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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
変数のコントロールの話から、今のアメリカ不動産市場のみならず世界各国の不動産市場でコントロールするべき因数として
Deliquency(ディリンクェンシー:債務不履行)
についてお伝えしています。
このあたりはシステムエンジニアの思考になりがちですが、事象を捉えて問題解決を図る時には
- 素因数レベルにまでバラバラにする
- 各素因数の性格とベクトルを検証する
- 目的に沿うように組み直す
そんな工程が有効に働きます。
このやり方はもともと戦略系コンサルティング会社のマッキンゼー・アンド・カンパニーで開発されたMECE(Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive:漏れなく重複もない)という概念に端を発していますが、今ではシステムエンジニア系の人々を始めマーケティングの世界でも常用されている概念です。
この概念は不動産投資(事業)にも十分に通用しますし、自分の資金を有効活用する上で最善の成果を上げる為には必須の過程と言えるかもしれません。
とはいえ、不動産事業の場合は原子炉設計のような複雑怪奇な数式を必要とするものではなく鶴亀算が出来れば十分です。
そこで今の時期に最もコントロールしておきたいDeliquency(ディリンクェンシー:債務不履行)の見方を
テキサス州オースティン市場
を例にみていきましょう。
素因数を取りに行く
「漏れなく重複もない」というレベルの素因数を取りにいこうとする場合、Deliquency(ディリンクェンシー:債務不履行)を捉えるには大元のデータを
County(郡)のデータベース
から取ってくる必要があります。
アメリカの場合、不動産物件の詳細を記録する部署はCity(市)ではなくCounty(郡)にあるからです。
そこでテキサス州オースティン市の場合はその大元締めのCounty(郡)である
Travis County(トラヴィス郡)
のデータベースを覗く必要があります。
昨日お伝えしたような
マクロ視点のDeliquency(ディリンクェンシー)… 全米・州
ミクロ視点のDeliquency(ディリンクェンシー) … 郡・市・ジップコード(郵便番号)
という二つの切り口で見ていくだけならモーゲージに関するデータリソース会社
のデータから俯瞰するので十分です。
けれども素因数レベルまで調べるには、そのデータの大元が格納されているCounty(郡)のデータベースまで覗かないと分かりません。
そこで変数としてのDeliquency(ディリンクェンシー)をコントロールする為には、その地域市場の
① 全ての物件数
② 健全な物件数
③ 債務不履行状態にある物件数
を網羅して、かつ「③」については
「累積でどれくらいの金額を滞納しているのか」
まで素因数分解していく必要があります。
滞納している理由については流石に分かりませんので取れる素因数はここが大底の限界です。
この最後の部分は
「どれくらいの期間滞納しているのか」
でもいいかもしれませんが、実際のモーゲージホルダー(現物件所有者)の目線では期間というよりも
「自分はこの累積したモーゲージ総額を返済できるのか?」
という視点の方がより的を得ていますから、累積額の方がより的確なリスクコントロールの分母に近づけるものです。
ここから、順を追ってみていきましょう。
実際のデータを覗いてみる
そこでオースティン市場をDeliquency(ディリンクェンシー)の観点からバラバラにするにあたり、
Travis County(トラヴィス郡)データベース
の中に入りこんで
- 全物件情報
- 債務不履行状態にある物件情報
の二種類をデータを引っ張ってきて
このようなオースティン市場の全ての物件情報が手に入りました。
A1の「PARCEL(パーセル)」は物件毎に割り当てられた固有の番号であり、Deed(ディード:不動産権を証明する公的文書)にも記載されています。
データベースの中ではこのPARCEL(パーセル)がKEY(キー:固有データ判別のソース)として使われているようです。
そしてS列を見ると
「SPTC」と書かれておりここにアルファベットと番号があります。
これは何かといえば、
State Property Type Codes (SPTC:州物件タイプコード)
と呼ばれる、 物件の種類別にその区分をコードで定めたものです。
テキサス州の区分コードは下記のとおり。
今回素因数分解を進めたいのは「住居物件」ですので、
A + 数字
B + 数字
というAもしくはBから始まるSPTCを持つデータのみに絞り、これにより
シングルファミリー(Single Family:1世帯)
デュープレックス(Duplexes:2世帯)
トリプレックス(Triplex:3世帯)
フォープレックス(Fourplexes:4世帯)
の住居物件を網羅することになります。
厳密にはフォープレックス以上でもアパート物件は住居になりますが、4世帯以上になってくると商業物件のカテゴリーとなりますので、今回は住居物件区分であるフォープレックスまでに留めておきます。
そこで住居物件区分のみに絞ってみると、
このとおり、オースティン市場には物件が
住居物件総数(フォープレックス物件まで):346,827件
あることが分かりました。
ここから更にメスを入れていきましょう。
明日に続けます。
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