昨年以来、米ドルで資産運用を志す方々からのコンサルティング依頼が急増しています。
弊社ではアメリカ不動産コンサルティングに加え、州規制当局に登録されるRegistered Investment Advisor (RIA)としてアメリカ国内での資産運用全般のコンサルティングも提供しており、内容は不動産投資以外となりますが、初心者の方々からのご質問を総括する意図で株や債券に関するまとめ記事を1月7日から期間限定であげさせて頂きます。
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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
コロナウイルスにより景気後退が進む現状を鑑み、テナントと家賃の関係についてお伝えしています。
たった今の段階で見受けられる、家賃支払いに対するテナントの行動パターンとしては
1.これまで通り支払い続けるテナント ... 80%
2.支払いが難しくなってきており、家主との話し合いを希望するテナント ... 15%
3.家賃を支払わず、連絡にも応答しないテナント ... 5%
の3つがあります。
今後の失業率の増加によっては「2」と「3」の割合が増えてくることも予想されますが、いずれにせよ大切なのは
「常日頃からのテナントとの適切なコミュニケーション」
であることは昨日お伝えしたとおりです。
- 月に一度のメール
- 定期的な訪問点検
等を通して付かず離れずのほどよい距離感を保つことが、いざテナントの家賃支払いが厳しくなった時に「2」の割合を増やすことになるのです。
そこで「2」のカテゴリーに入るテナントが相談にきたらしっかりと状況に耳を傾け、最終的には
オーナー
テナント
の双方が同意する内容を
「口頭で済ませるのではなく、書面に落とし込んで両者が署名する」
ことが大切になります。
口約束には何の法的効力もありませんから、不本意ながら法的措置が必要になった時の為にもこのように書面に落としておくことが大切なのです。
口約束で
「分かった。じゃあ3か月後にまとめて3か月分の家賃支払いですね。了解しました。」
で済ませておくと、「2」のカテゴリーだったはずのテナントは高い確率で「3」のカテゴリーに移行することになります。
今日も続けます。
追い込まれた時、人の心は変わる
私(佐藤)がアメリカで運転免許を取って間もないころ、結構なスピードで常日頃から車を走らせていました。
スピード違反をしていたわけではありませんが、大抵の運転速度は「法定速度 + ○マイル」でした(プラスで○マイルまではポリスはチケットを切らないと知っていたので)。
街をぶいぶい走らせながらイキっていたものです(恥)。
そんなある日、ショッピングモールの駐車場に車を停めていたところ反対側に駐車していた車がそれなりのスピードでバックしてきて
「ゴツン」
と私(佐藤)の車両にぶつかってしまいました。
出てきた運転手は佐藤に対して平謝り。
自分がバックしてきてぶつかった為に言い訳のしようがなく、全面的にミスを認めて謝罪してきたのです。
この時、若く世間知らずだった私(佐藤)が悪いのですが相手方の
「この傷は必ず弁済するよ!」
という言葉を信じて電話番号を交換し、その場のやり取りを終えたのでした。
それから待てど暮らせど相手方から連絡はなし。
しびれをきらして相手に電話をかけたところ。。
「は、何いってるの?」
「そんな言いがかりはやめてほしい」
と何と180度、手の平を返したような対応をしてきたのです。
相手の矛盾した行動に怒りたいところですが、結局のところこれも自己責任。
その時にきちんと警察を呼んで仲介に入ってもらわなかった私(佐藤)が悪いのです。
警察を呼ぶことは国家権力が場に居合わせることもそうですが、それ以上に全ての記録が書面に残されることに意義があります。
同時に相手の免許証と車両保険の情報をもらい、後は保険会社に仲介に入ってもらって相手側とやりとりをすればよいのです。
世間知らずな若造(佐藤)はそんなことも知らず、この一件は手痛い授業料となったのでした。
抽象度を上げると、このような
1.相手が自分の非を認める
2.けれども時間が経つと手のひらを返して態度を変える(バックレる)
というパターンはテナントにも起き得ることです。
当初は
「2.支払いが難しくなってきており、家主との話し合いを希望するテナント」
このカテゴリーに入っていたはずのテナントが、書面で約束を交わしておかないと口頭の約束のみでは
「3.家賃を支払わず、連絡にも応答しないテナント」
のカテゴリーに落ちてしまうのは時間の問題ともいえます。
それまでは管理会社からの連絡に応答していたテナントが、いつしか管理会社からの連絡を無視し始めるのです。
ここであえてテナント側の心理でいえば、当初は家賃不履行をするつもりは本当になかったのでしょう。
このまま暮らしたいと思えばこそ、自分から管理会社に状況を伝えてくれるものです(本当にバックレる人は最初から連絡してきません)。
けれども時が経つにつれ、テナント自身も
「これはもう、どうにもならないな。。」
と覚った後は、何かの糸が切れたかのように手の平を返してくるのです。
居直り強盗ならぬ、居直りテナントと化してしまうのですね。
ここで、日本人オーナーでもアメリカ人オーナーでも
「テナントのことを信じてあげたい。。」
「金銭的にままならない、可哀そうな状況があるのだろう。」
「状況が整ったら連絡をしてくると思うから。。」
そんな風に性善説で考えてテナントの連絡を待とうとする方々は一定数いらっしゃいます。
もちろんテナントを信じてあげる心は素晴らしいと思いますし、数字や実績だけで人を判断しない心根は大切だと思います。
けれどもこの
「途中からコミュニケーションをしなくなるテナント」
に対して心優しく待ち続ける方々に対して。
。。。
経験から、言葉を選ばずにハッキリいいましょう。
コミュニケーションを取らなくなったテナントを信じて待ち続けることは、本当の優しさではありません。
「でも、強制退去させたらテナントはこんなご時世に家を失ってしまうのでは。。」
そんな優しい気持ちを持つオーナーは数多くいます。
けれども現実はそうではなく、コミュニケーションを取らなくなったテナントには強制退去して頂くことが本当の優しさなのです。
明日に続けます。
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