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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
今のアメリカ市場に見える「影の供給」の反対、「影の需要」についてお伝えしています。
当ブログを通してお問い合わせを頂く内容のほとんどが
「アメリカ国内の○○で不動産投資を実行したい」
「英語面と不動産知識の両方で契約をサポート頂きたい」
というものです。
けれども昨年から、それまでになかった種類のお問い合わせを頂き始めています。
その問い合わせ内容とは
「物件価格が下がる可能性はありますよね?」
「自分が暮らす住居用の物件を探したいのです。」
という、ご自身の住居用物件をお求めになる方々からの問い合せです。
この手のお問い合わせを各地から頂くようになり、私(佐藤)がライセンスを有しない州に関しては現地のパートナーに依頼することになりますが
「英語はある程度できますが、不動産契約は始めてなので段取りを支援して頂きたい」
というご希望から、間に入って取引を支援しています。
南カリフォルニアの場合は仲介に入れますので地元のリアルター用のMLSにお一人おひとりのご要望に応じたカスタマイズリサーチをセットしてあり、射程圏に入った物件が市場に出てきたら(あるいは出てくると先に分かった時に)
「○○様ご検討用物件」
という件名のお知らせが手元に自動で届けられるように仕込んでいます。
そこでここで注目しておきたいのは
「目先の値下がりを見据えて住居用物件を求める方々からのお問い合わせが増えている」
という点です。
この点は正に、昨日からお伝えしている「影の需要」に通ずるものがあります。
「今は発動していないけれども、需要が高まると分かりきっている因数」
これを影の需要と呼んでおり、昨日お伝えしたように歴史的な低金利を背景に
「この低金利ならいける」
「価格が○○まで下がってきたら買いに動く」
そう考える方々がアメリカ国内で増えているのです。
この点はデータのみならず、前述のように実際に頂戴するお問い合わせからもよく分かります。
そしてこのような一般的な需要増に加えて、もう一つ決定的な影の需要が存在しています。
ミレニアル世代が動く
ウィキペディアによると
1980年代 ~ 2000年初期
の間に生まれた世代が「ミレニアル世代」もしくは「ジェネレーションY」と定義されています。
この世代はたった今の時代において各国で経済の原動力となっている世代です。
日本からは「ゆとり世代」あるいは「さとり世代」という言葉をよく耳にしますが、アメリカではこのミレニアル世代という言葉をそれなりに耳にします。
この世代の特徴はここでは割愛しますが、実は本シリーズで語る影の需要にはこのミレニアル世代も大きなカギを握っているのです。
少し背景をいえば、このミレニアル世代は一昔以前の世代と比較すると
「恵まれた条件」
も多々ある中で、
「不利な条件」
も多々ある世代です。
そして昔の世代とミレニアル世代を比較した時に、アメリカの中で見受けられる現象に
「独立する概念が小さくなっている」
というものがあります。ここでいう独立とはもっぱら経済的独立のことですが、具体的には
「社会人になっても両親と暮らす者が多い」
という傾向があるのです。
ここで興味深い統計がありますのでグラフを見てみましょう。
これは何の統計かといえば、
「アメリカの19歳~29歳の年齢層の中で、両親と暮らしている人々の割合」
を示しています。
統計は1900年からの10年毎の推移です。
これを見ると世界大恐慌後に48%まで上昇し、ほぼ2人に1人の割合で同世代が両親と暮らしていた時代があり、大恐慌の最中ではとても経済的に独立できる状況ではなかったことがよく分かります。
それが第二次世界大戦が終わったあたりから一気に割合が下がり、1960年代には29%にまで下がっています。
「成人したら独立して家を出るものだ」
アメリカでこのような認識は60年代までに出来上がっていたようです。
そして70年代から徐々に両親と同居の割合が増え始め、近年は2000年代を過ぎたあたりで一気にその割合が高くなってきていたことが分かります。
この近年の上昇理由は
「文明の近代化と引き換えに独立する精神が失われてきたから」
という見方もあるかもしれませんが、それ以上に直結する理由は
でも軽く触れた、学生ローン負債の返済に大きな要因があります。
すなわち気持ちとしては経済的に独立したいものの、今の世代は社会に出る以前にStudent loan (学生ローン)のせいで大きく出鼻をくじかれてしまうのです。
この学生ローンについてはアメリカでは深刻な社会問題にもなっており、日本でも似たような状況になりつつあるかと思います。
これが理由で特に2000年代に入ってからは成人しても両親と暮らす(暮らさざるを得ない)人々が増えているのです。
そして上のグラフのとおり最も注目するべきは昨年の
2020年2月 … 47%
2020年7月 … 52%
この2つの推移になります。
紛れもなく昨年のコロナウイルスによる影響で
「両親の元を離れて独立して暮らしていたけれども、一時実家に避難せざるを得ない」
というミレニアル世代が昨年を通して一気に増えたのです。
上記の統計で最新のものは昨年7月ですから、本日の2021年2月の段階では52%以上になっている可能性が高いのではないでしょうか。
つまり現在はミレニアル世代と定義される19歳~29歳の年齢層が
「世界大恐慌の時を超える割合で両親と共に暮らしている」
という状況であり、その数は2020年7月の時点でなんと2,660万人発表されています。
2020年2月から7月の5か月間だけで見ると「5か月間で一時避難組みが260万人増えた」計算です。
実情はどうかといえば、このミレニアル世代は佐藤の周りにも数多くいますが彼らと話す中では
「いつまでも両親と暮らしたい」
と考えている成人者は一人もいません。
間違いなく彼らのほとんどは機会があれば独立して家を持ちたいと考えており、コロナウイルスが収束して体制が整った後に多くのミレニアル世代は外に戻りたがっているのです。
かくして、
「今まで家が購入出来なかったけれども、自分にも機会がくるかもしれない(手頃な値段になったら即動きたい)」
「今は実家に引っ込んでいるけれども、コロナウイルス収束したら外に出たい(手頃な値段であれば住居を購入したい)」
そんな風に考えている「影の需要」は確実に存在しています。
明日に続けます。
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