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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサル タントとして働く佐藤です。
昨日からProbate(プロベイト)についてお伝えしています。
アメリカでは故人が遺言を残さないままに遺産を残した場合、その取り扱いは裁判所に判断が委ねられることになっています。
この
故人が遺言・遺書を残さずに他界した場合の、故人の意思・財産を取り扱う法的な手続き
のことをProbate(プロベイト)といいます。
ちょろまかしてこの裁判所手続きを省こうとしても
不動産資産
金融資産
これらの所有・保管・運用には公的機関あるいは民間企業が関わることになりますし、それぞれ公的機関・民間企業は法律を遵守するわけですから遺族に対しては
「故人◯◯さんのこの資産を動かすには、裁判所判断が必要です」
と返されることになるのです。
つまりタンス預金以外の資産に関しては物理的に裁判所手続きは不可避、ということになります。
そこで不動産資産がProbate(プロベイト)になる場合の費用について昨日からお伝えしていますが、今日も引き続き詳細を見ていきましょう。
裁判費用
Probate(プロベイト)の手続きは公的機関である裁判所を使用することになりますから、当然ながら公的システムを使う費用としての裁判費用そのものがかかることになります。
この時に裁判所を使う費用は
- 州による規定の違い
- 裁判所の立地(ダウンタウンのど真ん中か、地方か等)
等の要素で違いが出てきます。
一般的に都会のダウンタウンに位置する裁判所の方が費用がかかることになると思いますが、その範囲は
数百ドル 〜 数千ドル
と大きく幅があります。
また上記の基本的な2つの要素に加えて、「その遺産手続きがどれだけ複雑か」によっても違いが出てきます。
単純に一つの不動産資産ではなく複数ある場合など、整理されるべき遺産が多ければ多いほど裁判所的続きは複雑になりますから、裁判所に支払う費用もその分多くなるわけです。
セキュリティ
やや細かい話ながら重要なポイントとして覚えておきたいのは、
「不動産資産を現状から動かしてはならない」
ことです。
現状から動かさないとは、具体的には
「物件に新しい施錠やセキュリティシステムを導入して、裁判所判断が下されるまでは親族を含め誰一人として物件に入れなくする」
という措置のことです。
ここはともすると日本の感覚とは相容れない生々しい話になるかもしれませんが、そもそも遺産相続に裁判所を絡める理由は
「遺族だけで遺産整理を進めると十中八九感情論に終始して揉める」
からです。
だからこそ遺産相続に関する判断は裁判所に委ね、その裁判所判断をもって遺族は遺産を整理することになります。
この行為の背景にあるのは「法律に基づいて平等に遺産を分配すること」にあるわけですが、この「平等な分配」を実現する為には故人が亡くなってから遺産に変化があってはいけないわけです。
例えば、故人が自分で暮らしていた物件であれば、当然ながらその家の中には
- 宝石等の価値がある貴重品
- 現金
等がそのまま残されているはずです。
定義で言えば不動産以外の全ての資産である「動産」ですね。
そして動産とはその字の如く「動く資産」ですから、誰もが簡単に動かせてしまいます。
けれども、これから遺族で平等に分配しようとする価値のある貴重品や現金が動いてしまったら困るわけです。
親族の中にはともすると手癖の悪い輩がいるかもしれません。
そうすると、親族の誰もが物件に入れる状態になっているといざという時に
「あれ、ここに宝石、あそこに現金があったはずだけど??誰が持っていったの??」
と疑いが生じ、遺族間で疑心暗鬼と共にギスギスした空気が流れることになりかねません。
だからこそ遺族の代表者が物件に新しい鍵をかけるなり、セキュリティシステムを導入するなりして、動産を含めた遺産が動かないようにする必要があるのです。
ここにかかる費用は
物件の鍵全てを交換する場合:$300 〜 $500
セキュリティシステムを導入する場合:$1,500 〜 $3,000
等をみておく必要があります。
また貴重品に関しては、万が一紛失した時の為に遺族の誰かの家屋保険に追加保険対象として加えることも出来ます。
その場合の保険に追加する費用は$500 〜 $1,000と考えておくとよいと思います。
。。。
実際には、このセキュリティについては故人が亡くなられた後にいの一番に取り組むことが推奨されます。
ある意味、初っ端から性悪説で遺族を疑うようなものですから日本では馴染みない行為かもしれませんが、「故人の遺産を動かさない措置」はアメリカではごく当たり前のように受け入れられる行為です。
遺族がアメリカ国外にいる場合
セキュリティについて補足ですが、物件の所有者がアメリカ国外に暮らす方である場合はそのご遺族もアメリカ国外であることがほとんどです。
この場合は不動産資産には自分で暮らしていたわけではなく賃貸に出していた場合がほとんどですから、その物件に故人に属する動産は残されていないはずです。
むしろ賃貸行為が続いていた場合、その物件にはテナントが暮らし続けていることになります。
そしてテナントが入っている物件の所有者が他界した場合、そのテナントとの賃貸契約が故人と交わされていた場合でも基本的には賃貸契約が打ち切りになることはありません。
テナントにしてみれば賃貸契約を交わしていたオーナーが亡くなった場合、途端に物件を退去しなければならない事態にはならないのが通常です。
ここでの論点もまた
「賃貸契約を交わしていたオーナーの所有権が誰に移るか」
ですから、ここをハッキリさせる必要があります。
この点も故人の遺言なり、遺言がない場合は裁判所プロセスとなるProbate(プロベイト)をもって物件所有権の帰属を明確にし、その新たなオーナー名義の下に賃貸契約を続行することになるのです。
Probate(プロベイト)について、もう一日だけ続けます。
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