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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
投資案件を手にした際の案内の精査方法についてお伝えしています。
デューデリジェンスで押さえるべきポイントとして
1.計画概要
2.物件概要
3.法人体系
4.利益体系
の4つの流れで詳細をみてきました。
本シリーズでお伝えしているポイントは大まかではありますが、最低でもこれら4つの分母を押さえておくと案件の精査を大きく外すことはないように思います。
実際にはそれぞれの案件には固有の特徴がありますし、これらのポイントを押さえつつも
「するとこの部分はどうなのか?」
「ここも更に確認が必要そうだ」
と疑問に思うことがいろいろと出てくるはずです。
この手の疑問を抱くことは大切であり、
「自分自身で120%案件を理解する」
「その上で、引き続き気持ちが乗るかを自分に問う」
これが案件に対するデューデリジェンスの最終目的になろうかと思います。
その為に精査を開始するべきポイントがこれら4項目となり、中小企業から大企業まで、どのようなレベルのデベロッパーからの案件でもこれらを軸に精査していくとよいと思います。
そして最終目的はあくまでも
「健全にリターンを受け取ること」
になりますから、最後のポイントである利益体系についてもしっかりと確認しておきましょう。
利益体系について、補足をかねて続けます。
Preferred return(プリファード・リターン)
昨日の利益体系の中で
Preferred return(プリファード・リターン)
という言葉をご紹介しました。
ここは専門用語にもなりますが、言葉そのものの定義としては
「優先的に受け取れるリターン」
であり、通常は
出資する投資家が受け取るリターン = Preferred return(プリファード・リターン)
とされているはずです(されていな案件はパス)。
投資案件を実行する時には
「プロジェクトからの利益」= 収入 - 支出
となりますが、この利益がどのように分配されるは明記されていて然るべきであり、プロジェクト型の不動産投資では利益として定義されるのは主に
物件を保有したままで運用する場合
- エクイティ
- 家賃収入
物件を売却する場合
売却益
ですから、これらの利益の分配方法が決められていて然るべきなのです。
そしてここがポイントですが、現実には運用型の場合では
「利益が一定している」
ということはまずあり得ません。
その運用期間が長ければ長いほど調子の良い時期もあれば調子が悪い時期もあるでしょうし、良し悪しの波を経験しつつも全体として上昇していくことを狙いたいものです。
そしてこのように運用成績には波があるからこそ、
Preferred return(プリファード・リターン)
という考え方が大切になってきます。
例えばある開発案件で
Preferred return(プリファード・リターン)= 10%
と定義されていたとします。
この場合、契約書内にはきちんと
「投資家はPreferred return(プリファード・リターン)を10%受け取る権利を有する」
という趣旨の文言がなくてはなりません。
そこで自分が
$100,000
を出資していたとしましょう。
かつ、自分と同じ金額で出資する投資家が他に2人いたとします。
そうすると、Preferred return(プリファード・リターン)が10%ということであれば
「年間$10,000のリターンを優先的に受け取れる」
ということですから、自分を含む3名の投資家はそれぞれ年間$10,000のリターンを優先的に受け取る権利があることになります。
そこでその開発案件が運用期に入り、実際の運用成績からの利益が
第一四半期:$35,000
第二四半期:$42,000
第三四半期:$30,000
第四四半期:$27,000
だったとします。
この場合、
投資家3名(プリファード・リターン対象者)
プロジェクトマネージャー
の4名の受取り額を比較すると、
第一四半期
投資家 ... $10,000ずつ
プロジェクトマネージャー ... $5,000
第二四半期
投資家 ... $10,000ずつ
プロジェクトマネージャー ... $12,000
第三四半期
投資家 ... $10,000ずつ
プロジェクトマネージャー ... $0
第四四半期
投資家 ... $9,000ずつ
プロジェクトマネージャー ... $0
が配当となります。
投資家がそれぞれ手にするリターンを見ると、
第一四半期 $10,000
第二四半期 $10,000
第三四半期 $10,000
第四四半期 $9,000
であり、プロジェクトマネージャーの場合は
第一四半期 $5,000
第二四半期 $12,000
第三四半期 $0
第四四半期 $0
と推移していきます。
Preferred return(プリファード・リターン)としての約束が交わされていますから、この例からも
「リターンは投資家に優先的に分配され、約束の10%が渡される」
「成績が良かった場合、プロジェクトマネージャーが大きく利益を得ることもある」
「成績が悪く利益が確保できない場合、投資家を優先にしてプロジェクトマネージャーは報酬がない場合もある」
「全体の利益が至らない場合、プロジェクトマネージャーのゼロ報酬はもちろんのこと、投資家への配当も少なくなる」
ということが分かります。
利益体系としてPreferred return(プリファード・リターン)の概念が適用されている場合は常にその利益は投資家が優先に受け取る権利があり、その余りをプロジェクトマネージャーが受け取り、成績が悪い場合はマネージャーはゼロ報酬は当たり前のこと、投資家も受け取りが少ないもしくは無配当もあり得るのです。
ちなみに利益を受け取るタイミングについても明確に定義されている必要があり、
- 毎月受け取る
- 四半期ごとに受け取る
- 年に一度受け取る
等、利益を受け取るタイミングは案件ごとにばらばらで然るべきですので、この点も利益体系の一つとして把握しておくようにしましょう。
明日に続けます。
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