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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
アメリカ経済の視点から不動産市場の健全性を検証しています。
数字を見る限り、今のアメリカ不動産市場もまた株式市場と同じく
「フェイクマーケット」
であり、
「アメリカ経済全体で資産バブルが起こり始めている」
と見えほぼ間違いないと思います。
数字で見る経済の好調ぶりと実体経済との差は滑稽なほどに格差があり、この傾向は今後もしばらく続くことになりそうです。
たった今のアメリカ不動産市場に関する佐藤個人の意見を述べれば
「口座にある現金をハコモノ(不動産)に転換する考えは間違っていない」
「可能なら固定金利で借り入れ、借金をしっかりとコントロールするのがよい」
けれども
「市場は土台がホンモノの市場のみに絞った方がよい」
と考えています。
今の時期に購入することは決して間違いではなく、むしろ固定金利でローンを組める方々はなおさら積極的に検討するべきです。
ただし選ぶ市場は「健全かつ土台が強固な市場」でなくてはなりませんし、FED(連邦準備制度)から注射を打たれようが打たれまいが
「いや、連邦政府からの余計な手助けはいりませんよ」
とばかりに自己免疫力が衰えない(衰えようがない)市場にして絞っておく必要があります。
そこでアメリカ経済の背景を踏まえた時に、ここから先に考えられるシナリオを検証してみましょう。
影の供給を捉える
モノの価格が需要と供給の関係で決められるように、不動産価格もまた需要と供給の関係で決まることになります。
そこで現在の不動産市場では以前と変わらず
需要 > 供給
この関係が強いままで価格が上昇を続けています。
ところが、ここから少し先になると需要と供給のバランスには変化が起こるだろう因数がはっきりと見えています。
それらは
①「今は発動していないけれども、需要が高まると分かりきっている因数」
②「今は発動していないけれども、供給が増えると分かりきっている因数」
であり、これらをそれぞれ
① 影の需要(Shadow Demand)
② 影の供給(Shadow Supply)
と呼びます。
「需要と供給」という言葉から上記の順番に書きましたが、現実には起こる順番は時間軸で
②が最初に表に出てくる ⇛ ①と②が同時に起こる ⇛ ①が強まる
となるように思います(佐藤個人の見解です)。
そこで予想される順番に沿って②の影の供給から考えてみますが、影の供給の因数とは
「近い将来、市場に出てくる物件の数が増えるだろう要素」
のことで、たった今見えている影の供給の素因数には
- Mortgage Forbearance(モーゲージ・フォーベアランス)
- Migration(マイグレーション)
があります。
それぞれを見ていきましょう。
Mortgage Forbearance(モーゲージ・フォーベアランス)
モーゲージ・フォーベアランスについては当ブログでも何度か取り上げていますが、現在はケアーズ法の下に政府保証のローンを中心に
「モーゲージローンの返済が滞ったとしても、それが今回のパンデミックが理由であるのならば物件の差し押さえを実行してはならない」
「債務不履行者が再び支払いが出来るようになっても、遅延等に対するペナルティを課してはならない」
と定められています。
けれども債務者は返済ができないのであれば支払いを滞らせることは出来ますが、過去の未払いが帳消しになるわけではありませんから累積額はいつか支払う必要があります。
そこで統計上はどれくらいの人々が深刻な状況にあるのかといえば、こちら以前もご紹介したBlack Knightを見れば一発で分かります。
現状、90日間以上の不履行で「シリアス(危険)レベル」にあるモーゲージ件数は昨月12月の時点で3,429,000件あるとのこと。
すなわちモーゲージ・フォーベアランスの効果により表にこそ出てきていないものの、この影に隠れている数字は紛れもなく現実のものです。
もしもこれらの債務不履行件数の全てがモーゲージ・フォーベアランスの失効と共に市場に出てくるのであれば、単純に物件の供給数が3,429,000件も増えることになります。
これは途方もない数ですし、これが起こるとほぼ確実に供給過多の方向に振り子はふれるのです。
このようにそこにあるけれども影に潜んでいる供給要因こそが「影の供給」であり、モーゲージ・フォーベアランスについては過去に2回、延長がなされています。
個人の予想としてはバイデン政権下では恐らくモーゲージ・フォーベアランスは必要なだけ延長が繰り返されるように思いますが、いずれにせよこのツケは「いつか」の時点で「誰か」が払わねばならないのです。
最終的にそれが
債務者本人か
融資元か
不動産担保債権をもつ投資家か
連邦政府か
の誰になるかは分かりませんが、連邦政府以外は誰もが引き受けたくはないババをグルグル回している現状をいつまでも続けることは出来ません。
バイデン新政権下において
⇒ モーゲージ・フォーベアランスの失効を決断するのが先か
⇒ 誰かが耐え切れずに膝を地につけるか
この二つに一つが確実に起こり、供給量の増加と共に住宅価格は下がり始めることになります。
理論上は最も軟着陸させる為には
「ゼロ金利政策の間にモーゲージ・フォーベアランスを失効とすること」
が最善だと思いますが、一番最悪のケースは
「金利が上がり始めた後でモーゲージ・フォーベアランスの底が抜ける」
というパターンです。
そこで影の供給の現場ではどのような状況が起こっているのでしょうか。
不動産市場の現場から、より生々しい視点で影の供給を掘り下げてみましょう。
明日に続けます。
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