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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
昨日はカリフォルニア市場の9月度の実績についてお伝えしました。
9月度もカリフォルニア市場全体として例年通りに推移し、物件価格としては昨年を上回る実績が確認されています。
水面下で起こる
200万人(軒)以上が90日間以上モーゲージローンの支払いを滞らせている
賃貸暮らしの30%の人々(世帯)が、家賃支払いが不安定になっている
このような状況をよそに、少なくとも9月度の時点では価格が下がる様子は見えません。
そしてロサンゼルス郡で確認された先月比10%の伸びは、富が益々富裕層に集中しつつある現実を反映しているように思われます。
けれどもこの実体経済との乖離はどこかの時点で調整されるはずです。
そして昨日はもう一点、数字だけ見ると驚愕してしまう2つの郡について触れました。
Mariposa County(マリポーサ郡)… 20.2%
Mono County(モノ郡)… 31.6%
これら2つの郡では先月比で現実のものとは思い難いレベルで価格が上昇しており、完全に異常値を示しています。
これらの郡では一体何が起こったのでしょうか?
この理由はピンとくる方もいらっしゃるかもしれませんが、この数字は明らかに今夏発生した記録史上最悪のカリフォルニア州の山火事が影響していると思われます。
このあたりの地域は見るも悲惨であり、続く山火事に対し相当数の州兵も投入されて支援が続いている地域です。
家そのものを失った人々も多く、結果として現場周辺の物件価格が異常に高騰しているのです。
そうすると、この地域市場では物件は価格がしばらく高止まりする可能性が高いかもしれません。
本日も続けます。
連鎖して起こり得る事態
ここ数年カリフォルニア州では毎年のように山火事が発生し、その被害は年々大型化しています。
今回はカリフォルニア州を始め北隣のオレゴン州でも大規模な山火事が発生し、一部のある街はさながら空襲を受けたかのように悲惨な状況です。
家を失った方々は本当にお気の毒であり、一日も早い現状回復を祈るばかりです。
このような大規模な被害にあった地域では、目先の問題として住の確保がかなり難しくなってきます。
多くの住居が失われた今、同地域周辺では少ない住居数に需要が殺到し、その流れで残った周辺地域の物件価格も高騰しているわけです。
そして今回の被害が不動産市場に及ぼす影響はまず十中八九、山火事に見舞われた地域のみにはとどまらないだろうと思います。
本来の不動産市場の低い流動性の時間に合わせるかのように、これらの郡のみならず周辺地域にも長期的に影響してくるはずです。
その理由は、住は人が生きていく上で必要な不可欠であり
多くの住が失われた ⇒ 一日も早い地域の現状回復が必要
の式で近年繰り返されるカリフォルニア州の激しい山火事で被害にあった他の地域と同様に、
- 被害が少なかった物件の修繕
- 新築の建設
この双方が同時に大量発注されることになるからです。
結果として物件修繕と新築の建設が急ピッチに必要となる中で、周辺地域の多くの現場職人達は同地域のプロジェクトに呼ばれることになります。
このことがきっかけとなり、ほぼ間違いなく発生するだろう出来事は主に2つ、
- 同地域以外での現場職人の慢性的な不足
- 資材の高騰
です。
このような状況になるとAクラスの職人は高額で雇われて被害に合った地域に向かう可能性が高くなり、それ以外の地域ではAクラスの職人は絶対数が少なくなります。
その結果、山火事被害がなかった地域市場のデベロッパーにとっては
⇒ これまでAクラスの職人に支払っていた価格をBクラスの職人に支払う
⇒ 資材も高騰する
という二重の負担が出てくる可能性が高くなります。
そうすると同地域以外での現場作業が遅延する可能性も高まり、この流れは周辺地域市場の物件価格高騰の原因にもなり得るのです。
一言でまとめれば、
「今夏の山火事が、カリフォルニア州の物件在庫不足と価格高騰を推し進める要因になり得る」
と言えます。
価格が下がらない理由にもなり得る
かくして、もしも上記のシナリオ通りになるのであればここから先が少し読めてきませんでしょうか。
最近の項で私(佐藤)は
「カリフォルニア市場はバブルレベル3の様相」
「モーゲージ・フォーベアランスの期限切れと共に在庫が増加」
「(2008年ほどではないだろうけれど)結果として価格が下がってくる可能性」
をお伝えしています。
この市場の動きに起因するのは、紛れもなく昨年の時点で予想不可能だったコロナウイルスです。
コロナウイルスが天災なのか人災なのかの議論は横におきますが、いずれにせよ価格を下げる要因はすでに数字として現れています。
例えるなら高速道路を走る車に徐々にブレーキをかけ、そこからブレーキを強く踏み込んでいくようなもの。
けれども9月度のカリフォルニア市場の実績が見せるのは、山火事がカリフォルニア不動産市場にもたらすだろう長期的な影響です。
こちらもまた天災なのか人災なのかの議論は横におきますが(山火事の一部はあるグループのパーティーが原因)、少なくとも山火事の結果がもたらすのは長期的な価格高騰の要因です。
するとこちらは高速道路を走る車のアクセルを徐々に踏み込み、そこから更にアクセルを強く踏み込んでいくようなもの。
まさに、今のカリフォルニア市場では
「車のアクセルとブレーキが同時に踏まれている」
ような状態です。
この振り子は最終的にどちらに振れていくのか、正確な予想は極めて難しくなってきたように思います。。
引き続き、年末に向けて市場を観察していきましょう。
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