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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサル タントとして働く佐藤です。
私(佐藤)は先の見通しを立てるのに蓋然性(がいぜんせい)を結構重要視しています。
将来を確実に言い当てることは誰だって不可能。
「株価傾向は半年後に◯◯になる」
「不動産価格は本年◯◯になる」
という予言の類ともとれる見解を目にすることがありますが、この手のセリフをはくことは憚れるもの。
事実、本年は早々にコロナウイルスの影響が始まりパンデミックレベルに拡大するなど誰が予想したでしょうか。
それでなくとも今の複雑系の世界ではどんな識者でも将来の経済なり世界動向を正確に言い当てることは不可能なはずです。
もちろん私(佐藤)にもアメリカ不動産の将来に対する100%正しい予言など不可能ですし、将来のことに触れる時は「可能性がある」「傾向がある」程度の表現で押さえているつもり。
最近では「ビル・ゲイツは新型肺炎を予言していた」なる話が話題になっているようですが、ビル・メリンダゲイツ財団は新型ウイルスに対する対策が世界的に整っていないことへの指摘と、パンデミックレベルで拡散した場合のシュミレーションを見せていただけです。
確かにビル・メリンダゲイツ財団が過去に公開している新型インフルエンザのシュミレーション動画を見ると、中国からウイルスが始まっています。
けれどもビル・メリンダゲイツ財団は予言をしていたわけではなく、過去の統計から現在と未来に起こり得る可能性を指摘してわけです。
つまり、ここでもビル・メリンダゲイツ財団は蓋然性でモノを語っていたことになります。
一面、資産形成において不動産が有効である理由の一つはここにあります。
本来流動性の低い不動産の場合はこの蓋然性という概念が非常に有効に働くからです。
将来の完全な予言は不可能でも、少なくとも過去の傾向からベクトルを将来に伸ばした時に傾向が見えやすいのは確かだと思います。
そしてパイを広げて世界経済そのものを蓋然性で語る時、私達が共通に認識しておくべきことがあります。
所得格差に対する誤認
私(佐藤)が記憶する限り、「格差社会」という言葉が頻繁に聞かれるようになったのは2000年代に入ってからだと思います。
日本でもIT長者なる人々が続々登場し、アメリカでは企業の経営者レベルが破格の報酬を得るようになりました。
ここは私(佐藤)個人の所感ですが、アメリカで経営者への多額の報酬を許容する流れに対しては2001年までGE(ゼネラルエレクトリック)で会長兼CEOを務めたジャック・ウェルチ氏も一役買ったように思います。
(注:ご本人の努力と実績、また報酬額に対しその是非を問う意味ではありません)
あのあたりからスーパー経営者なる人々の報酬がそれまで以上に急激に上昇し始め、2000年以降は所得格差がぐんぐん拡大していった感じがあります。
このことを厳密に数字で見ると、アメリカでは1970年代から上位1パーセントの富裕層が所有する資産が大きく増加してきていました。
1070年代からリーマンショック前までの
1979年 〜 2007年
の期間で見ると、
上位1%層の収入 ⇛ 平均275%の増加
中間60%層の収入 ⇛ 平均40%の増加
下位20%層の収入 ⇛ 平均18%の増加
アメリカの所得格差:1979年 〜 2007年
と、収入に大きく格差がでています。
収入に差はあれど、人間の一日の食事の量に大差はありません。
ということは、甚だ贅沢をしない限りは収入の大半は資産運用に回されることになります。
その結果として資産を持つ人々は更に豊かになり、所得の増えない人々との差が大きくなってきました。
そして2000年代はBRICs(ブラジル・ロシア・インド・中国)が台頭してきましたが、BRICsの経済成長にしてもその正体は「一部の中心都市に富が集中する」という格差社会。
2020年の今日、世界中で経済格差はどんどん広がりつつあります。
ところがです。
このような格差社会が近年クローズアップされる中で、多くの人々の見逃している歴史的事実がありました。
それは「所得格差は世界的には1920年までの方が大きかった」という事実。
格差社会においてはアメリカが代表格のように見られていますが、歴史的背景を見ると1900年〜1910年あたりまではトップ10%の所得シェアはアメリカよりもヨーロッパの方が遥かに高い傾向にありました。
つまり、経済格差なるものは18世紀にはヨーロッパにおいて今よりも凄まじい格差で存在していたのです。
世界の富が一気に消失した
その後、世界的に資産が消失する歴史的事件が起こりました。
第一次世界大戦(1914年7月28日 〜 1918年11月11日)
第二次世界大戦(1939年9月1日 〜 1945年9月2日)
の二つです。
この時期に世界中で個人資産は大きく減少し、グラフを見るとその落ち込み具合は10年前のアメリカ不動産価格暴落時を思わせるかのよう。
第二次世界大戦後は各国共に生産活動を本格的に再開し、再び富を蓄える段階に入ってきています。
すなわち、過去の統計から読み取れるのは
・世界の経済格差は19世紀以前から存在し、1920年までにピークに達した
・二回の世界大戦で世界の個人資産は大きく減少した
・その後、ゆっくりとしたスピードで富の蓄積は再開している
ということ。
このことを一言で語ると、
「近年現れた格差社会が拡大している」
ではなく、
「過去に存在した格差社会が復活しつつある」
という事実が分かります。
そして現在は過去の統計からベクトルを将来に向けると、
「将来は益々、目も当てられないくらいに格差が広がる可能性が高い」
と言えるのです。
明日に続けます。
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