こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサル タントとして働く佐藤です。
昨日はトランプ政権による2021年度予算案について、不動産市場に影響し得る一部をご紹介させて頂きました。
その中で
「住宅投資関連プログラムの予算は大きく削られる案」
と、現行の連邦政府による住宅投資関連プログラムについて軽く触れました。
住宅投資関連の援助プログラムについては米国内でもさほど知られていませんが、実は個人にとっても結構有利な政府による投資支援のプログラムがあるのです。
ここでいう「投資」とは、具体的には
「自宅を改築して価値を高める」
等、自分が所有する不動産資産の価値を高めることに貢献する投資を意味します。
平たくいえば、
「政府が改築費用の融資しますよ」
ということですね。
この手の個人の不動産資産に対する政府支援が打ち切られる案が出されている、というわけです。
実際には今はまだ「案」の段階ですので、最終的にはどこまで調整が入って議会を通過するかは見守る必要があります。
けれどもこの住宅投資関連プログラムが本当に打ち切られることになれば、個人としては不動産資産価値を高める改築への投資はハードルが高くなることは間違いありません。
今日は、そんな住宅投資関連プログラムの一つである「FHA 203(k) ローン」についてお伝えさせて頂きます。
下記を読まれて
「あ、これは自分に必要だ」
と思われる方は、予算削減案が通過しないうちに銀行に相談に行かれることをお薦め致します。
FHA 203(k) ローンを知る

○○○(k)という表現を目にすると、イメージとしては何となくアメリカのリタイアメントプログラムである「401(k)プログラム」が連想されます。
けれどもここでいう203(k)は積立投資とは種類が全く違うものです。
203(k)とはどのようなものでしょうか。
また、その益を享受するにはどんな条件が必要なのでしょうか。
まず、203(k)を一言でいえば
「物件の修繕・改築にあたる政府支援に基づく融資」
です。
ボロボロの物件を購入して家全体をピカピカに修繕して価値を高める(そして自分が暮らす)、そんな投資行為をフィクサーアッパー(fixer-upper)といいます。
その際に資金として必要になるのは、
1.物件購入費用
2.修繕費用
の2種類です。
あえて修繕が必要な物件を安く購入し、全体的な修繕でピカピカに仕上げて価値を高めた上で自分が暮らすことになります。
すなわち事前事後では物件の価値そのものが大きく変わり、バランスシート上の資産も増えることになりますから「投資行為」なのです。
ちなみに、現在お問合せ・お申込みが急増しているプロミゾリーノートも同様の趣旨になります。
プロミゾリーノートにも様々な種類がありますが、私(佐藤)がイチオシするのはこのフィクサーアッパー(fixer-upper)と同じ流れで
プロのフリッパー(物件を修繕して価値を高め、テナント付けして投資家に売却する専門業者)が投資家への売却目的でフィクサーアッパー(fixer-upper)を行う際の融資から派生するプロミゾリーノート
です。
プロのフリッパーたちはビジネスの王道として自己資金を極力使わず、融資で
1.物件購入費用
2.修繕費用
の2種類を集めようとします。
この時の資金を銀行のような民間金融機関から借用すると条件が厳しく、かつ取引に間に合わない可能性が高い為に高い金利でも短期でプライベートファンドから融資を引くわけです。
けれども個人が自分で暮らす目的で行うフィクサーアッパー(fixer-upper)の場合、米国政府は寛容に融資の門戸を開いてくれます。
そんな、連邦政府支援による物件投資関連ファイナンスがFHA 203(k) ローンです。
FHA 203(k) ローンの詳細

そこでFHA 203(k) ローンの詳細にいきましょう。
上記ではFHA 203(k) ローンはフィクサーアッパー(fixer-upper)の為と書いていますが、実際には
バスルームの改築
キッチンの改築
等、部分的な改築の場合でもFHA 203(k) ローンの適用範囲となります。
そしてFHA 203(k) ローンの種類は下記の2つです。
The streamlined 203(k)
streamlinedを日本語で直訳すると
「無駄なく合理化された」
「スリム化された」
等の意味になると思います。
これを物件修繕に関連する定義で言えば
「構造部分の修繕を必要としないフィクサーアッパー」
です。
構造部分の修繕は結構な融資が必要になりますが、構造部分以外の修繕はThe streamlined 203(k) が適用されることになります。
融資にあたる最低額は決められていませんが、その上限は$35,000と定められていますので注意が必要です。
Regular(レギュラー)203(k)
その反対にあるのがRegular 203(k)です。
Regular 203(k) はやや複雑な
・構造部分の修繕が必要
・部屋の追加
・個室全体の改築
等に適用されることになります。
また融資資金が使われるべき対象は施工業務のみならず、設計や物件調査の費用に対してもRegular 203(k)から捻出することが許されています。
FHA 203(k) ローンについて、明日に続けます。
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