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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
「アメリカ不動産価格はこのまま順調に伸びるのでは?」
というご質問に対し、佐藤はその正反対に考えている理由についてお伝えしています。
ここで述べていることはあくまでも佐藤個人の見解であり、決して予言の類ではありません。
正確な予言など誰にも出来ませんし、不動産価格は下がるというのも佐藤の見当違いに終わる場合もあるかもしれません。
けれども純粋に、たった今のあらゆる判断材料の数字が示すベクトルの先を見ると、私たちは
「すでに起こった未来」
の中にいるように思えてならないのです。
一言でいえば、今回のパンデミックがアメリカにもたらした重大危機の一つは
「アメリカ住宅市場の危機」
ではないでしょうか。
その危機の引き金を引くだろう主役は
- モーゲージローンの滞納(から発生する物件差し押さえ)
- 家賃の滞納(から発生する強制退去)
の2つになるように思います。
当ブログをお読みの方々の世代でも、おそらくほとんどの方がジブリ映画の天空の城ラピュタを観たことがあると思います。
先月からスタジオジブリ作品の場面写真の提供が開始されているようですが、残念ながら今のところ天空のラピュタのカットはありませんので文章のみでいきます。
。。。
あの映画の中で、巨大な飛行石の力で空に浮かぶ島(ラピュタ)がありました。
ラピュタの底は黒い半球体ですが、最後の場面で主人公の2人が「バルス」と叫ぶと浮力が解け、ラピュタの底の半球体も形が崩れて海面に抜け落ちていきます。
それまで頑丈な半球体だったはずが、飛行石の力がなくなると脆くも崩れ落ちていったのです。
一面、今のアメリカ不動産市場はこの底が抜ける直前のラピュタの最後に似ていると思います。
飛行石の浮力 = Mortgage Forbearance(モーゲージ・フォーベアランス)
だとすると、その浮力がなくなると一気に底が抜けて落ちていくことになると思うのです。
債務不履行が多く発生している地域は
ここから現実世界でいきましょう。
アメリカ不動産市場と一口にいっても、それは地域市場の塊です。
その地域市場にはそれぞれの特徴があり、モーゲージローンの債務不履行発生率にも違いがあります。
そこで各地域市場を並べた時に、
債務不履行の増加率が高い地域トップ10
債務不履行の増加率が低い地域ボトム10
の順番に確認していきましょう。
データ元はアメリカモーゲージ統計の大家、「Black Knight」です。
元データは7月のもので最新とはいえませんが、その増加傾向は大変参考になります。
また変化率は「過去1ヵ月間の債務不履行増加率」です。
債務不履行増加率(1ヵ月単位)が最も高い市場トップ10
順位 | 都市名 | 増加率 (1ヵ月間) |
1位 | Miami, FL (フロリダ州マイアミ市) | + 8.0% |
2位 | Las Vegas, NV (ネバダ州ラスベガス市) | + 7.3% |
3位 | Orlando, FL (フロリダ州オーランド市) | + 6.3% |
4位 | New York-Newark, NY-NJ (ニューヨーク州ニューヨーク市、 ニュージャージー州ニューアーク市) | + 5.6% |
5位 | New Orleans, LA (ルイジアナ州ニューオーリンズ市) | + 5.4% |
6位 | Houston, TX (テキサス州ヒューストン市) | + 5.1% |
7位 | Atlanta, GA (ジョージア州アトランタ市) | + 5.1% |
8位 | Tampa, FL (フロリダ州タンパ市) | + 4.6% |
9位 | Riverside, CA (カリフォルニア州リバーサイド市) | + 4.4% |
10位 | Dallas, TX (テキサス州ダラス市) | + 4.3% |
まずはトップ10ですが、フロリダ州内の地域市場が最も多く顔を出していることが分かります。
マイアミ市では単月で8%の増加とはただならぬ増加率です。
このままのペースでいけば、州単位では
「物件数に対する物件差し押さえの割合はフロリダ州が最も高い」
可能性が高いことなり、必然在庫数が一気に増えて
「フロリダ州マイアミ市を中心にフロリダでは物件価格が大きく下がる可能性が高い」
ということになります。
その次に高いのがラスベガスです。
ラスベガスは観光で成り立っている街ですから、このことは想像に難くありません。
今もラスベガスではおよそ3人に1人が失業中ですから、この割合がそのまま債務不履行の増加率につながっていることが分かります。
そして3位につけているのはフロリダ州オーランド市。
ご存知のとおり、ここにはディズニーワールドがあります。
もともと沼地だらけでワニしかいなかったこのオーランドの地域をウォルト・ディズニーがヘリコプターから眺め、
「ここに東のディズニーランドをつくる」
と構想して開発された地域です。
ここもディズニーワールドを中心とする観光業で成り立っていますから、今回のコロナウイルスによる観光業の急ブレーキは地元で働く人々の収入を直撃し、債務不履行の増加率が急激に高まっていることになります。
。。。
そんな中、今の時点で目をつけておいてもよいのは
6位:Houston, TX(テキサス州ヒューストン市)
9位:Riverside, CA(カリフォルニア州リバーサイド市)
この2つの都市ではないかと思います。
ヒューストンは近年こそ成長が鈍化してきていますが、何よりも生活費が安い理由で引っ越してくる人々は多くいます。
今夏は家賃が反対に下がっていますが、このことはむしろ今後は呼び水にすらなると思います。
- これから物件価格が下がる可能性
- 今夏の家賃は下がっている
これだけを見ると「ヒューストンは先が暗い」と勘違いしてしまいそうですが、ここは
「悲観で買う、楽観で売る」
という株の売買ルールと同じです。
生活費の安いヒューストンの長期的な安定成長を前提とすると、本当に物件価格が下がってくるのならその時は参入のチャンスということになります。
洪水統計をよく見てハリケーンの影響が少ないスポットを選ぶべきですが、ここからは注目市場の一つと言えそうです。
そしてカリフォルニア州リバーサイド市はロサンゼル郊外で
「ロサンゼルス近郊のベッドタウンの一つ」
と言われています。
パンデミック以前はこのリバーサイド市からロサンゼル市や海岸沿いのニューポートビーチ市に通勤する人々が数多くいました。
今後はテレワークが進む中でこの通勤事情も変化するとは思いますが、キャピタルゲイン市場のカリフォルニア州にあって、リバーサイド市は数少ないチャンスが現れる地域の一つとなるかもしれません。
明日は、債務不履行増加率が最も低い市場のボトム10をみていきましょう。
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