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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
昨日はカリフォルニア市場の動きに感じる違和感について、
需要と供給
の関係から今夏の値上がりが不自然であることをお伝えしました。
FRB(米連邦準備理事会)は前回の2008年以降の教訓からも、今回のコロナウイルスをきっかけとする景気後退時には早々にゼロ金利政策を実行に移しました。
この結果、アメリカ不動産金融はその歴史の中で最も低い金利を記録しています。
カリフォルニア市場の6月以降の復活劇はこの歴史的な低金利が功を奏したことは疑いようがありません。
数字だけを見るのならFRBの素早い対応は成功したと言えるでしょう。
とはいえ、
「対応が功を奏したか否か」
と
「その結果が健全だったか否か」
は全く別次元の話です。
カリフォルニア市場において不動産需要の条件がいずれも大きく崩れる中、価格が昨年の10%以上にまで上昇してくるのはとても健全とは言えないように思います。
私(佐藤)の目にはカリフォルニア市場は実体経済から大きく乖離し、一気にバブル気配が高まったように思うのです。
もちろんFRBの金利政策を全面的に否定する意図は全くないのですが、それでも
「歴史的な低金利が先に起こる災難の規模をかえって大きくしたかもしれない」
と思うのが正直な見解です。
今日も続けます。
そのタイミングはいつなのか
昨日、
「Mortgage Forbearance(モーゲージ・フォーベアランス)が重力の役割を果たすことになる」
とお伝えしました。
これはあくまでも佐藤個人の仮説であり、願わくばその予想は外れて欲しいものです。
けれども数字を見る限り、不動産価格に影響する「需要と供給」の関係はモーゲージ・フォーベアランスに大きく影響されざるを得ないことが分かります。
モーゲージ・フォーベアランスについては以前こちらで項を上げ、その時点でお伝えしたのは
「2020年5月の時点ですでに400万件超え」
「400万件とはアメリカ不動産全てのモーゲージ数の約7.7%」
という数字でした。
この数字がその後どのように推移したかといえば、翌月の6月初旬までには9%にまで近づいたものの、その後は下がって9月13日の時点では6.93%にまで下がっています。
結果としてたった今の件数としては約350万件です。
数字の推移を見る限りは今の時点ではモーゲージ・フォーベアランスは減少傾向にあると言えます。
また加えてモーゲージ・フォーベアランスそのものに関する情報更新となりますが、その後にモーゲージ・フォーベアランスの期限は
2020年12月31日
まで延長されています。
そこで以前お伝えしたモーゲージ・フォーベアランスの恩恵を受けるグループを時間軸で整理すると、
一番最初の2020年3月27日から免責を受けるグループ
初回期限日:2020年9月23日
二回目期限日:2021年3月22日
一番最後の2020年12月31日から免責を受けるグループ
初回期限日:2021年6月29日
二回目期限日:2021年12月26日
モーゲージ・フォーベアランスの期限
ということになります。
総じていえば、数日前の2020年9月23日に一番最初のグループは期限を迎えていますから、このグループの中で
- 延長が認めらなかった
- 過去の累積は支払えない
という方の場合、一番早いタイミングで30日後の
「2020年10月23日あたりから差し押さえ物件が陸続と市場に出始める可能性がある」
ということになります。
その影響の度合いは
このあたりをもう少し突き詰めて深堀りしてみましょう。
前述のように6月にピークとなったモーゲージ・フォーベアランスの数はその後に減少傾向となり、9月31日の時点では6.93%で約350万件です。
願わくばこのままどんどん数字が下がって欲しいものですが、いずれにせよモーゲージ・フォーベアランスとは
「一時的に金融機関による差し押さえ権利の行使を差し控える」
ことであり、
過去の滞納について遅延料は発生しない
一方で、
過去の滞納累積額は免責にはならない
というルールです。
例えば毎月$1,200の支払いがあるのなら、
$1,200
$2,400
$3,600
…
と毎月滞納額は積算されていくことになります。
一度この流れにハマってしまうと、過去の累積額を全て返済することはなかなか大変です。
もちろん
「支払えるようになったら滞納分はまとめて一括払い」
ということはなく、各金融機関によって分割払い等の段取りがなされるとは思います。
けれどもその累積された滞納分を全て支払う上では
- 失業率が劇的に回復
- 大部分の人々が以前よりも収入が上がる
というシナリオは現実的とは言えなさそうです。
そこであくまで仮の数字として、最終的に
「約300万件が差し押さえとなった」
と仮定しましょう。
2020年9月現在の全米の在庫物件数は約150万です。
そうすると、単純計算で
「在庫物件数が現在の約3倍の450万件になる」
ということになります。
需要と供給の力学は不動産価格にも同様に働き、これまでは
「需要は多いが供給は少ない」
ことが不動産価格が上昇し続けた理由でした。
ところが少し先の未来に見えるのは
「供給が約3倍の450万件にまで増えてくる」
という可能性がありこれは途方もない数字です。
そして低金利で無理やり販売数が回復している一方で、実体経済に見合っていない需要が生み出されています。
そうすると、実体経済を踏まえた上で近い将来のアメリカ不動産市場に起こり得るシナリオは
「需要は少なく供給は多い」
であり、その結果として
「不動産価格は大きく下がる」
ことが予想されるのです。
。。。
ここでお伝えすることはあくまでも佐藤個人の仮説であり、本音ではこの予想が外れて少しでも事態が軟着陸して欲しいと願っています。
けれども現実にはモーゲージ・フォーベアランスは数多くの起爆剤の一つに過ぎず、それどころか
Student Loan(学生ローン)問題
Pension(企業年金)問題
と、モーゲージ・フォーベアランスなど取るに足らないレベルの爆弾は多くあるのです。
このような複雑かつ不安定な世界経済の中にあっては、とにかく自己防衛の手段を整ることが急務です。
私たちは引き続き市場を冷静に観察しつつ、来るべき時の備えを続けていきましょう。
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