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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
「Mortgage Forbearance(モーゲージ・フォーベアランス)の期限切れと共に物件在庫数は上昇し、供給が増えて不動産価格は下落の方向へ」
と考えている佐藤に対し、あえて
「いや、アメリカ不動産価格は来年も再来年も上昇し続けるよ」
そんな真っ向から反対する意見の側に立ってお伝えしています。
「価値は需要と供給の力関係で左右される」
この力学は不動産市場においても全く同じことが言えるのは、過去の実績が証明しているとおりです。
アメリカ不動産は近年慢性的な物件在庫不足に陥り、この住宅不足の傾向は今後も末長く続いていきます。
「2030年まで新たに430万戸が建設されなければ、深刻な住宅不足に陥る」
との統計上の予想が出されていますが、まず達成は無理でしょう。
それは
「アメリカ合衆国の強い賃貸ニーズは末永く続く」
ことを暗示しており、アメリカは不動産投資の土俵としては大きな安心感があります。
そこで相対的には物件価格上昇の気運は避けられないものの、その長期的な過程においては定期的に大きな価格の下落を経験するはずなのです。
そこで前回の大きな下落は厳密には2007年から始まり、2008年から一気に加速、2012年に底を打つまで不動産価格は下落が続きました。
今回の場合、2008年以来の大きな下げが始まるのは
「Mortgage Forbearance(モーゲージ・フォーベアランス)の期限が切れた時」
と個人的に予想しています。
それが如実に目に見えて分かるには1年くらいかかるでしょうし、前回のようにその後も4年間は価格が下がり続ける可能性も考えられます。
けれどもその予想に反して価格は下がらないとすれば、その要因は昨日までにお伝えした
「(本来は問題なくモーゲージローンを支払えるはずの)なんちゃってフォーベアランス組み」
がどれくらい隠れているかによると思います。
けれどもフォーベアランス加入者のお財布事情を一人ひとり調べることは不可能ですし、
「いえ、こうこう理由で経済的に危機なのです」
とはいくらでも理由がつけられます。
そうすると、実際のなんちゃって組みの数は正確には出てきません。
2020年8月の時点での
モーゲージローン保有者数:53,501,232件
30日間未払い ...848,226件
60日間未払い ...465,450件
90日間以上未払い ...2,365,789件
という数字の中でなんちゃって組が相当数いる場合、これらの人々はモーゲージ・フォーベアランスが期限切れとなる時にはそれまでの累積額を支払うはずですから、物件が差し押さえられることにはならず、物件在庫数もそれほど増えないことになります。
かつもう少し言えば、モーゲージ・フォーベアランスの期限切れ後にも各金融機関は
「累積額の分割支払」
に応じてくれるはずなのです。
その前提は
「累積額を一度に支払うのは不可能でしょうから、債務不履行が確定しても困りますし、分割でいいでしょう。」
という、本当に困っている人々(法人)への救済措置です。
ここまでのエグジットを考えてなんちゃって組みに入っている人々(法人)は結構なレベルのプロだと思いますが(笑)、すなわちモーゲージ・フォーベアランスプログラムを使って
- 合計で数万ドル単位のキャッシュを手元におく
- 必要に応じてそのキャッシュを他のことに用立て
- 期限切れとなったら分割支払いを希望
という、まさに賃貸物件の減価償却、或いは1031 Exchangeで実現できる税金繰延と似たような効果が期待できるのです。
やろうと思えばここまで出来てしまうのが、現行のモーゲージ・フォーベアランスの実体ということになります。
本当は現在進行系で起こっている出来事のカラクリはリアルタイムでここには書かない方が良いのかもしれませんが、あくまで参考情報までに。。
もっと深刻な問題が隠れている
かくして、佐藤の予想が外れて
「いや、アメリカ不動産価格は来年も再来年も上昇し続けるよ」
こちらの主張が実現するとしたら、なんちゃって組みがどれだけいるのかにかかっているかと思います。
そこで私(佐藤)は現在のバブル感を1〜10の範囲でいえば
「バブルレベル3」
としています。
本年のコロナウイルス騒ぎを発端にFRBが実質ゼロ金利政策を打ち出して以降、不動産金融も追随してモーゲージ金利がどんどん下がってきました。
ちなみに、アメリカでは不動産投資投資家の間で言われる
「1% = 10%」
という言葉があります。
これは
「モーゲージ金利が1%下がると物件価格は10%上昇する」
あるいは
「モーゲージ金利が1%上がると物件価格は10%下落する」
という、モーゲージ金利と物件価格の関係を表現する言葉です。
概ねこの尺度はそれなりに実情を反映していると思いますし、実際にここ数ヶ月でモーゲージ金利が下がった結果、物件価格がぐんぐん上昇しています。
とはいえ、2008年のあの時を知る者としては今のバブル感はまだまだです。
アメリカ不動産金融市場、最も低いモーゲージ金利が実現された結果で価格が上昇していることは事実。
なんちゃってフォーベアランス組みの数は実は思ったほど少ないのであれば、価格上昇と供給増加の乖離は物件価格に反映されて不動産価格は下落してくるはずです。
そしてもう一つ、今のアメリカ不動産市場に垣間見える見逃せない事実が。
物件価格の行く先も懸念点であはりますが、ここで市場をもう少し細かく覗いてみると、実は今のアメリカ不動産市場には目に見えない問題の本質が深刻化しつつあるように思われます。
それは、今のアメリカ不動産事情が助長している「格差社会」の深刻化です。
明日に続けます。
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