昨年以来、米ドルで資産運用を志す方々からのコンサルティング依頼が急増しています。
弊社ではアメリカ不動産コンサルティングに加え、州規制当局に登録されるRegistered Investment Advisor (RIA)としてアメリカ国内での資産運用全般のコンサルティングも提供しており、内容は不動産投資以外となりますが、初心者の方々からのご質問を総括する意図で株や債券に関するまとめ記事を1月7日から期間限定であげさせて頂きます。
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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
アイダホ州ボイシ市場についてお伝えしています。
不動産投資を検証する上では後にも先にも
「市場の健全性」
これが最も大切です。
ここでいう健全性とは不動産に対する需要のことであり、いつもお伝えする需要の三大要素
- 人口
- 人口動態
- 賃金・雇用機会
の全てにおいて将来が高いことを指します。
アイダホ州ボイシという土地柄を一言でいえば
「古き良きアメリカが今もここに」
という表現がそれなりに合うかもしれません。
- 治安の良さ
- 生活費の安さ
- 自然に囲まれた環境
- 暮らしやすい気候
それでいて
- 若者が企業しやすい街
- アイダホ州内からも人が集まる憧れの街
という要素は、末永く人口が増加していくだろう明るい将来を明示しています。
そこで不動産需要の二番目の要素として、ボイシにおける人口動態の実情はどのようになっているのでしょうか。
人口動態を俯瞰すると
「人口の伸びはいつまで続きそうなのか」
「街の成長はどの世代に支えられているのか」
そんな街の将来を占う、ベクトルの指す方向が見えてきます。
今回もいつも通り、DATA USAを使ってみていきましょう。
本日も続けます。
ボイシの人口動態
まずは年齢別の人口グラフを見ていきましょう。
(下記のグラフが一発で表示されない場合、ブラウザーをリロードしてみてください)
上記にはそれぞれの年齢層で緑と紫の棒グラフが見えますが、
緑 … ネイティブアメリカ人(非移民系)
紫 … 移民系
です。
2013年から2018年のグラフとなりますが、平均年齢は
ネイティブアメリカ人 … 36歳
移民 … 43歳
となっています。
このあたり、ネイティブよりも移民系の方が年齢層が高くなるのは概ねアメリカ国内ではどの都市でも同じ傾向があります。
そして注目するべきは、ネイティブアメリカ人の中心になっている年齢層です。
平均年齢は36歳ですが、2013年から2018年まで一貫して最も多い年齢層は
「5歳 ~ 17歳」
と若者であることが分かります。
5年間の統計ですから2013年から2018年までの期間にこの層がすっぽり入っていることは間違いありませんが、それでも人口動態の年齢はそのまま上に上昇していくことになりますから、この未成年層が近い将来のボイシを支えることを考えると
「ボイシの経済は若い労働力で上向きに進む可能性が高い」
ということが分かります。
数日前に
「ボイシは90年代初頭から急激に成長し始めた」
とお伝えしましたが、その時の中心は上のグラフでいえば
45歳 ~54歳
の年齢層だったはずです。
そして上のグラフでは見事に、そこから下の年齢層に進むにつれて人口が増える傾向が続いていたことが分かります。
たった今、このボイシ市ではベビーブームの恩恵を受け続けているわけです。
ただし、少し気になるのは
0歳 ~ 5歳
の年齢層が6.04%と全体の中でも低い割合になっていることです。
この年齢層の傾向を追うと、2013年から2018年の間にジリジリと減少してきていることが分かります。
つまりこの年齢層が成人する15年後あたりから、ボイシの高齢化が顕著になり始めることが予想されます。
今後の移住者の年齢層とその活動により変化が起こることも考えられますが、今のところ15年後に予想される傾向は変わらないかもしれません。
人種別人口動態
そこで今度は人種別の割合をみていきましょう。
この通り、ボイシでは見事に人口のほとんどが白人層のようです。
こちらも同じく統計期間は2013年から2018年までの間ですが、同期間に全体の人口に白人層が占める割合は常に8割を超えています。
その次にくるのは白人系ヒスパニックですが、割合としては
2013年 … 9.98%
だったものが、5年後には
2018年 … 7.57%
と、少しずつ減っていることが分かります。
アジア系に至っては人口の2.5%を越えたことがなく、日本人も含むアジア系はボイシではかなりのマイノリティであることが分かります。
けれどもそれ以上に興味深いのは、ボイシ人口の中で黒人系はなんとアジア系よりも少なく、過去5年間に全体の1%を上回ったことがないことが分かります。
結果としてボイシは外を出歩くと周囲はほぼ白人であり、白人の街だと言えそうです。
。。。
総括すると、不動産市場としてのボイシは労働力の意味でもここから先も展望が明るいことがはっきりと分かります。
ここまでの都市づくりの成果として見事に若い世代からシニア世代までをバランスよく取り込んできましたが、これからいよいよ中心となるミレニアル世代の活躍により、ボイシの発展はさらに飛躍しそうです。
注意事項としておくべきは今から15年間、
0歳 ~ 5歳
の年齢層がどのように変化していくかでしょうか。
もしも今の傾向とは正反対に一気に伸びてくるようであれば、いよいよボイシはここから30年以上に渡り安泰である可能性が高くなります。
けれどもこのまま減少傾向が続くようであれば、30年後からはそれなりに高齢化に向かっているはずです。
もっぱらシニアタウンとしての要素もすでに出来ていますから、不動産投資の要である賃貸需要については末永く続くことは間違いありません。
そこで最後にボイシの賃金・雇用機会についてみていきましょう。
賃金や雇用機会がしっかりとしているようであれば、ボイシの市場としての土台はかなり盤石であることが証明されるはずです。
明日に続けます。
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