FSBO(For Sale By Owner:物件オーナー自身による売却)コンサルティング案件が増加中です。
・バイヤーエージェントの報酬はバイヤーからお支払い頂きたい
・自宅も自分で売却することでリスティングエージェントへの報酬をゼロにしたい
という方はこちらからご連絡ください。
コンサルティング料金は発生しますが、リスティングエージェント雇用よりは大幅に節約が可能です。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
今後に考えられる最悪のシナリオとして「悪性のインフレ」に焦点を当てています。
当ブログは不動産投資専門ですが、少しだけ株式市場について言及すると
このように、1929年までのニューヨーク株式市場の動きは近年の2020年3月までの株価の動きに酷似している事実は大変興味深いところです。
株価に与える因数が100年前と今とでは大きな違いがあるものの、少なくとも株価に反応する人の心理が100年前とそれほど変わらないと仮定すれば、案外ここから先も似たような道を辿ることも想定する必要があるかもしれません。
1929年の時に限っていえば、株価暴落はその後3年間は続きました。
もちろん100年前の株価暴落と今回の株価暴落は根本的に原因が違いますが、いずれにせよ今後の
・株価の動き
・失業率の増加
には特に注意しておく必要がありそうです。
そして今回のコロナ騒動に関しては
「徹底して封鎖していかなければ止められない」
「騒ぎすぎ。他のインフルエンザと同様に共生しかない」
と大きく分けて二つの意見が見受けられますが、結果として今の騒ぎはこのまま収束することはなく、経済に大きな打撃を与えることになるのは間違いなさそうです。
そうすると株価もこのまま本当に下落を続けていくのであれば、その次にはどんなことが予想されるのでしょうか。
今の時点で誰にでも想像できるのは「世界中で失業者が増えるだろう」ということです。
増えるだろうというより、すでにアメリカでは失業者が増え始めています。
230兆円規模の経済対策が決定されましたが、これもコロナウイルスの影響が長引けば大恐慌への突入を多少遅らせる程度の効果にしかならないかもしれません。
そうすると、遅かれ早かれアメリカ不動産の価格への影響は発生してくる可能性はあると思います。
常々、不動産需要の三大要素として
人口
人口動態
賃金・雇用機会
とお伝えしていますが、失業者増加は3番目の「賃金・雇用機会」に直結する話です。
私(佐藤)は過去のブログで
「不動産価格は直接的に株価の影響は受けない」
とお伝えしていますが、株価の瞬間的な乱れではほぼ影響を受けないことは過去の統計が示しています。
けれども、株価というよりも景気後退により失業者が増加する時期になると話は違います。
景気後退時には不動産価格は株価の影響を受けるというよりも
「不動産価格は失業率の影響を受ける」
という方が正しく、今の事態がこのまま大恐慌のレベルに発展するのであれば不動産価格も大きく影響を受けることが予想されるのです。
そこで現状の株価の動きに酷似している1929年の大暴落のグラフを比較対象として上げましたが、実際にあの時期の大恐慌の中でアメリカ不動産価格はどのような推移を辿ったのでしょうか。
今日から、1929年前後の時期のアメリカ不動産価格の動きを見ていきましょう。
あの時のアメリカ不動産価格は
私(佐藤)は当ブログで統計をご紹介するときにはよく「セントルイス連邦準備銀行」の資料を引用しています。
セントルイス連邦準備銀行は1960年代から統計資料の公開を開始しており、現在では相当な種類の統計資料を有してアメリカ国内の信頼性あるデータベースとして活用されているからです。
ただし資料公開は1960年代からですので、残念ながら1929年当時の資料はありません。
そこで過去に信頼性あるデータを探し求めたことがあったのですが、その時にプリンストン大学が独自にまとめた1880年からの
物件価格
建築コスト
人口
金利
が記録されている資料を手に入れていました。
今回はその時に入手した資料を使って当時の動向を見ていきたいと思います。
下記のグラフをご覧ください。
上記はエクセル上の数値から直接抽出されている統計グラフそのままです。
上から順番に
Home Prices(物件価格)
Building Costs(建築コスト)
Population(人口)
Interest Rates(金利)
となっています。
現在の2020年まで、140年間の記録を左右圧縮するグラフになっていますので何となく分かりにくいのですが、少なくとも傾向はハッキリと捉えることが出来ますね。
そして青線で見る物件価格の動向もしっかりと捉えることが出来ます。
グラフは1880年の時をインデックス(指数)を100としていますが、そこを基準に1929年の株価大暴落の時期から辿ると、不動産価格の推移は
年 | 指数 |
1929年 | 72 |
1930年 | 69 |
1931年 | 68 |
1932年 | 68 |
1933年 | 72 |
1934年 | 73 |
1935年 | 78 |
1936年 | 79 |
1937年 | 79 |
となっています。
1929年から約3年続いた株価の下落に伴い、不動産価格も下がったことが分かりますね。
ただし下がったとはいっても数字にすると4ポイントです。
4年目には回復し、そこからは不動産価格は上昇に転じています。
むしろ不動産価格が大きく下落したのはその前の時期で、1912年から
年 | 指数 |
1912年 | 102 |
1913年 | 95 |
1914年 | 96 |
1915年 | 88 |
1916年 | 93 |
1917年 | 85 |
1918年 | 75 |
1919年 | 70 |
1920年 | 66 |
1921年 | 65 |
1922年 | 74 |
このように9年間で37ポイントも下げています。
ここでは一体何が起こったのでしょうか。
ご記憶の方も多いと思いますが、この時期に発生したのは第一次世界大戦です。
ただしこの時にアメリカはヨーロッパとは正反対で、第一次世界大戦の時期には特需が発生して好景気になっています。
それに伴い発生したのはアメリカ史でも初めてともいえるインフレであり、この時は好景気で物価が上昇するという「良性インフレ」です。
これは特筆するべき部分です。数字でみる現象だけを辿ると、
第一次世界大戦前後の9年間 … 不動産価格が37ポイント下がる
1929年以降の3年間 … 4ポイント
と、大恐慌の時期に下がった不動産価格は第一次世界大戦前後のそれとは比較にならないほど低いことが分かります。
けれども赤線の人口推移を見ても分かるとおり、不動産需要の大切な要素である人口は一貫して増え続けています。
そうするとアメリカ不動産価格への影響の意味では、第一次世界大戦前後にはその後の大恐慌をも上回る出来事があったと考えるのが自然でしょう。
1929年前後のアメリカ不動産価格について、明日に続けます。
投資案件をメールマガジンで無料購読。
下記よりメールアドレスをご登録ください。