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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
アイダホ州ボイシ市場についてお伝えしています。
市場を不動産投資の対象として検証する際は需要の三大要素となる
- 人口
- 人口動態
- 賃金・雇用機会
を観察することが大切です。
それら全てが上向きかつ伸び率が高いほど、不動産需要も安泰となる道理があります。
昨日までに見てきた
- 人口
- 人口動態
を見る限り、ボイシの将来は非常に明かるいことが分かります。
そして需要の三大要素の最後として、
賃金・雇用機会
も欠かすことは出来ません。
「雇用機会があるから人口が増える」
「人口が増えるから経済が回る」
「経済が回るから賃金も安定する」
という具体に現実社会ではこれら三つは密接な関係があり、何よりも賃金の一部は
- モーゲージ支払い
- 家賃支払い
等に回るからこそ、不動産市場が活発であり続けられることになります。
そこでアイダホ州はもともと農村色が強い州ですが、ボイシの場合はどのような雇用機会があるのでしょうか。
また、給与所得は米国と比べてどれくらいあるのでしょうか。
ここまでにお伝えしたとおり、ボイシに州内外から流入が続く理由は何といっても生活費の安さです。
裏を返せば、ボイシの平均給与はそれほど高くないことも予想されます。
このあたりの
「平均収入」
「雇用環境」
について、データを見ながらその概要を捉えていきましょう。
本日も続けます。
ボイシの賃金
まずはボイシで働く人々の所得についてデータを見ていきましょう。
期間は昨日の人口動態と同じ、
2013年 ~ 2018年
の範囲です。
上のグラフではオレンジの線がボイシで、その上下に比較対象の他州の都市、全米平均、そして同州の他地域が並べられています。
2018年の時点でボイシの年間平均所得は$61,407でした。
当時の全米平均は$61,973で、全米平均よりも
$566($61,973 - $61,407)
低いことになります。
比較対象を見るとさすがにワシントン州の年間平均所得が大きく上回っています。
その一方でボイシのグラフの下にあるのはアイダホ州を始めとする他の都市の平均所得であり、ボイシそのものは同州の中で最も平均給与所得金額が高いことは間違いありません。
同時にボイシの所得平均はキャッシュフロー型のアメリカ不動産市場としてよくご紹介する、アメリカ南西部の各都市よりは平均が高いことが分かります。
一般的に、
「家賃の上限は給与所得の三分の一を上限に」
言われますから、ボイシでは
$20,469($61,407 / 3)
となり、平均家賃は$2,000以下という考えが一つのベンチマークとなりそうです。
もう一つ、賃金に関して注目しておきたいのはその伸び率です。
上記グラフは2013年から2018年の変化がよく分かりますが、年間平均給与所得は
2013年 … $55,324
から
2018年 … $61,973
へと、過去5年間で11%の上昇となっています。
この上昇が高いのか低いのかといえば、年間の上昇率としては3%未満ですから決して高いとはいえません。
そうすると、気になるのは物件価格の上昇率との乖離です。
zillow.comの統計では物件価格は
2013年 … $179,000
2014年 … $203,000
2015年 … $206,000
2016年 … $220,000
2017年 … $238,000
2018年 … $266,000
(各年1月の数字)
と推移しています。
2013年と2018年の差は$87,000となり、48%も上昇しています。
明らかに給与所得の上昇と物件価格上昇の差が大きく、不動産価格の過熱ぶりが目立ちます。
ということはボイシの持ち家比率が伸びるシナリオは描きにくく、賃貸需要そのものは安定することが予想されます。
ボイシの雇用機会
そこで最後にボイシの雇用機会についてみていきましょう。
ここ数日お伝えしている通り、ボイシの人口増加は全年齢層を取り込む環境にあります。
同時に産業としてはミレニアル世代が起業しやすい環境が整っているとのこと。
ボイシに根付く産業分布しては
このように
セールス系 12.4%
オフィス系 11.4%
マネジメント系 10.5%
の順番のようです。
農業系は1.73%にとどまっており、やはりボイシ市はアイダホ州内からも人が集まるだけありオフィス系の仕事が中心となっていることが分かります。
そこでボイシ市で多くの雇用を生み出している企業としては実際にどんな会社があるのでしょうか。
ボイシの最大雇用主トップ10を並べてみると、
1位 Albertsons, Inc(アルバートソン:小売業)
2位 Blue Cross of Idaho(アイダホブルークロス:健康保険)
3位 Treasure Valley YMCA(トレジャーバレーYMCA:非政府系活動団体)
4位 Fred Meyer(フレッドメイヤー:小売業)
5位 Hewlett-Packard(ヒューレットパッカード:コンピュータ)
6位 Winco Foods(ウィンコフーズ:小売業)
7位 IDACORP Inc(アイダホコープ:電力)
8位 Wells Fargo(ウェルスファーゴ:銀行)
9位 Idaho Power Co(アイダホパワー:電力)
10位 Boise Cascade(ボイシカスケード:林業)
(2019年3月時点)
となっています。
ミレニアル世代の動きが活発と聞くとIT系の会社を連想してしまいますが、実際にはボイシでトップ10に入る雇用主の中でIT関連はヒューレットパッカードのみのようです。
それ以外は小売業や電力等、ライフラインに必須の産業が最大の雇用主となっていることが分かります。このあたりの傾向は概ねアメリカ中西部とも同様と言えそうです。
。。。
かくして、ボイシの賃金・雇用機会については可もなく不可もなくという印象があります。
最大雇用主のグループが地元に根付いている意味では安心感がありますが、とはいえ90年代から経済が急成長してはいるものの、良くも悪くも派手に大企業が外から入っているという印象はさほどなさそうです。
少なくとも雇用環境が安定しているという点では安心感があるように思います。
明日に続けます。
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