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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
アメリカ不動産市場において今最も注視しておきたい
Deliquency(ディリンクェンシー:債務不履行)
について、テキサス州オースティン市場を例にお伝えしています。
ここから先、債務不履行者に対して物件差し押さえを禁ずる
Mortgage Forbearance(モーゲージ・フォーベアランス)
の期限が失効し始める中で、現状のままでは失効直後から差し押さえ件数が増えることになります。
ただし最新情報としてこの2月にモーゲージ・フォーベアランスは
「12ヵ月間から15か月間に延長」
が決定しました。
この3月から差し押さえ物件が次々と市場に出てくる可能性があったものが、6月まで延長された形です。
統計上は90日間以上の滞納期間にあるモーゲージを
Serious Deliquency(シリアス・ディリンクェンシー)
と定めていますが、実際はこのシリアス・ディリンクェンシーの数は少しずつ減少し続けています。
その意味では3ヵ月延長されたことで6月までにはさらにシリアス・ディリンクェンシーの数は減少するとは思いますが、その後の供給数を推し量る為にもシリアス・ディリンクェンシー数は引き続き注視する必要があります。
実際のところ、先日お伝えしたように家賃を滞納するテナントの強制退去を禁ずる
Eviction Moratorium(エヴィクション・モラトリアム)
の方も連邦政府が延長し、かつカリフォルニア州においては州政府が家賃の8割を肩代わりをする方針であることをお伝えしました(テナントの所得条件があります)。
最近の項でもアメリカ不動産市場で物件価格が下がり始める要因として
- 金利が上昇し始める時
- Eviction Moratorium(エヴィクション・モラトリアム)が失効した時
- Mortgage Forbearance(モーゲージ・フォーベアランス)が失効した時
の3つをお伝えしていますが、恐らくはバイデン政権のかじ取りにより
- エヴィクション・モラトリアム
- モーゲージ・フォーベアランス
これらはいずれも延長が繰り返されていくのかもしれません。
その意味ではアメリカ不動産市場において物件供給数が増加する割合はどんどん低くなる方向にあるようです。
ただし目に見えないその裏では量的緩和政策が継続されているわけで、ほぼ間違いなくFED(連邦準備制度)のバランスシート(貸借対照表)は本年1,000兆円を超えてくるものと予想され、本年は初頭から予想通りの方向に進んでいるように思われます。
本日も続けます。
投資スポットの債務不履行率は
そこでアメリカ全体としては不動産市場に混乱が起こらない方向に調整が進められていますが、その一方で自分自身が投資に動くにあたってはやはり
「投資を検討している地域の債務不履行発生率」
はよく調べておくべきです。
州単位の債務不履行率もさることながら、最も大切なのはミクロ視点の郡と市で見た時の債務不履行率であり、究極は昨日までにお伝えした
Zip cord(ジップコード:郵便番号)
毎に債務不履行率を調べておく必要があります。
この点、オースティン市場を包括するTravis County(トラヴィス郡)全体としては
債務不履行率 3.8%(13,251件 / 346,827件)
となっており、全米で見ても低い割合いにあることは間違いありません。
けれどもこの点をジップコード毎に見た時にはどうでしょうか。
そこで本シリーズの仕上げとして、オースティン市場の中で
- 最優良キャピタルゲインスポット
- 最優良キャッシュフロースポット
の2つのエリアで健全性を検証してみます。
定義としては
最優良キャピタルゲインポイント
- 学区全体が良い
- 治安が良好
- ダウンタウンにも最寄りのフリーウェイから一直線
- テレワーク需要も吸収
- 将来の価格はミリオンに届くことほぼ間違いなし
最優良キャッシュフロースポット
- 物件価格は安め
- 学区は良くない
- 治安は悪くない
- 労働環境に近い
- キャピタルゲインはそこそこ
です。
場所の特定は控えますが、今回のデータベースを使ってこれら2つのスポットの債務不履行率を調べたところ、それぞれ
最優良キャピタルゲインスポット:0.26%(15件 / 5,693件)
最優良キャッシュフロースポット:0.27%(23件 / 8,454件)
という結果でした。
どちらも0.3%未満。。
この数字は2021年2月時点のものですが、今回の検証としては
- 全米のSerious Deliquency(シリアス・ディリンクェンシー)数は減少しつつある
- オースティン市場は絶好調
- オースティン投資ホットスポットの債務不履行率は0.3%以下
と言えるようです。
ここから先に全米平均としては供給数が増えたとしても、オースティン市場の投資ホットスポットではその影響が極めて限定的であることが予想されます。
今回は管轄郡であるTravis County(トラヴィス郡)のデータベースから素因数を取ってきましたので、これ以上正確に近い数字は存在しません。
結果としてオースティン市場は健全と言えそうですし、まして投資ホットスポットにおいてはより健全である事実が判明しました。
余談となりますが、今回入手したデータには
「○○○(住所)の物件の現在のモーゲージ累積額は$○○○」
という滞納の累積額までも網羅されています。
ということは、やろうと思えば
「○○○の物件はまず間違いなく市場に出てくるだろうと思われれる」
「今のうちに所有者に電話して、十分な金額で売却の意志があるかを確認してみよう」
という、(合法な)テーブル下でのオファーすら可能になります。
要は物事の素因数を掴むとは、このように誰も思いつかないレベルの解法すら編み出せるものなのです。
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