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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
Stimulus Check(スティミュラス・チェック:景気刺激政策としての現金支給)
を巡ってアメリカ国会が揉めにもめています。
本項を書いている時点で、またもや
共和党
民主党
の双方で折り合いがつかずに、スティミュラス・チェックの決定が見送られたようです。
アメリカ市民の視点で状況を整理すると、今回のパンデミックの影響で失業者が一気に増加したことから多くの市民に対して早い段階で$1,200が支給されました。
このことは日本でも紹介されていましたのでご記憶の方も多いかと思いますが、その定義は
「2019年の調整後の総所得が$75,000以下」
の条件を満たす人々に
- 独身世帯:$1,200
- 夫婦世帯:$2,400
- 子供:17歳以下の子供1人に対し$500追加
の現金が支給される、というものです。
最初のスティミュラス・チェックは早々に出されたものの、2回目をどのようにするかの議論は長く続いており、両党で話し合いに決着がつかないまま11月3日の大統領選挙を迎えようとしています。
アメリカ不動産市場の観点で言えば、この2度目のスティミュラス・チェックが出されるか否かによって市場にも大きく影響が出てくることが予想されます。
賃貸市場の実情を言えば、純粋に賃貸物件に暮らす人々の中で
100 〜 150万世帯
が家賃の支払いが不安定になっており、人数にすると約400万人に昇る数です。
これらの人々が家賃を支払い続ける意味でもスティミュラス・チェックが必要とされていますが、2度目の実施にめどが立たない状況では家賃不履行が改善されない人々が多いのが現状です。
期限は大晦日
そして押さえたおきたいポイントは、
Eviction Moratorium(エヴィクション・モラトリアム)の期限が迫っている
という事実です。
エヴィクション・モラトリアムとは、賃貸物件においてオーナーによるテナントの強制退去を禁止する法律です。
コロナウイルスが拡大して以降、失業者が増えて賃貸支払いが危ぶまれる人々を鑑みてエヴィクション・モラトリアムは一番最初に2020年3月18日に公布されてから
2020年6月30日まで
(延長)↓
2020年8月31日まで
(延長)↓
2020年12月31日まで
と過去3度に渡り延長されてきた経緯があります。
この間、賃貸物件のオーナーはテナントが家賃支払いが出来ずとも強制退去の措置を取ることが出来ない状態が続いているのです。
厳密には、オーナーは今の時点でも家賃未納のテナントに対して通知を行うことは出来ます。
パンデミック前であれば、通常の強制退去までの流れは
1.テナントが家賃を支払わない
2.強制退去手続きの30日前までに書面でテナントに通知
3.通知を受けたテナントが状況を改善出来ない場合、オーナーは強制手続きの開始が可能
というものでした。
たった今の段階でもオーナーは家賃が支払えていないテナントに対して通知そのものは出来る一方で、
「通知は良いが、強制退去を実行してはならない」
という制限をかけるのがエヴィクション・モラトリアムです。
そして前述のように、たった今の
Eviction Moratorium(エヴィクション・モラトリアム)
の期限は本年の大晦日、
2020年12月31日
となっています。
すなわち、エヴィクション・モラトリアムに四度目の期限延長がなされない限りは
2021年1月1日
から、オーナーは強制退去を実行することが出来ることになります。
もちろん嬉々とテナントを強制退去させたいオーナーなど一人もいないでしょうし(テナントが甚だ迷惑行為を働かない限り)、願わくば家賃をきちんと支払ってもらい物件に長く暮らしてほしいものです。
けれどもオーナーも賃貸物件の運営はボランティアで行うわけにはいきませんから、どうしてもどこかの時点で踏ん切りをつけて強制退去の手続きを開始せねばならないことになります。
しかも現実には、今の時点で家賃が支払われない為にモーゲージローンの返済が苦しくなっているオーナーは数多くいるのです。
このことは物件差し押さえの危機にも直結してくる懸念事項となっています。
そうすると
「(今のところ)期限は大晦日」
となるわけですが、冒頭の2度目のスティミュラス・チェックに関する法案がまとまらない現状では、家賃を支払えていない人々はかなり不安な年末年始を過ごすことになりそうです。
可能性として150万もの世帯が強制退去となる場合、アメリカ不動産市場には相当なインパクトがもたらされることになります。
もう一つの鍵は金利
仮にこの150万世帯が強制退去となる場合、アメリカ不動産市場は一気に冷え込むことが予想されます。
これまでの滞納に加え、テナントを失うことでモーゲージローンが支払えなくなった物件オーナーは物件を手放すケースも増えるでしょうし、結果として差し押さえ物件が増加してくる可能性も。
そして賃貸市場jのみならず、先だってシリーズでお伝えしたモーゲージフォアべランスについてもその影響に懸念が残ります。
これら2つは
「オーナーがモーゲージローンを支払えなくなる」
という点は共通しており、需要に対して供給が大幅に増加する場合は物件価格がそれなりに下落してくる可能性もあるのです。
そしてここで、もう一つ重要な鍵を握るのはやはり「金利」です。
現在のアメリカ経済は実質ゼロ金利政策の中にあって半ば無理やり経済が維持させられています。
一面、不動産市場に至ってはアメリカ不動産金融史上最も低い低金利の恩恵に預かり活況に見え、その結果がもたらしている不動産価格の全体的な上昇は
「エクイティの増加」
を意味しています。
その為に融資元から見ると物件価値が高まっていることでクッションが大きくなっていますから、多少の価格下落は吸収してくれる期待も出来ると思います。
ただし、ここで注視しておきたいのは金利の動きです。
今のまま低金利が維持されていけばさほど大きな混乱はないと思いますが、反対に金利が上がり始めた場合はかなりキツイ状況に追い込まれることになると思います。
この点は先日もお伝えした
1% = 10% ルール
で物件価格はほぼ間違いなく下がり始めるはずですし、それはエクイティが失われることを意味し、その分だけ債務不履行の確率は高まってくるのです。
さらにインフレ上昇は追い打ちをかけ、そこに
- 賃貸物件からの強制退去停止の期限切れ
- モーゲージファーベランスの期限切れ
これらがそれぞれ津波となり押し寄せてくることが予想されます。
かくして、あらゆるパターンの中でも年明けに最悪のシナリオが発動されるのは
「金利が上昇した場合」
であることは、頭に入れておきましょう。
。。。
何はともあれ、2021年のアメリカ不動産市場はその歴史の中でも大きな転換点になることはほぼ間違いないと思います。
言い換えると、
「不動産投資家にとってはビッグチャンスが到来する可能性が高い」
ということです。
「アメリカ不動産市場に住を提供して経済再開に貢献」
そんな大義名分も手伝って、世界中の投資家がアメリカ不動産にも押し寄せてくるかもしれません。
アメリカ不動産市場一つを見ても実に様々な力学が働いていることが分かりますが、私たちは慎重に確実に、参入のタイミングを見計らっていきましょう。
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