こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
世界経済全体は景気後退の入り口にあり、コロナウイルスの影響が世界経済に大きく打撃を与え始めるのは夏ごろからではないかと考えています。
あくまでも個人の見解ですが、甘くみても本年一杯、長期的には2年は完全な収束は難しい前提で物事を進めています。
私たち全員がここからしばらくは厳しい時代を体験するかと思いますが、それぞれが自分の分野でお互いに協力しあい、ここからの時期を耐え忍んでいきたいものです。
アメリカ不動産市場に関していえば、ここから先は景気後退に伴って不動産価格が相対的に下がってくることは避けられないと思います。
価格が下がり始める要因は主に
買い控えが続く・増加する
空室が増える
債務不履行により差し押さえ物件が増える
等であり、相応効果であたかもデフレ不況の如く逆回転が進んでいくことが予想されます。
1929年以降の大恐慌の時代にはインデックスで平均4ポイント程度下落していますが、今回の場合は正確な予想は難しいものです。
少なくとも過去の条件との比較と失業率増加のペースを見ていると、ともすると平均で4ポイント以上の下げもあり得るかもしれません。
ただし世界経済としては深く景気後退に入っていくものの、不動産投資の意味では好機が訪れることは間違いありません。
近年のアメリカ不動産市場は価格上昇が過ぎる感がありましたが、世界の誰一人予想しなかったコロナウイルスという目に見えない原因によって価格調整が始まろうとしているのです。
そうすると
すでにアメリカ不動産市場に参入していた方々
アメリカ不動産市場に参入する機会を伺っていた方々
この双方に平等に機会が訪れるでしょう。
ここで、ともすると
「不動産価格が下がるのは結構なことだが、コロナウイルスによる被害の結果であることを考えると素直に喜べない」
そんなお声が出てくることがあるかもしれません。
このあたりは万人がそれぞれの価値観をお持ちですし、そのいずれも否定されるべきではないと思います。
けれどもあえて私(佐藤)の立場からいえば、その役割は「住を確保する支援」です。
誰が何と言おうとも生きていくうえで「住」は確実に必要であり、世の中の誰かが住の確保を世話させて頂く必要があります。
それは単に契約の仲介の場合もありますし、物件を購入しての投資の場合もあります。
事情があって手放される物件が出てくるとしたら、それこそ目に叶う物件であれば積極的に買い取り、然るべき修繕を施し、少しでも早く市場に戻してあげるべきでしょう。
その結果として住環境をまた一つ提供することで社会への貢献となりますし、それが不動産投資家のあるべき姿です。
不動産投資は常に「自分の資産運用」のみが前面に出されてしまいますが、投資としてのリターン以前に「住を提供する」という価値提供がそこにはあります。
住の提供という形をもって人様に価値を提供するからこそ、その結果としてリターンがあるのです。
このあたりはテナントが誰なのかがハッキリと分かっている分、株式投資よりも随分分かりやすい価値提供であるように思います。
しばらくは高い利回りは期待出来ない可能性

かくして、今からの時期はアメリカ不動産において安い価格での購入が期待出来そうです。
ただし、私(佐藤)は
「安く購入することが可能になる一方で、しばらくは本来の利回りは期待出来ない」
と予想しています。
その理由の一つは、世間の多くの方々が収入を減らすだろう可能性です。
家賃支払いが厳しくなる方々が増えてくることは避けられず、一つの物件を回すのにターンオーバー(住人入れ替え)の機会も増えてくる可能性があります。
そしてもう一つの理由は、新しい法律が出来て一時的にも今までのような家賃収入が期待出来なくなることです。
具体例をあげると、カリフォルニア州ではたった今「AB-828」という法案が議論されています。
ABとは「ASSEMBLY BILL(議会法案)」のことで、今まさに新しく作ろうとしている法案の草案のことです。
この法案によると、
コロナウイルスの影響で家賃を現状のままでは支払えないと裁判所が判断した場合、家賃を25%値下げることが法律上定められる
とのこと。
これに対し、カリフォルニア州不動産協会はこの法案に強く反発しています。
反対する理由は、
「家賃が25%強制的に下げられる一方で、オーナーに課せられる毎月のモーゲージ支払い、固定資産税支払い等の出費は変わらない」
からです。
もしもこの法案がそのまま通れば、カリフォルニア州の賃貸物件においてテナントがコロナウイルスの影響で収入が減って家賃が支払えない場合、オーナーは家賃の25%値下げに同意せねばならないことになります。
唯一の収入源である家賃収入が25%減るわけですから、実質利回りは相当下がることになります。
この法案はもしも可決された場合、2021年12月31日まで効力が継続される予定です。
そうすると家賃収入を期待する全てのオーナーは、2年近く低い利回りに甘んじて絶えなくてはならないことになります。
それでは
「結局は安くなっても利回りが低いのなら購入しない方がいいのか」
といえば、私(佐藤)個人の考えとしては答えは反対です。
いずれにせよほとんどの商売は向こう2年は本来の売り上げが立たないのは同じでしょうし、不動産投資に関しても欲張る必要はなく本来の
「人様に住環境を提供させて頂く」
という然るべき価値観に重きを置くべき時期かと思います。
しばらくは利回りは低いかもしれませんが、経済も徐々に回復して不動産投資には安定感が出てくるでしょう。
入り口で「安く購入する」というシンプルな原理原則に従えば、やはり物件が安い間に購入しておくのは間違いないのです。
そこで「アフターコロナの世界」を前提として、今から出来る不動産投資の準備の意味で過去の不動産投資モデルをご紹介していきたいと思います。
物件が安い時期にこそ期待できる、いくつかの不動産投資手法です。
明日からのシリーズをご期待ください。
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