つの基準(市場価値)として定められてしまうのです。
そうすると最悪の場合はご近所一体の、或いはコンドミニアム全体の物件価値を損なうことにもなり兼ねません。
そこで組合としては管理下にある地域の物件価値を守るべく、条項にRight of First Refusalを含めることがあるのです。
売主にとってのRight of First Refusal
ここまでRight of First Refusalという権利を譲受第一候補者の視点で見てきました。
この権利を売主の目線から見た時に、Right of First Refusalに有利な点はあるのでしょうか。
先にマイナス面を表立たせると、家主にとってのRight of First Refusalの欠点は「譲渡対象に縛りが出来る」ことです。
家主としてはRight of First Refusalで約束を交わしている人物に一番最初に売却の提案をもっていかなくてはなりません。
このことは「譲渡先に縛りが出来る」ということに他ならず、自分が心変わりして他の誰かに譲渡したい場合はRight of First Refusalを有する側が
「やっぱりやーめた」
と優先権利を放棄するのを願うしかないわけです。
ただし、Right of First Refusalは家主にとっても有利な面があります。
Right of First Refusalの詳細はお互いの合意に基づいて様々なパターンがありますが、家主にとって最も有利になるだろうパターンはRight of First Refusalの中に
「売却する際は$◯◯◯◯◯を最低譲渡額とする」
と一文入れておくことです。
これにより物件を譲渡する際の最低価格は守られることになります。
このパターンが最も有効に働くのは地域市場の不動産価値が一時的にも下がった場合です。
例えば2006年にRight of First Refusalで賃貸契約を交わしていたとしましょう。
2008年以降にその地域の不動産価値が10%下がったとします。
するとその状態で物件を市場に出すと、激しい獲得競争は予想されるものの結局は希望価格での売却は出来ない可能性が高いものです。
けれどもRight of First Refusalで予め当時に交わした2006年時点の市場価値で最低価格を定めておけば、売主としても安心して売り抜けることが出来ます。
Right of First Refusalを行使する側は市場価格よりも10%高いかもしれませんが、
「これだけ価値のある物件が他人の手に渡るくらいなら。。」
と将来再び不動産価値が上昇することを期待して購入するわけです。
。。。
もしもあなたが
「この物件を将来購入したいかも。けれども今は賃貸しか出来ない。」
と思う場合はRight of First Refusalを組んで賃貸契約を結ぶことは有効です。
あなたにとっては「購入の義務」ではなく「購入の優先権」ですから、いざその時がきてやはり欲しくないと思うのであれば購入権は放棄すればよいのです。
不動産購入を有利に進めるテクニックの一つとして、Right of First Refusalの存在は覚えておきましょう。
【免責】
実際に自分の意志でRight of First Refusalを契約書に入れたい場合は、事前に不動産弁護士によく相談してください。
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