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昨日はカリフォルニア市場の8月度の様子をお伝えしました。
カリフォルニア市場は本年の4月と5月に立て続けに販売数と価格が急落した後、6月から8月にかけて勢いをほぼ完全に取り戻しています。
価格そのものはカリフォルニア市場のほとんどの地域で昨年比10%を上回る盛況ぶり。
8月度の実績を見ていると頼もしさすら感じますし、
「やはりアメリカ不動産は力強い」
そんな風に思えるものです。
ちなみにリアルター業界で出回っている情報もそんな回復基調を喜ぶ論調にあります。
けれども私(佐藤)自身は
「これだけ回復しているからこそ、先が怖い」
と思うのです。
ここまでの回復は明らかに不自然。
より的確に言うなれば
「価格が下がって然るべき要素が多いのに下がっていない」
すなわち
「実体経済との乖離が急激に大きくなり始めている」
ように見受けられます。
例えば自転車で坂道を駆け上がったとしましょう。
目先には坂の頂上が見えており、そこから先は下り坂に入ります。
けれども下り坂に入ろうとする直前に、自転車を後ろから強烈な力で前に押されたとしたら。。
強烈に後ろから押された勢いで自転車は空中に向けてジャンプ。
そんな、今のカリフォルニア市場は強烈な力(空前の低金利)で後ろから無理やり押され、勢い空中に飛び出した瞬間のように見えます。
その先にどうなるかといえば、自転車は重力に引っ張られて勢いよく下り坂に飛び込んでいくことになるのです。
実体経済では
具体的にいきましょう。
不動産価格の上げ下げを語る時に、その基本的な力学は一般的なモノの需要と供給の関係と全く一緒です。
すなわち
「需要は多いのに供給は少ない」
という場合はモノの価格は高くなります。
欲しがっている人々が多いのに供給量が少ないのであれば、モノの価値は高まる理屈です。
反対に
「需要は少ないのに供給が多い」
という状態であれば、モノの価格は安くなります。
買う人が少ないのにモノばかりが多い状態では、そのモノに対する価値が低くなるわけです。
この需要と供給の関係は不動産物件に対しても全く同じように働きます。
そこで近年のアメリカ不動産の場合、
「供給量はその需要に対して極めて少ない」
状況にあります。
正確には、現在のアメリカ住居物件の在庫は
「1.5ヶ月」
です。
この「月」は何の単位かといえば、
「一つの物件が市場に出た後に売却されるまでの期間」
を表しています。
それがたった今は1.5ヶ月ということですが、これは在庫期間としては長いのでしょうか。それとも短いのでしょうか。
通常、アメリカ不動産市場では物件売買にかかる期間は
「30日~45日」
です。
ということは、在庫が1.5ヶ月というのであれば
「市場に出したらすぐに売れる」
状態とほぼ変わりがありません。
統計上、アメリカ不動産市場では
「適度な物件価格上昇が実現される在庫期間は6ヶ月」
とされています。
そう考えると在庫が1.5か月という今の市場では
「物件在庫は理想の1/4しかない」
のです。
これでは需要の方が高く、物件価格はどうしても上昇傾向が続いてしまいます。
そしてここが正に近年、アメリカ不動産価格が上昇を続けてきた理由なのです。
重力に引っ張られる時
そこで冒頭で
「価格が下がって然るべき要素が多いのに下がっていない」
とお伝えしましたが、
「物件在庫が理想の1/4なら、低金利も手伝って物件が急回復するのは当たり前なのでは?」
そう思う方もいるかもしれません。
けれども私(佐藤)は、多分これまでのリアルターとしてのキャリアの中で今ほど市場に違和感を感じている時はないように思います。
いつもお伝えするとおり、不動産需要の三大要素は
- 人口
- 人口動態
- 賃金・雇用機会
です。
この中でカリフォルニア市場は最初と二番目、人口と人口動態の双方は大きく動いています。
相対的には人口はマイナスに振れており、今回のコロナウイルス期にはとりわけダウンタウン近郊からの人口は外に流れています。
雇用機会の視点ではどうかと言えば、全米では8月の時点で約1400万人が失業状態にありました。
カリフォルニア州単体では失業率が約13%で250万人以上が失業状態にあり、全米の州単位平均を大きく上回っています。
不動産需要の根幹を成すはずの
- 人口
- 人口動態
- 賃金・雇用機会
これら全てがマイナスに触れているのに、ここまで市場が元気に回復していることがあまりにも不自然なのです。
つまり、物件価格が上昇するための条件は
「需要が高く供給は少ない」
のはずですが、
供給 ⇛ 在庫1.5ヶ月
需要 ⇛ 三大要素が全てダウン
の条件の中で価格は不思議と上昇しています。
ここに不自然さを感じるのです。
まさに、低金利の力が自転車を無理やり前に押し出しているような状態。
明らかに
「下り坂に沿って下りに入るべき自転車が後ろから(低金利の力で)急激に押され、勢いで空中に飛び出した」
状態のように見えますし、一言でいえば
「カリフォルニア市場の物件価格は実体経済から大きく乖離している」
と思うのです。
もしも佐藤の仮説が正しいのなら、宙に浮いた自転車は次にどうなるでしょうか?
間もなく重力に引っ張られ、勢いがついた状態で下り坂に突入することになります。
そうすると、自転車を下に引っ張る重力に相当する力は市場に存在するのでしょうか?
私(佐藤)は、恐らく
「Mortgage Forbearance(モーゲージ・フォーベアランス)が重力の役割を果たすことになる」
と見ています。
明日に続けます。
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